北陸銀行のフリーローンの特徴解説
フリーローンは、使いみち自由なうえ担保や保証人なく融資が受けられるローンです。他社からの借り換えや、急な高額出費などの利用が可能なことも人気の理由です。ここでは、富山県富山市を拠点とする、“通称・ほくぎん”でも知られる地方銀行、【北陸銀行】のフリーローンに注目します。
ほくぎんのフリーローンには、「らくらクイック」、「ほくぎんポイント倶楽部ローン」、「ほくぎんオーナーズローン」などがあります。中でも幅広い用途に対応した「らくらクイック」に焦点をあてて解説します。
ただし、申し込みには住まいや勤務先が店舗の近くにあることが条件となるので、自分が対象かどうかをネットや電話などで確認しましょう。
「らくらクイック」の商品概要
【商品名】「らくらクイック」
【使いみち】使いみち自由
【借り入れ限度額】10万円以上1,000万円以内(1万円単位)
【金利率】変動金利型:年率5.925%~7.425% /固定金利型:6.7%~8.2%
【金利の変動】変動金利型と固定金利型のいずれか
【借り入れ可能期間】1年以上10年以内(6か月単位)
【審査回答までの時間】最短当日
【融資までの時間】未公表
【来店の要・不要】不要
【担保・保証人】不要
【総量規制】対象外
「らくらクイック」は、旅行・出張・家具や家電製品の購入・エステ・引っ越しなど、生活費ではまかなえないお金を借り入れできる多目的ローンです。ただし、他のローンからの借り換え、多重債務のおまとめ、事業資金などには利用することができません。ですが、それぞれに対応する他に用意されたローンがあるので、そちらを検討しましょう。詳しくは、後述する「北陸銀行・その他のフリーローン」で、掘り下げて解説しています。
金利について
金利は、変動金利型もしくは固定金利型のいずれかを選ぶことができます。変動金利型は年率7.425%、固定金利型は8.2%です。最低借り入れ金額の10万円の融資でも、最大借り入れ金額の1000万円の融資でも同じ金利が適用されます。さらに、条件を満たせばそれぞれ最大1.5%の金利が引き下げられます。
条件を満たすには、“ほくぎんポイント倶楽部”の加入が必要です。加入するには、北陸銀行ですでに取引があることが条件となります。与えられたポイント数に応じて利率が変わります。600ポイントで1.0%、900ポイントで1.3%、1200ポイントで1.5%の引き下げとなります。
変動金利型は、年2回の利率の見直しが行われます。金利が見直しされれば月々の返済額が変わるので、安定した返済を希望するなら固定金利型がおすすめです。適用される利率については、その都度“ほくぎんの窓口”での問い合わせが可能です。
借り入れ限度額について
借り入れ限度額は、10万円から1000万円です。1万円単位で希望額を決めることができます。ただし、融資額の承諾は審査によって判断されるので、いくらでも借りられるわけではありません。
金利や限度額以外のおすすめの特徴
その他の注目ポイントは、最大10年までの返済プランが組めるので、月々の返済を極力減らしたい方におすすめです。また、申し込みから融資まで来店不要なので、来店する時間がない方に打ってつけのローンです。
その他のおすすめポイントについては、後述する「北陸銀行のフリーローン、メリット/デメリット」を参考にしてください。
北陸銀行のフリーローンの利用方法
「らくらクイック」の【シミュレーションの活用、申し込み手順、審査回答や融資までの時間、キャンセル】などについて解説します。
シミュレーションの活用
ローンに申し込む前にローンシミュレーションを活用しましょう。希望借り入れ金額・返済期間・金利を入力し、月々の返済額や返済総額を知ることができるので、仮審査申し込み時や返済プランを組む時に大いに役立ちます。
申込み手順
“仮審査”の申し込みは、インターネット、FAX、郵便、店舗窓口から可能です。インターネットから申し込んだ場合の流れをざっくりっと掴んでおきましょう。
【仮審査申し込みから融資までの流れ】
仮審査申し込み(事前申し込み)
↓
(電話確認)
↓
仮審査
↓
仮審査の回答(最短当日)
↓
正式申し込み手続き(もしくはキャンセル)
↓
本審査
↓
本審査の回答
↓
融資
仮審査の申し込み(事前申し込み)は、インターネットからの場合、24時間365日対応しているので便利です。申し込みの意思などの確認が必要とされた場合、“ほくぎんダイレクト支店”から、電話確認(自宅・携帯電話・勤務先など)があることも想定しておきましょう。
もし、不在などで5回電話をかけてもつながらなかった場合、申込みが取り消しとなるので注意が必要です。確実に電話にでることができる時間を、銀行の担当者と打ち合わせしておくのも賢い方法です。
仮審査の回答は、電話によって通知されます。この際に限度額の回答も行われます。承諾された融資額に問題がなければ、正式申し込み手続きに進みます。契約書は郵送によるやり取りが原則なので、来店不要です。書類などに何も問題が無ければ、北陸銀行の普通預金口座に承諾された融資額が一括で振り込まれます。
審査回答や融資までの時間
仮審査の回答は最短当日とされ、スピーディーな対応です。ただし融資までには、郵送物の往復などが必要なので、場合によっては10日以上見ておく必要があります。
キャンセルについて
承諾された融資額に納得できなければキャンセルも可能です。そのまま正式申し込み手続きのアクションを起こさなければ、ある有効期間をもって申し込み内容は白紙となります。ですが、そのまま自然消滅するキャンセルですと、個人信用情報機関(CICなど)の記録に“あいまいなキャンセル”として情報が残るので、その後のローンの審査であまり心証がよくありません。他のローンの申し込みを決めた際には、理由をもって担当者やオペレーターを通じて、丁寧に断る配慮を心がけましょう。
北陸銀行のフリーローン申し込みに必要な書類など
「らくらクイック」に申し込む際に必要な書類は、以下の通りです。
■仮審査申込み時
・仮審査申込み書類
仮審査申込書に記入した申し込み内容に、何か不明点があった場合には銀行もしくは保証会社より、照会の連絡がくることも想定しておきましょう。仮審査の申し込みの際に記入した内容は本審査まで照合されるので、あとあとのことを考えて慎重に記入することをおすすめします。
■正式申し込み手続き時
・正式申し込み書類(ローン借入申込書)
・個人情報に関するお知らせと同意についての書類
・本人確認資料
・所得証明書類
・北陸銀行の普通預金口座に使用している印鑑
本人確認資料は運転免許証や健康保険証、パスポートなどの身分証明書が有効です。またフリーローンの審査の場合、写真や住所が明確に表示されている“運転免許証”がもっともスムーズです。
収入証明書は、融資額300万円までの場合は原則不要です。300万円超えの場合は、それぞれに応じた書類の提出が必要です。
・ 給与所得者:直近の源泉徴収票など
・ 自営業の方:直近の納税証明書や確定申告書
・ 法人代表者:直近の納税証明書や決算書
また、場合によっては、融資の使いみちを証明する見積書や請求書などの提出を求められることがあります。
北陸銀行のフリーローン審査基準
北陸銀行のフリーローンである「らくらクイック」を利用できる方や、保証会社の審査基準について解説します。
利用できる方
利用できる方は以下の通りです。
・申込時の年齢が、満20歳以上の方
・完済時の年齢が、満70歳未満の方
・安定した収入のある方
・保証会社の保証を受けられる方
・北陸銀行の普通預金口座を開設している方
上記のすべての条件を満たす方なら、自営業や法人事業主の方でも申し込み可能です。ただし学生の方は利用できません。冒頭にも言いましたが、申し込む条件には営業エリアの制限があります。ネット上の概要では公表されていませんが、一般的にローンの申し込みは住まいや勤務先が営業店舗(本店や支店など)の近くにあることが必要とされています。これは、店舗領域が狭い地方銀行の大きな特徴でもあります。極端な話、沖縄県から北陸銀行のローンに申し込んでも、ほぼ審査落ちしてしまいます。
保証会社「北陸保証サービス」の審査
「らくらクイック」と契約するには、“北陸銀行”だけでなく【北陸保証サービス(株)】の審査を受けなければいけません。実は、銀行の審査よりも保証会社の審査が、「らくらクイック」と契約するためのカギとなります。この審査で融資額も決まります。
北陸銀行のフリーローンの審査に通過する方法
北陸銀行のフリーローンである「らくらクイック」の審査をより有利に通過するための方法について解説します。
北陸銀行や保証会社の関連会社にも要注意!
審査に通過するには、それぞれの関連会社にも注意しましょう。もし、関連会社の発行するカードローンやクレジットカードなどでの支払いで延滞などの金融事故があった場合、審査の通過は難しいでしょう。
北陸銀行は、ほくほくフィナンシャルグループに属します。保証会社である北陸保証サービスや、2004年に経営統合した北海道銀行も同グループです。また、2003年に経営破たんした石川銀行の一部を受け継いでいます。この背景から、過去に北海道銀行や石川銀行で金融トラブルを起こしていれば、審査に通過することができないと考えられます。
こういった場合でも残された道はあります。関連していな金融機関のローンに申し込むことです。ただし、返済遅延などの金融事故の場合、個人信用情報機関(CICなど)の記録が5年間残ります。この期間にどの金融機関のローンに申し込んでも、審査には通過できません。
給与振込
「らくらクイック」は、ある条件を満たせば金利が引き下げられることを前述しました。その条件のひとつに、“給与振込先を北陸銀行に指定すること”があります。つまり、給与振込先を指定してくれた方を優遇しているので、審査もプラス評価になると考えられます。
もし、他の金融機関が給与振込先の指定となっていて、とくに会社の強制でなければ北陸銀行に変更してから申し込むのが賢明です。しかも、金利の引き下げに重要なポイントも与えられるので、可能であればやっておいて損はない手段です。
北陸銀行のフリーローンの審査に通らない理由と対策
北陸銀行のフリーローンである「らくらクイック」の審査に通過しないと考えられる理由【申し込みブラック】と、その対策について解説します。
【審査に通らない理由】
ブラックと言うと“ブラックリスト”が思い浮かぶかもしれませんが、それだけではありません。申込みブラックと言われるものがあります。どのような状態で申込みブラックになってしまうのかと言いますと、“1か月以内に4件以上のローンに申し込んだ方”が対象となります。
フリーローンに申し込むと、指定信用情報機関(CIC)などの共有情報に、申し込み履歴が記録されます。「短期間に申込んでは審査落ちしている」という記録が見つかると、審査する側にとっては、“よほどお金に困っていてなかなか融資してもらえない人物”と見なされてしまいます。
また、シミュレーションに誘導するタイプの申し込みも、個人信用情報機関の履歴に記録されてしまう場合があります。これも申し込みの1件としてカウントされてしまいます。ちなみに、名前や住所などの個人情報を入力しない簡易的なものでしたらカウントされることはないので、どんどん活用しましょう。
【対策】
返済遅延などの履歴が無いのに、いつまで経ってもどこの銀行の審査にも通過しないという方は、申し込みブラックの可能性を疑ってみる必要があります。個人信用情報機関に記録された申込履歴は、消費者金融なら1か月、銀行などの場合6か月で抹消されます。その期間を越えてから申し込む必要があります。
ただし申込む際には、履歴がキレイになっているかを確認してからが無難です。確認するには、個人信用情報機関に、【訪問・ネット・郵送】などの方法で、情報開示を依頼することができます。
申込みブラックにならないためには、1か月に4件以上の申込みをしないことが何よりの対策です。焦って手当たり次第に申込んでも、確実に審査に通過できません。できれば1か月内に、本命のフリーローンと2番目に契約したいフリーローンの2件までの申し込みにおさえておきましょう。
北陸銀行のフリーローンの返済方法
「らくらクイック」の返済方法、返済の手順、繰り上げ返済、返済計画の注意点などについて解説します。
返済の手順
「らくらクイック」の返済方式は、“元利均等月賦返済”と言って、借り入れ元本と利息額の合算である返済総額を完済まで毎月均等に支払う方法です。月々の返済に加え、ボーナス時に加算して返済する“増額返済”の併用も可能です。ただし、借り入れ額の40%が限度とされています。
繰り上げ返済
月々の返済とボーナス返済に加え、“繰り上げ返済”にも対応しています。ただし、手数料が5,400円かかります。
返済計画の注意点
返済計画を立てる際に重要なのが、返済期間と利息の関係です。金利が安いローンなら、返済期間が長くなってもさほど問題ないだろうと思ってしまいます。実は、そこが大きなローンの“落とし穴”でもあります。
返済期間が長くなってしまうと、利息額が多くなります。場合によっては、数万円~数十万円も利息が増えてしまうこともあります。月々の支払いを数千円でも多くすることで、利息額をグーンと減らすことができます。返済シミュレーションなどで返済期間を変えて、どのくらい利息が変わるのか、実際に確かめてみることもおすすめです。
北陸銀行のフリーローン、メリット/デメリット
「らくらクイック」のメリットとデメリットについて箇条書きで整理してみましょう。
メリット
・インターネットから、24時間365日、自宅での申し込みから融資までが可能
・最大1000万円までの高額融資が可能
・最長10年までの長期返済プランが可能
・担保や連帯保証人が不要
・北陸銀行ポイント倶楽部のポイントに応じて、金利が引き下げられる
・300万円以下の借り入れなら、所得証明書の提出が不要
・正式申し込みが郵送なので、来店不要
・低額の借り入れでも、低金利が適用
・金利が申込み前から明確なので、安心して申し込める
・使い道自由なので、利用目的が限定されない
・北陸銀行の過去利用がなくとも利用可能
・追加の借り入れができないので、スムーズに完済できる
・定期返済が自動引き落としなので、管理しやすい
・繰り上げ返済ができるので、早期返済も可能
・“元利均等返済”なので、毎月決まった金額を準備すればいい
・借り入れ金額を1万円で設定できるので、利息額の節約になる
・総量規制の対象ではない
デメリット
・高額融資なので、審査が厳しい
・追加融資が受けられない
・融資までに時間がかかる
・営業エリア条件を満たす方しか申し込みできない
・融資には北陸銀行の口座開設が必要
・繰り上げ返済の手数料が有料
メリットのひとつに、“総量規制の対象ではない”ことが挙げられます。消費者金融などから過剰に借り入れできた時代を経験している方ですと、総量規制という言葉が頭に浮かぶと思います。「らくらクイック」は、銀行が発行するフリーローンなので、総量規制の対象とはなりません。原則として年収1/3以上の融資も受けることができます。ただし、それぞれの金融機関で設けられた審査基準に従わなくてはいけません。
フリーローンを選ぶ際のポイント
北陸銀行に限らず、フリーローンを選ぶ際の注意点などをいくつか取り上げて解説します。
借り入れ可能額
借り入れ可能額とは、ホームページ上で“○○万円まで借り入れ可能”と謳われている、借り入れ限度額のことではありません。審査で承諾された融資額のことです。審査に通過したとしても希望通りの融資が承諾されなければ、他のローンにも申し込まなくてはいけません。
少しでもそういった状況を回避するために、安易にローンに申し込むよりも申込み前にシミュレーションなどで、いくらまで借りることができるのかを確認することをおすすめします。またこの時点で融資の判断ができないという回答であれば、店頭窓口に相談しに行くのが早い解決になる場合があります。
スピーディー融資のローン
どうしても早急にお金が必要という状況の方もいるはずです。そんな場合、【審査期間がどれくらいか?どのような申し込み手順があるのか?】などを事前に調べることが重要です。たとえば、審査回答が最短即日となっていても、正式申し込みが郵送のみの手続きしかできなかったり、来店のタイミングがあわないケースですと、融資までに時間がかかってしまいます。
また、即日融資が可能と謳われていても、締め切り時間や混雑具合によっては融資までに数日かかってしまうことも想定しなくてはいけません。なるべく午前中に申し込むことや、WEB完結型を導入しているフリーローンなどを選ぶことも検討しましょう。また、消費者金融やネット銀行なら全般的にスピーディー融資を前提としているところが多くあります。
北陸銀行・その他のフリーローン
北陸銀行のフリーローンには、「らくらクイック」以外にも、利用目的を限定したフリーローンがいくつかあります。
「ほくぎんポイント倶楽部ローン」は、複数の金融機関からのローン(借金)を、ひとつにおまとめすることができるフリーローンです。ちなみに来店の必要がないので、なかなか店舗に訪問する時間がとれない方や、多額の借金を抱えている中、あまり人と対面したくないという方におすすめです。
「ほくぎんオーナーズローン」は、事業を始めようと考える創業者(法人事業主)、個人事業者、農林漁業者など、事業資金を準備したいという方が利用できるフリーローンです。このように、さまざまな用途にあわせてわかりやすく自分にあったローンを選ぶことができることも利点です。
「らくらクイック」は、わかりやすい低金利が魅力的なフリーローンです。少額融資でも10%以下の金利が適用されるので、カードローンでキャッシングするよりも、利息をおさえた賢い借り入れ方法と言えます。