フリーローンの審査に通るためのポイント
銀行からお金を借りる方法は色々ありますが、その中でもフリーローンは低金利なのが特徴。引っ越しや旅行、高額商品の購入など、幅広い用途でお金を借りることができます。
しかしどんなに便利なものであっても、利用するためには「審査」が必要です。無事に通らなければお金を借りることができないので、基準の傾向と対策を知っておくことが大事です。
そこでこの記事では、フリーローンの審査に通るためのポイントをわかりやすく解説しています。対策も紹介しているので、通らなかった人も役立つ内容になっています。
フリーローンの特徴と審査の傾向
フリーローンとは銀行が提供している融資の一つで、「多目的ローン」と呼ばれていることもあります。結婚費用や引っ越し、海外旅行など、多額の費用を一括で借りられる便利なサービスです。
カードローンで同額を借りるより低金利なことが多く、借りたお金の使い道がハッキリしているときにはフリーローンの方がお得です。フリーローンが低金利なのは理由があり、それは「使い道を限定している」ということ。
使い道を限定することで低金利を実現
一般的にカードローンというのは、原則として使い道は自由です。そのため生活費など「ちょっと足りないお金」を借りる人が多く、借入の自由度が高めです。対するフリーローンというのは、審査の際に「借りたお金の使い道」を提示します。
生活費などと違い、一時的に発生する多額の費用をまかないたいという需要に応えているため、カードローンより低金利なのです。
審査は厳し目の傾向
気になるフリーローンの審査の傾向ですが、全体的に厳しいと言われています。理由は高額融資になることが挙げられます。住宅ローンなどでも同じことが言えますが、基本的に高額な融資になるほど審査は厳しくなります。
購入した住宅を担保にできる住宅ローンと違い、フリーローンは無担保で高額融資になるという特徴があります。低金利で貸し出すこともあり、銀行は万が一に備えて慎重に審査をせざるを得ないのです。
これがフリーローンの特徴と審査の傾向です。審査が厳しいからと言って諦める必要はなく、キチンと基準を知って対策を講じれば問題ありません。そこでこれから、審査基準を紹介していきます。
フリーローンの審査基準
フリーローンは使い道が限定されていることや低金利なことから、審査は一般的なカードローンより厳し目です。そこで本章では、フリーローンの審査基準を紹介していきます。
審査の際には、以下の5点が重要なポイントとなります。
- 年収
- 勤続年数
- 勤務形態
- 他社借入状況
- 使用用途
審査基準1.年収
最初に年収に関してですが、当然多い方が審査は有利になります。年収をベースに貸し出しの金額を決めるため、多額の融資を受けたいなら年収は多めが良いでしょう。カードローンとの違いは、銀行によっては最低年収が指定されているという点です。
前年度税込年収(個人事業主の方は申告所得)が200万円以上で安定かつ継続した収入の見込める方
※引用:みずほ銀行「多目的ローン(無担保)商品詳細」より
みずほ銀行の多目的ローンでは、年収200万円以上でないと利用ができないとハッキリ明記されています。高額融資になりがちなフリーローンでは、こうした条件があることも覚えておきましょう。
審査基準2.勤続年数
次に大事なのが勤続年数です、先ほど紹介したみずほ銀行の条件にも書かれていますが、継続した収入があるかどうかが大事です。フリーローンは融資額が多いため、返済期間も長くなります。長期間返済を続けるためには収入が続くことが大事なので、勤続年数が長い人の方が審査が有利になるのです。
勤続年数(自営の方は営業年数)2年以上の方
※引用:みずほ銀行「多目的ローン(無担保)商品詳細」より
これもみずほ銀行の例ですが、銀行によっては勤続年数の条件を設けている場合があります。みずほ銀行は2年以上同じ勤務先に勤めていることが条件となっています。カードローンは1年以上の勤続年数で審査に通過しやすくなるのに対し、フリーローンはもっと条件が厳しくなっています。こういう点でも、フリーローンの審査は厳しいということがわかります。
審査基準3.勤務形態
年収、勤続年数ほどではないものの、重視されるのが勤務形態です。理想は雇用形態が安定していると言われる正社員ですが、派遣社員やパートでも申し込むことは可能です。
継続的な安定した収入のある方
- 会社員
- 契約社員
- 派遣社員
- フリーター(アルバイト)
- パート
- 自営業
※引用:りそな銀行「フリーローン」より
毎月給料が振り込まれている人なら利用できますが、学生の場合はアルバイトをしていても申込みができない場合があります。
審査基準4.他社借入状況
フリーローンだけに限らず、借金をする際には「他社で借りすぎていないこと」が重要です。そこで金融機関では、審査の際に「他社でどれくらいお金を借りているか」を調べます。これらの情報は、個人信用情報機関というところに全て記録されており、審査の際はその情報を参照しています。
他社の借入状況で重視される点2つ
- 他社借入金額
- 他社借入件数
他社借入金額
すでに借金をしている場合、他社から「いくら借入しているか」が重要です。無理せず返済ができる借金の限度額が年収の1/3と言われていることから、それ以上か以下かというのがポイントになります。
例えばみずほ銀行では、多目的ローンの借入額は他社借入を合わせても前年度年収の50%以内であることを条件にしています。
ただし、今回のお借り入れと他の無担保借入金残高(カードローン極度額を含みます)との合計が前年度税込年収の原則50%以内であることが条件です。
※引用:みずほ銀行「多目的ローン(無担保)商品詳細」より
他社借入件数
「いくら借入しているか」も重要ですが、「何社から借入しているか」も同じくらい重要です。1社から高額融資を受けている状況というのは、それだけ信用があると言い換えることができます。逆に数社から少しずつ借りている場合、それだけしか限度額が認められなかったと評価されてしまいます。
一般的に、すでに4社以上から借入をしている場合は審査通過の可能性が下がるので注意しましょう。
審査基準5.使用用途
フリーローンの審査で最も重要なのが、「借りたお金を何に使うか」ということ。フリーローンは申込みの際に、「旅行」「引っ越し」など、借りたお金を何に使うか申告します。
銀行によっては申込時に、使用用途を証明する書類の提出を求めます。見積書や契約書を提出して、使用用途とその金額を銀行に教える必要があるのです。
審査の際には、年収に対して適正な価格の商品なのか、使い道が適正かどうかを確認します。例えば高額家具の購入や海外旅行であれば、適正さが認められてお金を借りることができますが、使い道がギャンブルや分不相応な高額商品の購入だと審査に落ちます。
これだけだとハッキリした基準がわからず申込みをためらってしまうため、金融機関の中には、りそな銀行のように具体的な使い道を明確にしているケースもあります。
フリーローンのご利用例
- 家電の買い替え
- ブライダル(結婚式)
- 想定外の出費
- 海外旅行
- 出費が重なった
- 子供も習い事
- 引っ越し
- 資格の取得
- 楽器の購入
※引用:りそな銀行「フリーローンのご利用例」より
これがフリーローンの審査基準ですが、対策を講じても落ちるときはあります。そこで次章では、フリーローンの審査に落ちる理由をカンタンに紹介していきます。
フリーローンの審査に落ちる3つの理由
審査に落ちるということは、必ず理由があります。金融機関は理由を教えてくれませんが、過去の例から理由を推測することは可能です。
そこでよくある審査に落ちる理由をまとめたので、これをヒントに申込内容を見直してみましょう。
理由1.利用条件を満たしていない
すでに紹介したように、フリーローンには利用するための最低条件があります。これらをきちんと確認せずに申し込みをしてしまう人がいますが、申し込み前には必ず利用条件を満たしていることを確認しましょう。年齢や年収などの条件を満たしていないと審査落ちしてしまいます。
無駄な申込みは後の審査にも影響するので、うっかりミスは絶対にしない心構えで申込みをしましょう。一例として、みずほ銀行の利用条件を紹介します。
みずほ銀行多目的ローン利用条件
- 借入時の年齢が満20歳以上満66歳未満
- 最終返済時年齢が満71歳未満
- 勤続年数(自営の方は営業年数)2年以上
- 前年度税込年収(個人事業主の方は申告所得)が 200万円以上
- 安定かつ継続した収入が見込める
- 保証会社の保証を受けられる
理由2.他社から高額な借り入れがある
銀行や信用金庫は総量規制の対象外ですが、無制限にお金を貸してくれるわけではありません。年収に応じた返済可能な金額というのを、独自の基準で算出します。融資額はそれで決まるため、すでに他社からお金を借りている場合はその金額も考慮されます。このため他社から多額の借り入れをしている場合は、審査に通らないということも発生します。
また少額とはいえ、借りている件数が多い人も要注意です。複数の金融機関からお金を借りているということは、今後多重債務に陥る可能性が高いと判断されます。
理由3.ブラックリスト入りしている
過去に借りたお金の返済で滞納をしたり、自己破産などの履歴があったりする場合は既にブラックリストに入っています。最近は携帯電話料金の支払いを滞納したことでブラックリスト入りする人が増えているので注意してください。一度ブラックリストに入ってしまうと、履歴が消えるまでは5年~10年が必要です。
審査に落ちたらするべき3つのこと
しっかり基準を理解したつもりでも、審査に落ちることはよくあります。融資を受けることは簡単ではないので、よほど条件のいい人でない限り、そう簡単にはお金を借りることはできません。審査に落ちてしまった時にすべきことは以下の3つです。
1.希望額を見直す
まず行うべきことは借入額の見直しです。保証人も担保も無しではあまりにも高額なお金を借りることは難しいため、年収に見合った金額で再度申し込みをしましょう。他の金融機関からの借り入れがない場合の目安は年収の1/3から最大でも1/2です。
2.カードローンの利用に切り替える
年収の1/3以下で申し込んだにも関わらず審査落ちしてしまった場合は、カードローンでの借り入れを検討しましょう。金利は少し高くなってしまうかもしれませんが、フリーローンよりはお金を借りやすいといわれています。
その時、より借りやすい消費者金融も検討しましょう。銀行は厳しいため、ステータスがそれほど良くない場合は借りやすい業者を探すことも大事です。
3.有担保ローンに切り替える
それでも借りることができない場合は、資産を担保に借り入れをすることも考えましょう。確実に返済するあてがあるなら、資産を担保にすることで融資してもらえることもあります。
フリーローンとカードローンの違い
フリーローンの審査に落ちてしまった場合、カードローンに切り替えるという方法もあります。そもそも2つは似た性質を持つローンなので、どちらを利用しても条件が大きく変わらない場合もあります。
そこでこの章は、カードローンの利用も検討している人のために、両者の違いをカンタンに説明します。
違い1.利用方法の違い
フリーローンは使用目的が明確な、まとまったお金が必要なときに利用します。例えば、結婚式の資金や引越し費用、そしてパソコンやその周辺機器の購入のように、「○○のために100万円必要」とはっきりわかっている時に利用します。
カードローンは目的がハッキリしていなくても、限度額の範囲であれば自由に利用可能です。
違い2.追加融資の有無
フリーローンは一度借りた後に、追加の融資を受けることができません。カードローンなら何度でもお金を借りることができます。
何度でも借りることができると、お金の管理が煩雑になりがちです。1度しか借りることができず、借りたあとは返済するだけならお金の管理が簡単です。この違いは人によって重要度が変わってくるので、ローンを選ぶ際の大きなポイントとなります。
違い3.金利の違い
一般的にはカードローンよりもフリーローンのほうが金利は低く、返済総額が少なくなる傾向がありますが、そのため審査基準が厳しいという特徴もあります。ただし、金利に関しては借入金額によって変わりますので、利用する金額での比較を行うようにしましょう。
このように、両者には大きく3つの違いがあります。お金を借りる時どちらを利用するべきか迷ってしまうかもしれません。使用目的以外に使う予定もなく、金利も低い場合はフリーローンを利用し、不足した生活費を補いたいというような場合にはカードローンを利用するという使い分けを行いましょう。
借りやすいフリーローンの選び方
銀行のフリーローンは非常に審査が厳しいことで有名です。確実にお金を借りるためにも、できれば審査に通りやすい金融機関を利用したいところです。審査が甘いフリーローンはありませんが、金融機関ごとに特徴があり、比較的借りやすいものは存在しています。
金利が高い銀行のフリーローンは借りやすい
審査に通りやすい金融機関の目安が「金利」です。金利が低い金融機関はあまりリスクを負えないため、どうしても確実に完済を期待できる人にしかお金を貸すことができません。反対に金利が高い金融機関は、ある程度の貸し倒れも想定しているため、手広く利用者を集めようとします。
そのため、比較的審査に通りやすいのは金利が高いフリーローンと言えます。自信がない場合は、金利が高いものを選んだ方がお金を借りやすいと覚えておきましょう。
また一般的に銀行よりも信金のほうがお金を借りやすいとされています。信金は収益をあげることを目的としているのではなく、地域の活性化を目的としているためです。とはいえ信用金庫で審査落ちして、銀行で融資を受けられるということもありますので、1つの傾向として知っておきましょう。
保証人は絶対に必要?
実は、フリーローンは保証人不要・無担保で利用することが可能です。そのため利用する際、誰に保証人を依頼すべきか悩む必要はありません。
それではなぜ保証人も担保も無しでお金を借りれるのでしょうか?実は、金融機関は回収できなくなったお金を補填してくれる保証会社と契約を結んでいます。
例えば、利用者が200万円の借金を滞納したり、返せなくなったりしたら保証会社がその200万円を肩代わりします。これを代位弁済と呼びます。つまり最終的に損をするのは保証会社であるため、フリーローンの審査は保証会社が行うのです。
しかし、代わりに借金を返してもらって無事完済とはなりません。利用者が返済できなくなったら保証会社が債権回収を行います。借りたお金を返す義務は残っているので、保証会社から一括返済請求を受けることもあります。
銀行はどの保証会社を利用しているか公開しています。審査を受ける際にはこれも重要な情報となります。基本的に保証会社は消費者金融が兼任しているため、過去にその会社とトラブルを起こしていると不利になります。
主な金融機関の保証会社は下記のとおりです。
商品名 | 保証会社 |
---|---|
みずほ銀行多目的ローン | オリエントコーポレーション |
りそな銀行プレミアムフリーローン | オリックス・クレジット |
イオン銀行フリーローン | オリックス・クレジット |
三井住友銀行フリーローン | SMBCコンシューマーファイナンス |
まとめ
- フリーローンは限度額も大きく低金利なので審査が厳しい
- 銀行によっては年収や勤続年数の最低条件を設けている場合もある
- フリーローンの審査で重要なのは「借りたお金の使い道」
- 審査が通りやすいのは金利が高いフリーローン
- フリーローンの審査に落ちたらカードローンの利用も検討する
フリーローンは金利も低く限度額も高いため、非常に便利です。しかし審査が厳しく、借りるためのハードルが高いという問題があります。
確実にお金を借りるためには、まず利用条件を確認しましょう。銀行のホームページには利用できる年齢や最低年収が記載されているので、条件をクリアしていることを確認してから申し込みを行いましょう。
銀行や信用金庫のメリットは実店舗があること。審査に通る自信がない時には、対面窓口で相談することが可能です。借り入れできるかどうか不安な場合は、金融機関で相談することから始めましょう。
勤続年数が短い、年収が少ないなど、自分のステータスがあまり高くない場合は、金利が高めのローンに申し込みましょう。また銀行ではなく信金で契約するなど、できるだけ審査に通りやすい金融機関を選んで利用しましょう。
もし審査に落ちてしまった時は、カードローンか資産を担保にできるものへの切り替えも検討してください。もちろん、借入額の見直しや他社借入の整理も有効です。フリーローンは借りる理由が明確になっているのが条件なので、それを見直すのも良いでしょう。本当に足りない分だけを借りるという姿勢が大事です。