お金を借りる前に金利の事を知っておこう
お金を借りることは無料ではありません。銀行のカードローンや消費者金融などから借入するということは、その借りた金額に対して利子が発生するものです。それが「利息」と呼ばれるものです。利息は一律でいくらというものではなく、借りるお金の大小や借りる銀行や消費者金融によって違います。
つまり、返済するときに金利がどのぐらいかかるのか予め調べておけば、返済計画を立てやすくなります。無理のない返済を続けていくためには、できるだけ安い金利の方が助かると思いませんか?
- どこで借りたら利息が安い?
- 利息の計算方法や実質年率ってなに?
- 銀行と消費者金融ならどっちが安い金利なの?
この記事では、このような疑問をひとつずつ解決していく内容になっています。返済計画は無理の無いよう立てることで、二重三重と借金を増やさずに済むはずです。借金地獄に陥らないためにも、事前調査をしっかりしましょう。
お金を借りる時の金利って何?
お金を借りる上での金利の意味を正しく理解していますか?銀行や消費者金融のホームページを見ても、「金利は15%」などと記載されています。この金利とは一体何を意味するのでしょうか?
金利とは、借りたお金に対する利息がいくらなのかを示すものです。金利は年率で表される事が一般的であり、15%と記載があれば「年率15%の金利でお金が借りれる」ことを意味します。
つまり、「借りたお金に対して年間で15%の利息が発生する」ということになります。10万円を借りるなら1年間で15,000円を利息として金融業者に支払うことになります。ここで混同しやすい、「金利」「利率」「利息」「利子」の違いについてそれぞれ説明することにしましょう。
「金利」
金利とは利息の割合を意味します。その割合を%で表示したものを金利と言います。
「利率」
利率は金利と同じ意味で使われています。同じ意味で使っても問題ありません。
「利息」「利子」
利息は金利によって発生したお金のことを指します。2つはほとんど同じ意味の言葉なので、どちらを使っても構いません。
このように、金利、利率、利息、利子は同じ意味で使われています。もちろんこれはお金を借りることに関して使われる場面に限ります。辞書などで調べると微妙に違いがありますが、お金を借りる上でこれらの違いは気にしなくても大丈夫でしょう。
上限金利って何?
金利は金融機関が勝手に決めていいものではなく、利息制限法によって「上限金利」というものが設けられています。利息制限法第一条によると、制限内容は金額に応じて以下3つように分けられています。
- 元金が10万円未満の場合、上限金利(年率)は20%
- 元金が10万円~100万円未満の場合、上限金利(年率)は18%
- 元金が100万円以上の場合、上限金利(年率)は15%
これは法律で決められていることなので、金融業者は絶対にこの金利の範囲内で貸付を行わないといけません。
これ以上に金利を高くしている業者は刑事罰の対象となるため、悪質業者と判断できます。ヤミ金の可能性が高いので絶対にお金を借りてはいけません。
カードローンやキャッシングにおける金利計算と実質年率について
金利の仕組みがわかっても、銀行のカードローンや消費者金融のキャッシングなどを利用したとき、実際にいくらのお金がかかるのかまでわかりません。
そこで利息の計算方法と実質年率について知っておくと、借りたお金に対していくらの利息を支払えばいいのか、安い金利で借りたい場合はどの業者がいいのか見極めることができます。
カードローンの利息計算方法
まずは利息計算方法ですが、借りるお金は100万円だったとします。この場合、金利が15%に設定している業者から借りたときの利息を計算していきましょう。
元金100万円 × 金利15% = 利息15万円
となります。元金100万円と、利息15万円を足した合計金額115万円を返済する義務があるということになります。
しかしこれはあくまで理屈の話であって、カードローンやキャッシングは「借入期間」というものがあります。借入期間が短ければ利息は少なく、長ければ利息は多く支払う必要があるのです。
実際に返済する利息の計算方法
実際に返済する利息は、計算式に借入日数を入れることになります。
【計算式】
借入金額 × 実質年率(金利)÷ 365 × 借入日数 = 利息
先ほど紹介した、100万円を金利15%で借りたケースで、利息額のシミュレーションをしていきましょう。
【借入日数30日】100万円 × 15% ÷ 365日 × 30日 = 12,328円
【借入日数180日】100万円 × 15% ÷ 365日 × 180日 = 73,972円
このように、カードローンやキャッシングは借入日数が支払う利息に大きく関係しています。金利15%といっても、すぐに返せば15万円まるまる取られることはないのです。そうなるのは、これから説明する「実質年率」という単語がカギとなるのです。
実質年率とはなにか
「%」で表示されている金利は、全て「年利」です。1年間でこれだけの利息が発生するというもので、100万円を15%の金利で1年借りたら、15万円の利息が発生するという仕組みです。
そして次に気になるのが「実質年率」というものですが、お金は借りる前にも費用がかかっています。例えば審査や信用情報の調査費用などです。私達がこれを支払わなくてもいいのは、これらの費用が全て金利に含まれているからなのです。これは、法律で定められていることなので心配する必要はありません。
そういう費用を全て含めた金利を実質年率と言い、お金を借りるときに利息以外の手数料が取られないのはこういう仕組みだからなんです。
金利を少しでも安くする方法と注意点
金利はお金を借りるために支払う手数料のようなものということはわかりました。であれば、できれば安いに越したことはないですよね。利息制限法は上限利息を決めるための法律であり、下限は決まっていません。
つまり各社自由に決めることができるのです。ある程度横並びではありますが、金利を少しでも安くするためには以下の点に気をつけると良いと言われています。
金利を安くする方法
- 消費者金融より銀行を選ぶ
- 短期の借入なら消費者金融の無利息キャッシングを使う
- 住宅ローンを組んでいる銀行で借りる
1.消費者金融より銀行を選ぶ
カードローンやキャッシングを利用する場合、一般的には消費者金融よりも銀行が低金利と言われています。
消費者金融は上限金利を18%に設定しているところが多い中、銀行の上限金利は15%程度。その時点で3%も金利が違うことがわかります。
- 【消費者金融】アコムの金利:3.0〜18.0%
- 【銀行】みずほ銀行の金利:2.0〜14.0%
金利は人それぞれ違い、審査で決定します。そのため銀行も消費者金融も同じ金利になることも珍しくありませんが、上限金利が低い方を選んでおけば、最大の適用金利が低く済みます。
例えば10万円借りたとします。A社では金利が18%だとすると、返済総額は118,000円となります。B社では金利が15%だとすると、返済総額は115,000円となります。同じ10万円を借りるだけなのに、3,000円も開きが生じているのがお分かりでしょうか。
このことからも、金利は安い所から借りることは最低条件と言えます。
2.短期の借入なら消費者金融の無利息キャッシングを使う
それでは消費者金融は金利が高くてオススメできないのかと言えば、そうではありません。消費者金融は銀行との差別化として、「一定期間利息を無料にするサービス」を行っています。
これが「無利息キャッシング」と呼ばれるもので、一般的に初めての借入から30日間は利息が無料になります。
例えば給料日前にお金がなくて、「給料さえ入ればすぐに返せる」というシーンでは、無利息キャッシングが最も低金利でお金を借りられる方法です。金利はお金を長期間借りる場合に気にすることです。短期で完済できるなら、金利はあまり気にすることはありません。
そういう意味では、返済期間はできるだけ短いほうがいいですね。月々の返済額を少なくすればそれだけ返済期間が長くなります。
例えば100万円を借入したとします。一年かけて返済した場合、ここに金利が18%加算されると、返済総額は118万円となりますね。18万円の利息が生まれるのです。
ところがこれを半年で返済した場合は、
借入金額100万円 × 金利18% ÷ 365日 × 180日 =88,767円となるのです。これは大きな差がありますね。
これは極端な例ですが、繰り上げ返済などを積極的に利用することで、借りる期間を1ヶ月でも短くすることで金利を安くすることができます。
3.住宅ローンを組んでいる銀行で借りる
銀行によっては、住宅ローンを借りている人はカードローンの金利を引き下げるなどのサービスを行っています。例えばみずほ銀行では、住宅ローン利用者は0.5%の金利引下げが行われています。
他にも、銀行カードローンなどはその銀行を給与受取口座に設定することで金利が安くなることもあります。こうした、金融会社が行っている低金利サービスを積極的に活用していく事が金利を安くするコツです。
低金利なのは銀行と消費者金融、どっちなの?
これは先程も紹介しましたが、低金利なのは銀行です。
銀行のカードローンの金利の平均 | 3.5%~14.5% |
---|---|
消費者金融の金利の平均 | 4.5%~18.0% |
それなら誰もが銀行からお金を借りたいと思いますが、銀行は消費者金融に比べて審査が厳し目です。また、審査に時間がかかることも多いため、金利が安いからおすすめとは一概に言えません。<
消費者金融は金利以外の面で銀行と差別化を図っており、即日融資や無利息キャッシングなど、銀行ができないことを積極的にサービスとして提供しています。審査の結果、銀行も消費者金融も変わらぬ金利を提示してくることもあるので、一概にどちらがオススメと断言できないのが現状です。
即日融資が希望 | 消費者金融 |
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融資希望額が高い | 銀行 |
と覚えておくと良いでしょう。
消費者金融は総量規制の対象なので、年収の1/3以上のお金は借りられません。対する銀行は総量規制対象外なので、年収の半分程度の融資が可能。こうした違いも含め、どこからお金を借りるのか決めましょう。
低金利でお金を借りる方法で一番おすすめは?
低金利でお金を借りるということを突き詰めると、無利子の市役所や国の支援制度が最も金利が低い方法と言えます。無利子というのは金融機関では実現しないため、ダントツで低金利と言えるでしょう。しかしこれは生活困窮者に向けた支援制度なので、気軽にお金を借りることはできません。それでは、結論としてどの方法が最も低金利でお金を借りる方法なのでしょうか?
担保融資または無利息キャッシングが最も低金利
お金を借りる時に金利が安くなる条件は、「担保がある」こと。土地や建物に限らず、預貯金も担保になります。生命保険の解約返戻金も担保と言えるでしょう。こうしたものを利用してお金を借りるのがオススメです。
しかし担保もなく、低金利でお金を借りたいと考える人も多いでしょう。そんな時にオススメなのが、消費者金融が行っている無利息キャッシングです。30日間と期間は短いですが、その間なら無利子でお金を借りることができます。
もちろん、無利息期間を過ぎてしまうと高い金利が発生することになってしまうため、すぐに返すことが条件です。
消費者金融各社の無利息期間の詳細
金融機関名 | 無利息期間 | 条件 |
---|---|---|
アイフル | 契約の翌日から30日間 | 契約が初めてであること |
アコム | 契約の翌日から30日間 | 契約が初めてであること |
プロミス | 初回利用から30日間 | メールアドレス登録 Web明細の確認 |
レイクALSA | 契約の翌日から60日間または180日間 | 契約が初めてであること (60日間無利息はWeb申し込み限定) (180日間無利息は5万円までの借り入れ分) |
SMBCモビット (三井住友カード提供) |
なし |
他にも、頼れる人がいるなら親や友達にお金を借りるというのも有効です。そこでこれから、お金を借りるシーンをいくつか紹介し、それぞれどれくらいの金利が発生するのかを紹介していきます。
生命保険の契約者貸付の金利はいくらぐらい?
もし、あなたが生命保険を契約しているのであれば、契約者貸付制度を利用できる可能性があります。生命保険には解約すると戻ってくる「解約返戻金」というものがあります。一時的にお金が必要なシーンで保険を解約したらもったいないので、この解約返戻金の範囲内でお金を借りるという方法が、「契約者貸付制度」なのです。
契約者貸付制度の金利は1.5〜3.5%程度
契約者貸付制度の金利は保険会社によって異なりますが、多くの場合「1.5〜3.5%」程度と言われています。銀行や消費者金融に比べたら圧倒的な低金利ではありますが、解約返戻金の範囲を超えた貸し出しはしていません。
そのため契約している生命保険の種類によっては、あまり多くのお金を借りることができないのです。メリットは審査がないことなので、生命保険にさえ加入していれば、学生でも主婦でも審査なしでお金を借りることが可能です。
低金利で審査なしということで、お金を借りるなら最も優れた方法と言えそうですが、契約者貸付制度の金利は「複利」で計算されます。元本に金利が上乗せされる銀行や消費者金融と違い、借金総額に金利が上乗せされる仕組みです。つまり、お金をすぐに返さないと借金が増えるペースが銀行や消費者金融より早いのです。
こうした点からも、生命保険でお金を借りる場合は「すぐ返すお金」だけを借りるようにしましょう。
市役所の融資制度でお金を借りると金利はいくら?
無職の人や障害を抱える人がお金に困った時、市役所でもお金を借りることができます。生活費を貸してくれるものから教育資金まで、幅広く貸し出しを行っているのが特徴です
生活福祉資金貸付制度の条件
生活福祉資金貸付制度というのは個人向けではなく、世帯に貸付するということを目的にしています。もちろん誰にでも貸しているわけではなく条件があります。
- 低所得世帯であること
- 高齢者世帯であること
- 障害者世帯であること
貸し付け対象となるのは以上です。
そのため、使う目的はなんでもOKという銀行のカードローンや消費者金融のようにはいきません。
使用目的は教育支援、福祉、不動産担保などを目的とした場合のみ借りることができるのです。旅行や趣味などに使うことは許されていません。
生活福祉資金貸付制度の金利は1.5%
この制度の特徴は、非常に金利が低いことです。
連帯保証人を立てられる場合は無利子でお金を借りることができ、そうではない場合でも1.5%という超低金利で利用できます。
生活に困っている人を対象にしている制度なので、金利を多く取って利益を上げるというものではないからです。
利子は一切つきませんが、必ず返済しなければいけないという約束があることをお忘れなく。
国の融資制度でお金を借りると金利はいくら?
これは市役所の制度と同じと言えますが、国にも生活困窮者に対してお金を貸し出している制度があります。
「総合支援資金貸付制度」というものですが、以下の条件を満たしている必要があります。
- 本人確認ができること
- 住んでいる住所が確認できること
- 低所得世帯であること
- 返済計画がしっかり立てられること
これらの条件を満たせば借入することができます。
借りられる額は生活支援費としては15〜20万円を最長で12ヶ月、一時生活再建費としては60万円以内、住宅入居費としては40万円以内と決まっています。
総合支援資金貸付制度の金利は1.5%
総合支援資金貸付制度は市役所の行っている制度と同じです。
そのため金利も連帯保証人が入れば無利子、いない場合でも1.5%で借りることが可能です。
他にも、急なトラブルで一時的に必要になったお金を貸してくれる「緊急小口資金貸付制度」というものがありますが、これも無利子でお金を借りることが可能です。
郵便局でお金を借りると金利はいくら?
郵便局の融資制度は定期預金がある人に向けて行っているサービスです。財形や国債を担保にお金を借りられるサービスもありましたが、現在は新規受付を終了しています。
貯金担保自動貸付の金利は約定金利により異なる
郵便局が行っている融資は、総合口座で担保定額貯金や担保定期貯金をしている人に向けたものです。金利は以下のように決められています。
担保定額貯金を担保にする場合 | 返済時の約定金利+0.25% |
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担保定期貯金を担保にする場合 | 返済時の約定金利+0.5% |
約定金利というのは、事前に契約の際に決められた金利というものです。金利は利息制限法に基づいて決まるため、審査で決まった金利と覚えておきましょう。
ここまで、国または金融機関でお金を借りる金利について紹介してきました。次の章では、友人や知人、家族からお金を借りる際の金利について紹介します。
親や友達から借りたとき、利子はどうするの?
どうしてもお金が必要になってしまったとき、親や知り合い、友達から借りるという方も多いのではないでしょうか。
みんな顔見知りだから、ということからあまり気にしない方も多いようですが、例えば親から借金したとき、実は贈与税の対象になってしまう可能性があるのです。
例えばマイホームを建てるための資金としてお金を親から借りたとします。親から「このお金はあげる」と言われれば贈与税の対象になりますし、「このお金は貸す」と言われれば利息が発生します。贈与税と区別をつけたいということで、利息を支払うことを条件に親からお金を借りるという形を取っている方が多いようです。
はっきりとした線引きがないのが難しいところのようですが、例えば親から1,000万円を借りたとします。商事利率を6%で計算すると利息は60万円となりますね。利子分に該当する金額が110万円以下の場合は贈与税がかからないので、贈与税の事を考えると利息を支払ったほうがお得ということになります。
また、友達からお金を借りる場合の金利は、法的には利息制限法で定められている金利以下であれば、金利を設定することも可能です。
その際はきちんと借用書を作って署名捺印し、お互い納得のいく条件で貸し借りを行いましょう。少額の貸し借りであれば、相手にほんの気持ちとして多めに返すなどの配慮をしてもいいかもしれませんね。あまりに借りる金額が大きい時には、トラブルを避けるためにも銀行や消費者金融から借りることをおすすめします。
まとめ
この記事では、お金を借りる際の金利について、知っておきたい情報をまとめました。最後に重要なポイントを箇条書きで紹介します。
- 「金利」は借りたお金にいくらの利息が発生するかを表した数字
- 金利は低い方が利息も少なくなり、早く返済した方が利息が節約できる
- キャッシングをするなら、消費者金融より銀行カードローンの方が低金利
- 消費者金融の無利息キャッシングを使えば無利子でお金を借りられるが、30日程度
- 金利は担保がある方が低くなり、無担保ほど高くなり審査も厳しくなる
お金を借りる側は「なるべく低金利がいい」と考えますが、貸す側は「なるべく金利は高くしたい」と思います。金融機関は金利によって利益を上げている他に、貸したお金が返ってこないリスクを金利で補っています。
返済を滞納する人や自己破産をする人が一定数いるため、無金利でお金を貸し出すのは金融機関にとってハイリスク。金融機関はできれば高めの金利にしたいと考えますが、利息制限法によって金利の上限は決まっています。金利は審査によって、利息制限法の範囲内で決定します。
なるべく低金利がいいなら、最高金利が低めに設定されている銀行カードローンがオススメ。しかしすぐに返せるお金を借りるなら、消費者金融の無利息キャッシングを利用するという方法もあります。
金利は支払う利息に直結するため軽視できません。しっかり各金融機関の条件を比較して、自分にとってピッタリの方法を探しましょう。