フリーローンに借り換えをするメリットは金利
フリーローンは、特定の使いみちに限り低金利でお金が借りられるものです。
カードローンやキャッシングは使いみち自由の代わりに、金利が高いという特徴があります。
そこで、カードローンやキャッシングで作った借金を、低金利なフリーローンに借り換えることで返済の負担を少なくすることが可能になります。これは、一般的には「おまとめローン」と呼ばれています。
この記事では、フリーローンに借り換えることでどんなメリットがあるのか、どれくらい得をするのかをわかりやすく紹介していきます。
「借金を減らしたいけどどうしていいかわからない」という人は、最後まで読むことでその方法がわかるようになります。
フリーローンとは
まずはじめにフリーローンについてかんたんに説明します。
フリーローンの特徴は以下の通りです。
- 銀行、信用金庫、ろうきんで契約できる
- 使い方を先に申告してから審査を受ける
- 金利や限度額は金融機関によって大きく異なる
フリーローンを扱っているのは、銀行や信用金庫、またはろうきんです。消費者金融では扱っていないので注意しましょう。
またフリーローンがカードローンと大きく違うのは、使いみちの申告義務です。
フリーローンは申込みの際に、「借りたお金の使いみち」を申告します。金融機関によっては見積書などの提示を求められることもあります。カードローンのように、限度額の範囲で好きに使えるものではないのです。
また金利や限度額が横並びになりがちなカードローンに対して、フリーローンは金融機関によって大きく異なるという特徴を持っています。
銀行名 | フリーローン金利 | フリーローン限度額 | カードローン金利 | カードローン限度額 |
---|---|---|---|---|
みずほ銀行 | 5.875%(変動金利) 6.65%(固定金利) |
300万円 | 2〜14.0% | 800万円 |
三菱UFJ銀行 | 取り扱いなし | 取り扱いなし | 1.8〜14.6% | 500万円 |
三井住友銀行 | 5.975% | 300万円 | 4.0〜14.5% | 800万円 |
りそな銀行 | 6.0〜14.0% | 500万円 | 3.5〜13.5% | 800万円 |
埼玉りそな銀行 | 6.0〜14.0% | 500万円 | 3.5〜13.5% | 800万円 |
イオン銀行 | 3.8〜13.5% | 700万円 | 3.8〜13.8% | 800万円 |
住信SBIネット銀行 | 3.775〜12.0% | 1,000万円 | 8.99〜14.79% | 1,200万円 |
横浜銀行 | 1.9〜14.6% | 1,000万円 | 1.5〜14.6% | 1,000万円 |
一覧表からもわかるように、フリーローンは金利も限度額も金融機関によって全然違います。
基本的にはカードローンより低金利で、限度額が低いという特徴をもっています。お金を借りる上で、低金利というのは非常に重要です。
金利が低ければ、その分支払総額が減って返済の負担が少なくなるからです。
そこで考えつくのが「低金利のフリーローンに借り換える」ということ。これは可否が金融機関によって異なるので、次章で詳しく説明していきます。
おまとめローンや借り換えに利用できる?
フリーローンを借り換えやおまとめに利用できるかどうかは、金融機関によって変わります。
利用を認めない金融機関もあれば、積極的に利用を促す金融機関もあります。一本化に使えるかどうかは金融機関の方針によって変わるのだと覚えておきましょう。
銀行名 | 借り換えに利用できるか |
---|---|
みずほ銀行 | 可 |
三菱UFJ銀行 | フリーローン取り扱いなし |
三井住友銀行 | 不可 |
りそな銀行 | 可 |
埼玉りそな銀行 | 可 |
イオン銀行 | 可 |
住信SBIネット銀行 | 可 |
横浜銀行 | 可 |
このように、基本的には借り換え可能となっていますが、一部銀行では借り換えには使えないケースがあります。
もしフリーローンで借金の一本化をするなら、借り換え可能としている金融機関に申し込みをしましょう。
また銀行によっては借り換えにカードローンを推奨しているケースもあるので、借り換えはカードローンで行うのかフリーローンで行うのかも検討する必要があります。
カードローンとフリーローン、どっちで借り換えをするべき?
各銀行にはカードローンとフリーローンが用意されていますが、借り換え用途であればどちらを利用すべきか迷うことがあります。
銀行によっては借り換え利用として推奨するものが違うケースもあるので、ここではメガバンクと地方銀行に分けて一例を紹介します。
みずほ銀行はフリーローンを推奨している
電話取材の結果、みずほ銀行は借り換え用途であれば「多目的ローン」というフリーローンを推奨しています。
理由はみずほ銀行の限度額の設定の方法にあります。みずほ銀行では、個人向け融資の限度額を以下の基準で設定しています。
- カードローン:年収の1/3を目安に限度額を設定
- フリーローン:年収の1/2を目安に限度額を設定
銀行は総量規制の対象外ではありますが、最近は個人向け融資の限度額を引き下げる自主規制を行っています。
このため3メガ銀行は、カードローンの融資の上限額を他社からの借り入れを含めて利用者の年収の2分の1や3分の1までとする自主的な"総量規制"を導入。貸し過ぎを未然に防ぐ。
こうした影響を受けて、みずほ銀行でもカードローンの限度額を引き下げています。
カードローンは申し込みの際に、借りたお金の使いみちを申告する必要がありません。借り換えの際は単純に現在の借金に追加して融資の申し込みをしているものとみなされます。
そのため、100万円の借金を借り換えたければ、その借金に追加で100万円の融資を申し込むことになります。みずほ銀行側は「200万円の借金」とみなすため、年収は600万円以上ないと通らないのです。
対するフリーローンであれば、元から年収の半分までは審査通過の可能性があります。
その上フリーローンは、申込みの際に使用用途を伝えます。「100万円の借り換えに使いたい」と伝えれば、「100万円の借金」として審査を受けることになります。
こうした違いがあるため、みずほ銀行では借り換えにフリーローンを推奨しています。
横浜銀行はカードローンを推奨している
地方銀行である横浜銀行は、メガバンクのみずほ銀行とは対称的に借り換えにカードローンを推奨しています。
横浜銀行はカードローン申し込みの際に、「おまとめローンとして使いたい」と伝えることで、借り換え用として審査をしてくれます。
みずほ銀行では100万円の借り換えをしようとすると200万円の借金として扱われましたが、横浜銀行では100万円の借金として審査をしてくれます。
その上、横浜銀行はフリーローンよりカードローンの方が低金利なので、より有利な条件でお金を借りることが可能です。
このように、金融機関によっては借り換えにどちらのローンを利用すべきか変わることがあります。絶対にフリーローンで借り換えるものと思わず、自分がお金を借りる金融機関ではどちらを推奨しているのかを事前にチェックしましょう。
みずほ銀行も横浜銀行も、電話で問い合わせたら丁寧に教えてくれました。
次章では、カードローンとフリーローンの違いをもう少し詳しく説明します。
カードローンとフリーローンの違い
借り換えであればカードローンも利用できますが、フリーローンと似ているようで性質がまったく異なります。
そのため、両者の違いを理解した上で、自分に合っているものを利用する必要があります。
フリーローンとカードローンの主な違いは以下の4点です。
- 追加融資の有無
- 繰り上げ返済手数料の違い
- 使用用途の違い
- 金利と審査の厳しさ
1.追加融資の有無の違い
カードローンは利用限度額の範囲内であれば、何度でも借りることができます。
一方フリーローンは一度借りてしまえば、あとは返済をしていくだけです。追加融資を受けることができないので、100万円借りたらあとは100万円を返済していくだけです。
2.繰り上げ返済手数料の違い
カードローンは繰り上げ返済がコンビニなどででき、手数料も無料なケースがほとんど。
しかしフリーローンでは、繰り上げ返済の手順が複雑だったり、手数料がかかる場合があります。
銀行名 繰り上げ返済の可否 手数料 みずほ銀行 可能(窓口のみ) 無料 三井住友銀行 可能 5,500円 りそな銀行 可能 無料
このように、みずほ銀行では繰り上げ返済が窓口限定であったり、 三井住友銀行フリーローン(無担保)は手数料がかかることがわかります。
このため、借りたときの計画通りに返済するのには向いていますが、ボーナスなどを利用して予定よりも多く返していくのには向いていません。
3.使用用途の違い
フリーローンは何にでも使えるわけではなく、ある一定の範囲内でしか利用することができません。
一方のカードローンは事業用途でなければ、その使用用途を制限されることはありません。100万円借りたら何に使ってもかまいません。名前で勘違いをしてしまうことが多いですが、本当に「フリー」であるのは実はカードローンだったりします。
4.金利と審査の厳しさの違い
一般的にはフリーローンの方が金利が低く、審査が厳しいと言われています。
金融機関によっては利用条件に年収や勤続年数などの縛りもあり、利用するためのハードルはフリーローンのほうが高くなる傾向にあります。
借り換えで審査が厳しくなる理由
前章では、フリーローンの審査は厳しいと紹介しました。
そもそもフリーローンは金利が低いため審査が厳しいと言われています。借り換えとなると更に審査が厳しくなるのには、以下の理由があるからです。
- 借り換えは高額融資になりがちだから
- 現在の借入額が審査に影響するから
借り換えを検討する人は、すでに他社から高額な借り入れをしているということです。つまり金融業者は貸し倒れリスクが高いという判断を下します。
特におまとめローンのように、複数社から借り入れをしている場合はさらに条件は悪くなります。借り換え利用可と謳っている業者であっても、一般的な用途と比べるとどうしても審査は厳しくなってしまいます。
また、借り換えをするということは、他社の借入額の合計を一気に借りることになります。借金がない人が100万円の融資を希望すると、金融機関は100万円を貸し出せるかどうかだけを審査すれば問題ありません。
すでに100万円の借金がある人が、借り換えのために100万円の融資を希望すると、金融機関は200万円を貸し出せるかどうかを審査する必要があるのです。
ただし、申し込みの際に他社借入状況を全て記入して伝えることで、審査の際にその点を考慮してもらうことは可能です。
しかしその欄がないフリーローンであればそれはできません。フリーローンを借り換えに使う際には、そうした点もチェックする必要があります。
借り換え用フリーローンの選び方
フリーローンを使って借り換えるなら、当然一本化に対応している金融業者で借りなければいけません。そして、選び方にもいくつかのポイントがあります。
ここでは、借り換えに向いているフリーローンの選び方を紹介します。
金利は10%以下のものを選ぶ
カードローンではなくフリーローンで借りる一番のメリットは金利です。
すべての商品が低金利というわけではありませんので、利用するときは必ず低金利のものを選びましょう。最低でも現在借り入れているローンより低金利のフリーローンを選ばなければ意味がありません。
借り入れする金額にもよりますが、年利で10%以下になるものを選びましょう。
また借入金額によっては、カードローンのほうが低金利になることもあります。必ず返済シミュレーションなどを活用して、カードローンよりも返済総額が少なくなる商品を選ぶようにしてください。
利用条件に見合ったものを選ぶ
フリーローンの多くが、年収や勤続年数、そして年齢などの利用条件を設定しています。
これらの利用条件は絶対に満たしていなければいけないので、きちんと確認して自分のステータスがクリアしていることを確認するようにしましょう。
そして、確認事項の中でも特に重要なのが、おまとめ利用を可能にしているかどうかです。借り換えが目的の場合は契約不可としている金融業者も多いので、最初にその点を確認するのが必須です。
銀行名 | 借り換えに利用できるか |
---|---|
みずほ銀行 | 可 |
三菱UFJ銀行 | フリーローン取り扱いなし |
三井住友銀行 | 不可 |
りそな銀行 | 可 |
埼玉りそな銀行 | 可 |
イオン銀行 | 可 |
住信SBIネット銀行 | 可 |
横浜銀行 | 可 |
大手銀行の借り換え可否は上記の表の通りです。三井住友銀行は借り換え不可となっているので、今回の用途には適しません。必ずそれ以外の金融機関でフリーローンを契約しましょう。
金利の種類に注意して選ぶ
フリーローンでは固定金利のものと、変動金利のものが用意されています。
現在は政策金利が低いこともあり、変動金利のほうが低金利ですが、インフレや景気回復によって金利が逆転することもあります。金利の種類は安易に決めずに、そのときそのときの情勢を見極めて選ぶようにしてください。
フリーローンで借り換えをするメリット3つ
ここまで、フリーローンで借り換えをする方法や条件を紹介してきました。ここまでの説明を踏まえて、フリーローンで借り換えをするメリットを確認しましょう。
- 返済の負担が減る
- 借り換えできる可能性がカードローンより高い
- 返済計画が立てやすい
メリット1.返済の負担が減る
フリーローンは低金利であることはすでに紹介しました。
現在消費者金融のカードローンなどでお金を借りていれば、18%近い金利が発生している可能性があります。それを10%のフリーローンで借り換えができれば、返済負担はだいぶ軽減できます。
返済総額比較
融資額 | カードローン返済総額 | 10%のフリーローン返済総額 |
---|---|---|
50万円 | 698,327円(18%) | 588,185円 |
100万円 | 1,301,674円(15%) | 1,176,396円 |
200万円 | 3,764,279円(15%) | 2,796,616円 |
300万円 | 5,717,323円(15%) | 4,214,347円 |
借金というのは借入額によって返済回数や毎月の返済額が変わるので、必ずしも上記のシミュレーション例のようにはいきません。
しかし金利が変わればこれだけ差が発生するということはわかります。
低金利で借りられれば借りられるほどお得なので、もともとの金利が低いフリーローンは借り換えに適していると覚えておきましょう。
メリット2.借り換えできる可能性がカードローンより高い
フリーローンは申し込みの際に、お金の使いみちを申告しなければいけません。
申告不要のカードローンより手間がかかりますが、これがメリットとなります。
カードローンはお金の使いみちを申告しないことで、借り換えの際は現在の借金から更に借金を希望していると判断します。
そのため審査は非常に厳しくなってしまうのです。
しかしフリーローンは違い、はじめから「借り換えに使う」と申告をします。金融機関は借り換えとわかった状態で審査をするため、審査に通過する可能性がカードローンより高くなるのです。
メリット3.返済計画が立てやすい
フリーローンは一度借りたら追加融資はできません。
限度額の範囲内で何度も借りたり返したりできるカードローンと違い、一度借りたら返済だけをしていくことになります。つまり返済に集中できるということです。
本気で借金を減らしたいなら、カードローンのように追加融資が可能なタイプだと誘惑に負ける可能性があります。追加融資を受けていると毎月返済額も変わるため、返済計画が立てにくくなってしまうのです。
フリーローンは最終回まで返済額が変わらないため、返済計画を立てやすくなっています。
まとめ
- フリーローンは銀行、信用金庫、ろうきんで契約できるもの
- 低金利なのがメリットで、借り換えることで返済の負担が減る
- カードローンと違って追加融資不可なので、返済計画が立てやすい
- 審査は厳しく、事前に借り換え目的であることを伝える必要がある
- 借り換えできる可能性はカードローンより高い
フリーローンは銀行などが提供している低金利なローンです。使いみちを事前申告することで、借り換え目的でも審査に通りやすくなっています。ただしフリーローン自体の審査が厳しいので、必ずしも全員が審査に通過するとは限りません。
その上、フリーローンを借り換えに使えるかどうかは、金融機関によって異なります。銀行によってはカードローンを推奨していることもあるので、両者を比較する必要があります。
金利や限度額についても金融機関によって大きな差があるので、必ず複数の金融機関を比較するようにしましょう。借り換えるなら、現在よりも金利が下がるという条件は必須です。
使いみちを申告するということは、借り換え目的であることを前提に審査をしてもらえるので、借り換えできる可能性はカードローンより高まります。借金を減らしたいと思っている人は、一度フリーローンでの借り換えを検討してみましょう。