お金を借りるときの条件を知っておくことが大事
お金を貸してくれるのは銀行だけではなく、JAや消費者金融、信販会社などさまざま。しかしどこで借りるにしても、必ず条件があるのです。そして条件というのは、「申込み条件」「審査条件」と幅広いのが特徴です。
そこでこの記事では、お金を借りるための基本情報として、どんな条件をクリアすれば融資を受けることができるのかを解説。
どこでお金を借りるのかによって条件も異なってくるので、いくつかのパターン別に紹介していきます。この記事を最後まで読めば、自分にとって一番審査が通りそうな業者はどこなのかがハッキリ分かります。
銀行でお金を借りるときの条件
お金を借りると決めた時、真っ先に思い浮かべるのが銀行です。なんとなく敷居が高いイメージがあるという方が多いようですが、条件をクリアしていれば何の問題もありません。銀行が扱っているローンの種類と最低条件は以下の表の通りです。
ローンの種類 | 使用用途 | 借入額 | 年齢条件 |
---|---|---|---|
住宅ローン | 家の購入/リフォーム | 最大1億円程度 | 満20歳以上66歳未満 ※完済時71歳未満 |
教育ローン | 教育関連資金 | 最大300万円程度 | 満20歳以上66歳未満 ※完済時71歳未満 |
多目的ローン (フリーローン) |
銀行が指定する特定の用途 | 最大1,000万円程度 | 満20歳以上66歳未満 ※完済時71歳未満 |
自動車ローン | 自動車購入 | 最大1,000万円程度 | 満20歳以上66歳未満 ※完済時70歳未満 |
カードローン | 原則自由 | 最大800万円程度 | 満20歳以上 |
※法人向けの事業者ローンなどは省略しています。
※各銀行によってローンの種類は異なる場合があります。
共通する最低条件
銀行でお金を借りるなら、最低でも以下の条件を満たしている必要があります。その上で各ローンが指定する条件をクリアすることでお金を借りることができます。
年齢 | 満20歳~60歳未満 |
---|---|
収入 | 安定した収入が継続していること |
保証人 | 保証会社の保証を受けられること |
※年齢や保証人に関しては契約するローンによって多少異なる場合があります。
住宅ローンを契約する条件
上記の最低条件に加えて、住宅ローンでは以下の条件を加えていることが多いです。
- 満20歳以上71歳未満、完済時81歳未満
- 団体信用生命保険の加入
- 日本国籍または永住許可を受けている
住宅ローンは融資金額が多いので、条件はより厳しくなります。必要な書類も増え、審査も一ヶ月近くかかります。
教育ローンを契約する条件
教育ローンを契約するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 満20歳以上66歳未満、完済時71歳未満
- 勤続年数2年以上
- 前年度年収200万円以上
銀行によっても異なる場合がありますが、教育ローンは勤続年数や前年度年収の条件が追加されます。年収を証明する書類として、源泉徴収票の提出などが求められます。勤続年数などの条件があるのは、学生向けではなく親が借りることを想定しているローンだからです。
多目的ローン(フリーローン)を契約する条件
多目的ローンとは銀行が予め指定する用途でお金を借りる場合、金利が優遇されているローンのこと。条件として以下のものが追加されます。
- 満20歳以上66歳未満、完済時71歳未満
- 勤続年数2年以上
- 前年度年収200万円以上
- 使いみちの確認できる書類の提出
多目的ローンで多いのが、旅行資金や結婚費用、生活必需品の購入などです。銀行が用意している使いみちに合致するローンを契約し、使いみちを証明する領収書などの書類を提出する必要があります。
自動車ローンを契約する条件
自動車ローンはその名の通り、車を購入するために借りられるものです。条件として、以下のものが追加されます。
- 満20歳以上66歳未満、完済時70歳未満
- 前年度年収200万円以上
- 勤続年数1年以上
- 複数社と自動車ローンを契約していない
- 見積書や契約書の提出
自動車ローンは条件が多く、「1台の車を買うために契約できるローンは1社」と決まっています。複数の銀行からお金を借りて1台の車を買うことは禁止されているので、これらが条件となります。
カードローンを契約する条件
カードローンは生活費などを借りることができ、使いみちは原則自由です。契約の際には以下の条件が必須となります。
- 満20歳以上66歳未満
- 銀行への口座開設
※口座開設の要不要は銀行によって異なります。
カードローンは銀行でお金を借りる中で最も条件が少ないものです。これは限度額が低いことが関係しているからで、使いみちも自由なので用途を証明する書類の提出も必要ありません。
これが銀行でお金を借りるための条件です。ローンの種類が多いため、契約するものによって条件が異なるという特徴があります。次章では、消費者金融でお金を借りるための条件を確認していきましょう。
消費者金融でお金を借りるときの条件
生活費やちょっとした出費に対応するためには、銀行ではなく消費者金融という手もあります。審査時間が短いため、即日融資が可能というメリットは消費者金融ならでは。消費者金融は基本的にカードローンのみの取り扱いなので、以下の条件を満たしていれば審査通過はそう難しくありません。
- 満20歳以上
- 安定した収入が継続的にある
- 保証会社の保証を受けられる
年齢条件は各社異なっていますが、満20歳以上という点はどこも同じです。条件の中で最も大事のが「安定した収入が継続的にある」ということ。これは正社員として働いていなくても、例えばパートやアルバイトのような雇用形態でも、安定して毎月お給料を受け取っていれば条件をクリアしているとみなされます。
消費者金融の場合、総量規制というものがあるので、本人に安定した収入がないとお金を借りることはできません。
消費者金融は申込者の年収の1/3までしか貸し出しできないと総量規制で決まっているため、収入があることは必須条件です。そのため無職であったり専業主婦であっったり、本人に収入がないと消費者金融でお金を借りることはできません。
ろうきんでお金を借りるときの条件
銀行と同じくらいローンを用意しているのがろうきんです。生活費を借りるのはもちろん、住宅ローンや教育ローンまであるので、利用を検討している人も多いはず。ろうきんでお金を借りるためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- ろうきんの構成員であること
- 満18歳以上満65歳未満
(住宅ローンは満20歳以上、完済時満76歳未満) - 勤続年数1年以上
- 年収150万円以上
- 安定した収入がある
- 保証協会の保証を受けられる
ろうきんは低金利でお金が借りられるのですが、条件として「ろうきんの構成員」であることというものがあります。それ以外は銀行や消費者金融と同じ条件ですが、ろうきんは満18歳以上であれば利用できるという違いがあります。
各金融機関でお金を借りる方法はここまでですが、次章以降では「審査の条件」について紹介していきます。
お金を借りる際の審査条件
銀行でも消費者金融でも、お金を借りる際には絶対に「審査」があります。各金融機関の申込み条件には、「保証会社の保証を受けられる方」と記載されていますが、ここでは保証会社がどういうものかを解説します。
保証会社とは保証人の代わりになるもの
結論を先にお伝えすると、保証会社というのは「保証人に代わるもの」です。お金を借りる際には保証人が必要でしたが、最近は保証会社が代わりになってくれます。保証会社というのは、万が一借り入れした人の返済が滞った時、代わりに金融機関にお金を返してくれる会社のことです。
保証会社が返済しても借金はなくならない
保証会社が金融機関に対して代わりに借金返済をすることを「代位弁済」と言います。これは借金が帳消しになるという意味ではなく、債権が金融機関から保証会社に移るだけです。つまり代位弁済後は保証会社に借金を返済していくことになるので、保証人トラブルでありがちな「逃げたら勝ち」という不正は通用しません。
契約時に保証料を支払っている
借金には必ず「金利」というものがありますが、この金利の中には保証会社に支払う「保証料」が含まれています。そのためお金を借りる際に、保証会社に手数料などを支払う必要はありません。
申し込み条件にある「保証会社の保証を受けられる方」というのは、こうした意味があったのです。審査はこの保証会社が行うため、銀行が直接審査をするわけではありません。審査では、以下の条件を満たしていることを確認します。
- 年齢
- 年収と勤続年数
- 他社借入状況
一般的に、仕事をしていて収入が一定期間以上あれば、お金を借りる最低条件はクリアしていると言えます。次章では、フリーターや主婦といった「ちょっと変わった事情がある人」がお金を借りる条件を紹介します。
フリーターや主婦がお金を借りる条件
お金を借りる際には、安定した収入があることが求められます。しかし中にはフリーターや主婦といった、「条件に当てはまるか微妙」という人もいます。そこでそれらの人は何をクリアしていればいいのかを紹介していきます。
フリーターがお金を借りる条件
アルバイトで生計を立てるフリーターは、バイト代でも「安定した収入がある」とみなされます。そのため銀行や消費者金融でお金を借りることができますが、以下の条件が追加されます。
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- 全てのバイト先の収入証明書を提出すること
消費者金融は総量規制というものがあり、年収の1/3までしか貸し出しができません。そのため複数のバイトを掛け持ちしている人は、全てのバイト先で収入証明書を発行してもらう必要があるのです。
例えば1社で50万円しか年収がなければ、借りられる金額は16万円程度。数社合わせて150万円の年収があれば借りられるお金は50万円まで増えます。年末にもらえる源泉徴収票は全て残しておきましょう。
主婦がお金を借りる条件
主婦は「安定した収入がある」という条件を満たせない可能性があります。専業主婦は金融機関からみたら「無職」という扱いになってしまうからです。
そのため確実にお金を借りるのであれば、パートでもいいので何か仕事をする必要があります。専業主婦が住宅ローンや自動車ローンを契約することはできず、カードローンでも10万円程度しか借りることができません。
少ない時間でもいいので働いて「安定した収入がある」状態を作り出すことが大事です。
とはいえ、事情があって無職というケースもあるので、全ての専業主婦に「働くべき」というのは無理な話です。そこで頼れるのが市役所なので、市役所からお金を借りる条件を紹介します。
市役所からお金を借りるときの条件
お金を借りたいが無職であるという場合、条件を満たしていれば市役所でお金を借りることができます。市役所で借金をする場合、以下の条件を満たしている必要があります。
- 低所得世帯
- 高齢者世帯
- 障害者世帯
市役所からお金を借りられるのは、このような事情がある人達です。金融機関が貸付を断るような人こそ、行政が支援するという意味合いが強いのです。
まとめ
この記事では、お金を借りる際の条件について紹介してきました。重要なポイントは以下の5つです。
- お金を借りるためには条件があるが、どれも難しいことはない
- 銀行や消費者金融は満20歳以上が条件だが、ろうきんは満18歳以上
- 住宅ローンや教育ローンなど借入額が高額なローンほど条件が厳しい
- 条件をクリアしているかどうかの確認作業が「審査」
- 無職や低所得世帯など、条件をクリアできない人は市役所の貸付制度がある
お金を借りる条件は「安定した収入が一定期間以上あること」というのが重要です。それを確認するために「年収や勤務年数」という条件があるのです。条件をクリアしているかどうかは審査で判断され、必ず通過しなければいけません。
審査の通過ができない人は、市役所の貸付制度の利用を検討しましょう。20歳を超えていて定職に就いていれば、基本的に最低条件はクリアしていると考えて良いでしょう。