損しない!フリーローンの賢い返済方法
引っ越しや海外旅行、高額な買い物のときに利用したいのがフリーローンです。
フリーローンは低金利なのでお金は借りやすいですが、返済方法がカードローンと違います。
その特徴を知っておかないと低金利のメリットが無駄になることもあります。
そうならないためにも、この記事では損をしないフリーローンの返済方法について紹介します。
これから利用をしようと考えている人は、間違った返し方をしないためにも、ぜひ参考にしてください。
フリーローンの基本的な考え方
フリーローンはカードローンやキャッシングと違い、借り入れの仕組みが違います。
当然返済方法も変わってくるので、まずはフリーローンの基本的な仕組みについてカンタンに説明します。
フリーローンは追加借り入れ不可
フリーローンとは、最初にまとまった金額のお金を借りて、そのあとは返済だけを行っていくものです。
キャッシングやカードローンでは、利用限度額が設定され、その範囲内で何度も借りることができます。それに対してフリーローンは追加の借り入れができません。
何度も追加借り入れができるカードローンは、借入額が変わるたびに返済金額も変わってきます。
対するフリーローンは、一度借り入れしたら返済をしていくだけなので、返済額も最後まで変わりません。
計画的に返済計画が立てられるのがフリーローンのメリットと言えます。
返済計画が変わると手数料がかかる可能性がある
この「計画的」というのがフリーローンのキーワードです。
計画されている返済日に返せなければペナルティが発生するのは当然ですが、計画しているよりも早めに繰り上げて返すのも、金融機関側からすると、利息の再計算などが必要になり手間がかかります。
これがフリーローンの基本的な考え方です。まとまったお金を借りて計画通りに返済をしていくというのが特徴です。
基礎が身についたところで、フリーローンの返済方法を紹介していきます。
フリーローンの返済方法
金融機関からしてみると、フリーローンの繰り上げ返済は対応に手間がかかるということは理解してもらえたかと思います。
それでは、フリーローンの基本的な返済方法がどのようになっているかについて説明していきましょう。
フリーローンの多くが「元利均等返済方式」を採用している
フリーローンの多くが、元利均等返済方式という返済方式を採用しています。
これは借りたお金を利息を合計して返済期間で割り、毎月一定額を返していくものです。
例えば100万円を年利9.5%で借りたとして、それを3年で返すとします。
そのケースでは毎月の返済額は32,032円(最終月は32,052円)となり、それは最終の支払いまで変わりません。
返済方法は口座引落が基本
多くの銀行が、返済用預金口座からの自動引き落としが基本となっています。大抵がお金を借りる金融機関の口座を作ることになります。
既に持っている場合はその口座がそのまま利用できます。
銀行名 | 返済方法 | 口座開設 |
---|---|---|
みずほ銀行 | みずほ銀行の口座引き落とし | 必須 |
三井住友銀行 | 三井住友銀行の口座引き落とし | 必須 |
りそな銀行 | りそな銀行の口座引き落とし | 必須 |
例えばみずほ銀行は、公式サイトを見ても口座開設が必要とは書いてありません。
しかしフリーローンを申し込む際に自宅または勤務先の最寄りの支店を入力する項目があり、審査通過後にその支店に口座開設をするように指示されます。
返済日は複数から選べる
毎月の返済は、指定日もしくは複数の指定日から毎月1回の返済日を設定します。加えて、半年に1回のボーナス払いを設定していることもあります。
※ご返済日は、5、15、25日の中からお選びいただけます。
返済期間は借入金額で変わる
期間は任意の期間(1ヶ月単位もしくは1年単位)で設定することができます。
ただし、最大返済期間は商品ごとに設定されていますので、それを越えての借り入れはできません。
一般的には10年が最大ですが、有担保型の場合は最大20年で設定されていることもあります。
銀行名 | 返済期間 |
---|---|
みずほ銀行 | 6ヵ月以上7年以内(1ヵ月単位) |
三井住友銀行 | 1年以上10年以内(1ヵ月単位) |
りそな銀行 | 1年以上10年以内(1年単位) |
銀行によっては最長期間や選べる期間の単位が違うので、借り入れの際はこうした点もしっかり確認しましょう。
毎月の返済額
毎月の返済額は、借入金額と金利、そして返済期間によって計算されます。
月々の返済額を少なくしたい場合は期間を長くし、すぐに返したい場合は借入期間を短く設定して、月々の負担額を多くすることができます。
これが一般的なフリーローンの返済方法です。銀行によって小さな違いがあるので、金利や限度額だけではなくこうした部分も比較しましょう。
次章では、利息を節約する返済方法について紹介していきます。
フリーローンで繰り上げ返済するのはお得か?
フリーローンに限らず、金利の計算はとても複雑です。
ただし、どのような金融商品にも共通しているのは、設定した返済期間よりも早めに返済することができれば、返済総額を減らせるということ。完済までの期間が短くなれば、それだけ支払う利息を減らすことができます。
このため、住宅ローンなどでは、「できるだけ前倒しで返済する」ことが、有利に完済するためのテクニックとされています。
しかし、フリーローンに限って言えば繰り上げ返済で損をする可能性があるのです。
フリーローンは繰り上げ返済時に手数料がかかることがあり、少額を何度も繰り上げ返済していると支払う手数料だけでかなりの金額になってしまうのです。
銀行名 | 繰り上げ返済の可否 | 手数料 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 可能(窓口のみ) | 無料 |
三井住友銀行 | 可能 | 5,500円 |
りそな銀行 | 可能 | 無料 |
例えば三井住友銀行フリーローンの場合、一部繰り上げ返済であっても手数料が5,500円も発生します。
10回繰り上げ返済をすれば手数料だけで55,000円も支払うことになるため、損をする可能性があります。
みずほ銀行は繰り上げ返済の手数料は無料ですが、窓口でしか受付をしていません。
一部繰り上げ返済でも窓口に出向く必要があるため、手間がかかります。
りそな銀行の場合は一部繰り上げ返済ならインターネットで可能で手数料も無料です。
こうした銀行であれば、余裕がある月はどんどん繰り上げて返済していくことで利息を節約できます。
それ以外は、かかる手間や手数料をよく考え、繰り上げ返済をすべきかどうか慎重に検討する必要がありそうです。
繰り上げ返済のメリット・デメリット
前章ではフリーローンの繰り上げ返済について紹介しました。各銀行の繰り上げ返済への対応がわかったところで、メリットとデメリットを紹介していきます。
メリットは利息を減らせること
繰り上げ返済の最大のメリットは、支払い期間を短くすることで利息を減らせることです。
5年かかる予定だった借金が2年で終われば、単純に3年分の利息を支払う必要がなくなります。
金利7%のフリーローンでお金を借りた場合の返済シミュレーション
借入金額 | 5年の返済総額 | 2年の返済総額 | 差額 |
---|---|---|---|
100万円 | 1,188,021円 | 1,074,527円 | 113,494円 |
200万円 | 2,376,096円 | 2,149,068円 | 2,149,068円 |
300万円 | 3,564,172円 | 3,223,608円 | 340,564円 |
この表から分かる通り、返済期間を短くすればそれだけ支払う利息が減っています。
100万円の返済を3年短縮すれば、約11万円も利息が節約できます。これは借入する金額が増えるほど差が広がり、300万円を借りた場合では約34万円も差額が発生します。
もちろん、お金が溜まった時点で一括返済をしてしまえば同様の結果が得られます。
デメリットは繰り上げ返済手数料
先ほどの表には含まれていないのが繰り上げ返済にかかる手数料です。
一部銀行では繰り上げ返済に5,000円ほどの手数料がかかるので、こまめに繰り上げる人には大きなデメリットとなります。
繰り上げ返済で節約できる利息が10万円あったとしても、手数料が5,000円なら20回で無意味になってしまいます。
手数料を考慮しないとこのような事態が発生するので、フリーローンを契約する時はこうしたポイントもチェックすることが大事です。
手数料がかかるときの対処法
契約したフリーローンが繰り上げ返済で手数料が発生するタイプであれば、お金に余裕がある時は別の普通預金口座にお金を貯めておきましょう。
それがある程度まとまった時点で繰り上げ返済または一括返済をすれば、支払う手数料は最小限で済みます。
まとめ
- フリーローンとは一度借り入れしたら返済するだけの追加融資不可のローン
- 多くの銀行が毎月一定額を返す「元利均等返済方式」を採用している
- 返済方法は口座引落で、契約時に口座を開設する必要がある
- 返済期間や返済額は借入金額によって決定する
- 繰り上げ返済に手数料がかかる銀行もあるので注意する
フリーローンは引っ越しや旅行のためにまとまったお金を借りるもので、追加融資は対応していません。
一度借りたら返済するだけで、多くの銀行が毎月一定額を返していく「元利均等返済方式」というものを採用しています。
利息を節約するためには繰り上げ返済が有効ですが、銀行によっては手数料が発生します。
フリーローンはカードローンと違い、計画的に返済をしていく商品なので返済計画の変更は手数料が発生してしまいます。基本的には最初に設定した返済方法での完済を目指しましょう。
どうしても繰り上げ返済をして利息を節約したいなら、繰り上げ返済が無料の銀行を選びましょう。
りそな銀行はインターネットバンキングで繰り上げ返済ができ、手数料も無料です。
フリーローンなどの金融商品は、借りることばかり注目してしまいがちですが、このように返済方法だけでも非常に複雑な仕組みになっています。
そのすべてを理解する必要はありませんが、少なくともここで紹介したことくらいは把握した上で利用しましょう。