歩きスマホの実例と対策。被害者・加害者にならないための知識

スマホの普及とともに社会問題となっているのが、歩きスマホによる事故が多発していることです。駅のホームから落ちたり、人やものとぶつかってケガをするだけでなく、他人を事故に巻き込んでしまうケースも増えています。

スマホユーザーの7割以上が、歩きスマホの経験ありといった調査データもあり、歩きスマホの問題は他人事ではありません。自分が歩きスマホの被害者・加害者にならないために、歩きスマホの危険性や対策について知っておきたいと思います。

株式会社ビースリー 代表取締役 田和 充久

株式会社ビースリー 代表取締役 田和 充久

株式会社ビースリー代表取締役社長。1999年5月に検索エンジンやポータルサイト、インターネット通信回線事業を手掛けるエキサイト株式会社に入社。新規事業の責任者を務め、インターネットを通した事業開発に携わる。

2007年に起業し、株式会社ビースリーを設立。WEBマーケティング事業を始め、海外(タイ)にて食品事業を開始するなど、国内外に幅広く事業を展開している。事業外においては、NPO法人「格安SIMと格安モバイルWiFiの正しい選択方法の普及協会」を設立し、適切なインターネット通信回線情報の普及にも取り組んでいる。「一般財団法人インターネット協会」賛助会員。

清水さん

株式会社イメージ⼯学研究所 代表取締役 清⽔ ⼤介

株式会社イメージ⼯学研究所 代表取締役。1997年、総合広告会社入社。通信キャリアの固定電話向けコンテンツサービスの立上げコンサルを行う。2007年にKDDIグループにジョイン。モバイル広告事業において企画営業、 新商品企画等担務を経て、 KDDIにて、コラボケータイ、新規協業メディアやauスマートパス等の新規事業の企画開発に携わる。

位置情報ビッグデータ分析ダッシュボード『KDDI Location Analyzer』等の新規事業を立上げ、位置情報データにおける全社利活用責任者に就任。 新型コロナウイルス対策における政府等公的機関への連携も統括している。2021年に独立。

KDDI在籍中11年の、新規事業スタートやビッグデータ利活用ビジネスを手がけた経験により、キャリアをはじめとした通信業界に精通している。 メディア掲載歴に「日経新聞」「ケータイウォッチ」が挙げられる。


歩きスマホによる事故例

事故件数はどれくらい?

東京消防庁の調べによると、東京都の管轄内で平成25年から平成29年までの5年間に、歩きながら、自転車に乗りながら携帯・スマホなどを操作していて起きた事故によって、199人が救急搬送されています。

8割以上が軽症ですが、入院の必要がある中等症以上が43人いて、その中には命の危険に及ぶ重篤なケースもありました。

事故種別ごとでみると、「ぶつかる」が全体の約44.2%、次いて「ころぶ」が31.2%、「落ちる」が22.1%となっており、場所別でみると全体の約8割が駅などの交通施設や道路で事故が発生しています。

参考URL:
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201602/mobile.html

実際に起こった事故例

スマホの画面に夢中になっていると視覚情報が鈍感になり、周りに注意がいかなくなります。

歩きスマホが危ないことは科学的にも立証されていて、普通に歩いているときなら100%避けられる障害物でも、歩きスマホをしている状態では10~20%の人がぶつかってしまいます。

私も歩きスマホをしている人をよく目撃しますが、交差点の信号待ちをしながらスマホを操作していた人が、まだ信号が赤にもかかわらず突然横断を始めて驚いたことがありました。

スマホの画面に視界が奪われ、自分の目で車や信号を確認せずに周りの動きに合わせて移動していると、思わぬ事故に合う危険があります。

歩きながら、自転車に乗りながら、スマホの操作をしていて起きた事故例をいくつか紹介します。

  • 自転車で走行中、スマホを操作しながら運転していて、高さ1mの道路脇の用水路に転落(平成26年4月)
  • 携帯電話を扱いながら歩行中、ポールにつまずき転倒し、ブロック角で顔面を受傷(平成26年4月)
  • スマホを操作しながら歩いていた中学生がホームから転落。電車は転落場所を30メートルほど通過したが、中学生はホーム下の空間に避難し無事だった。(平成26年10月)
  • 携帯電話を操作しながら歩いていた男性が踏切に進入し、電車にはねられて死亡(平成25年10月)


歩きスマホで加害者になることも

歩きスマホが引き起こす事故の中には、自分だけでなく周囲の人を巻き込んでしまうケースが増えています。中には、損害賠償責任や刑事責任を課せられた事例もあります。

実際にあった事例として、高校生が携帯電話を操作しながら自転車で走行中(夜間に無灯火)、女性に衝突して重大な障害が残るケガを負わせてしまい、約5000万円の賠償金が命じられました。

「自分は大丈夫」と思っていても、他人にケガを負わせてしまえば加害者となり、多額の賠償責任を負う場合もあります。

とくに高齢者や障害を持った人、幼児や妊婦にとって、歩きスマホはとても危険な行為なので、習慣になっている人はすぐにでも止めるべきです。

ですが、「わかってはいるけどやめられない、やってしまう」人が多いのが現状です。

歩きスマホは意識の問題?それとも規制すべき?

歩きスマホをしたことがある人の4割以上が、実際にぶつかったり危ない思いを経験したことがあると答えています。

歩きスマホの危険性は多くの人が認識してはいるものの、知りたい情報がいつでもどこでも得られる便利さや、すぐにメールの返信がしたい誘惑に負けて、ついつい歩きながらスマホを操作してしまうのが実状です。

日本ではまだ歩きスマホを規制する条例はありませんが、アメリカのニュージャージー州では2012年に、歩きスマホをすると罰金85ドルの条例ができました。

歩きスマホをするかしないかは個人のマナーやモラルの問題ですが、歩きスマホの問題がより深刻化すれば、日本でも近い将来、条例や法律で規制されるようになるかもしれません。

歩きスマホ防止対策

歩きスマホの問題が深刻化するなか、携帯電話各社では歩きスマホを防止するアプリを無料で配信するなど、スマホの安全な利用に向けた取り組みを始めています。

携帯電話キャリアのアプリ

■ ドコモ「歩きスマホ防止機能」

スマホを見ながら歩いていると、歩行中であることを検知し、警告画面を表示されます。警告画面が表示されている間は、スマホの操作ができなくなります。

■ ソフトバンク「STOP歩きスマホ」

スマートフォンの画面を見ながら歩行していると、「やめましょう、歩きスマホ」と表示されます。警告画面が表示されている間は操作ができませんが、歩行を中止すると再度操作が可能になります。

■ auの「歩きスマホ注意アプリ」

スマホの画面を見ながら歩行すると歩行中であることを検知すると、警告画面を表示されます。歩行停止を検知すると、警告画面が自動的に消えます。

歩きスマホをしなくても情報が得られる?!

歩きスマホをせずに移動中も必要な情報を収集したい、そんな人には読みたい記事を音声化してくれるアプリ「Pocket(ポケット)」がおすすめです。

Pocketは、記事や画像など気になる情報をストックしておけるアプリですが、保存したテキストを自動音声再生する機能がついています。

気になるブログやニュース記事を保存しておけば、ラジオを聴く感覚で歩きながら知りたい情報を聞き流すことができます。実際に使ってみると、想像以上に上手に読み上げてくれるので感動しました。イントネーションがおかしいときもありますが、文章の内容はスラスラ頭に入ります。

歩きスマホの防止だけでなく、家で料理を作りながら聞き流したり、英会話の勉強、テスト勉強にも使えそうです。

最後に

駅などの公共の場所で、歩きスマホに警鐘を鳴らすポスターを目にすることが多くなりました。 危険です!歩きスマフォ!

しかし、スマホの画面に注視している歩きスマホの常習者は、そのことに気づいていないと思います。メッセージを伝えたい人に、メッセージが届かないとは皮肉な話です。

歩きスマホをしている人は歩き方がフラフラしていて、はたから見ると危なっかしくて、見た目も良くありません。せっかく便利なスマホを使っているのですから、気持ちに余裕をもって「スマート」に使いたいものです。

歩きスマホによる被害者、加害者を減らすためにも、是非このページを広めて頂けますと幸いです。

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