静岡銀行のフリーローンの特徴解説
消費者金融などから簡単に融資を受けやすくなる中、知らないうちに借金が膨らんでしまったという方も少なくありません。そんな中、複数の金融機関からの借金をまとめて返済しやすくする『フリーローン』が助け舟となります。
ここでは、静岡県静岡市を拠点とし、“静銀”の愛称でも知られる地方銀行、【静岡銀行】のフリーローンに注目します。静銀で多重債務を一本化できるローンに、「しずぎんフリーローン」があります。金利や限度額をはじめ、利用方法、審査基準など、詳細について徹底解説します。
■「しずぎんフリーローン」の商品概要
【商品名】「しずぎんフリーローン」
【使いみち】使いみち自由(ただし、事業性資金を除く)
【借り入れ限度額】10~500万円まで(10万円単位)
【金利率】年率4.5%~14.5%
【金利の変動】固定金利
【借り入れ可能期間】10年まで
【来店の要・不要】来店型⇒必要、ネット完結型⇒不要
■金利について
金利は、【年4.5%、年7%、年9%、年10%、年12%、年14.5%】の6段階のいずれかが、審査によって決定します。固定金利が採用されているので、完済まで変動金利に左右されることなく、安定した返済ができます。最高金利は“年14.5%”なので、標準よりもやや高めな設定です。
■借り入れ限度額について
借り入れ限度額は、最大500万円なので、おまとめ利用者の一般的な借り入れ希望額である100万円~300万円の融資可能額をカバーしています。
■その他の特徴
カードローンの返済だけでなく、クレジットカードの返済もまとめて返済したい方におすすめです。地方銀行の場合、申し込みのエリア制限を設けていることが一般的ですが、「しずぎんフリーローン」の場合、インターネット支店なら全国から申し込みが可能です。ただし、運転免許証を所有していることが条件です。
また、ネット完結の申し込み(インターネット支店“WebWallet”から)や、来店型の申し込みでも正式申し込み手続きに郵送を選べば、来店不要で申し込みから融資までが自宅で完結します。来店がネックと考える方におすすめです。
さらに、一般的にフリーローンは追加融資ができないタイプが主流です。しかし、「しずぎんフリーローン」の場合、別枠でカードローンと同じく限度枠が与えられます。限度枠は審査によって決まり、その範囲で借り入れが自由に行えます。
静岡銀行のフリーローンの利用方法
「しずぎんフリーローン」の利用方法、【シミュレーションの活用・申し込み手順、審査回答や融資までの時間】などについて解説します。
シミュレーションの活用
「しずぎんフリーローン」に申し込む前に、ホームページ上に準備されているシミュレーション“5秒診断”を活用しましょう。【年齢・年収・債務状況】を入力します。融資が回答かどうかの回答が得られます。シミュレーションについては、後述する「静岡銀行のフリーローンの審査に通過する方法」で、さらに掘り下げて解説します。
申込み手順
“仮審査”の申し込みは、【インターネット、電話、FAX、郵便、店頭】などから可能です。
【仮審査申し込みから融資までの流れ】
仮審査申し込み
↓
(電話確認)
↓
仮審査
↓
仮審査の回答
↓
正式申し込み手続き(もしくはキャンセル)
↓
本審査
↓
本審査の回答
↓
融資
“仮審査の申し込み”ですが、インターネットからの場合、「ネットでかんたん仮審査」ボタンから申し込み画面に進みましょう。“仮審査の回答”は、【電話・郵送・メール】などによって通知されます。この際に、融資が可能かどうかに加え、可能な場合は金利や限度額の回答も行われます。電話回答の場合、【携帯電話もしくは自宅】を、申込み時に選ぶことができます。審査際に必要とされた場合は、勤務先へ在籍確認の電話があります。
仮審査の内容に問題がなければ、“正式申し込み手続き”に進みます。承諾された内容に納得できなければキャンセルもできます。“正式申し込み手続き”は、【来店もしくは郵送】の手続きを選ぶことができます。郵送による手続きは、静岡銀行の普通預金口座の開設が必要です。
“本審査”では、【仮審査申込書の内容・正式申込書の内容・提出書類・個人信用情報機関の共有情報】などの情報に基づき結果が出ます。何も問題がなければ静岡銀行の普通預金口座に振り込みとなります。
審査回答や融資までの時間
審査回答までの時間は、通常では5営業日程度、最短で3日と公表されています。融資までの時間は、正式申し込みを来店にした場合、仮審査申込みから融資まで、10日~2週間程度、郵送にした場合、正式手続きの契約書をポスト投函してから融資まで2週間以上とされています。他行よりも融資までに時間がかかるので注意しましょう。
借り入れ方法
借り入れは、契約時に一括で静岡銀行の普通預金口座(返済用と同じ口座)に振り込まれます。さらに、それとは別に、カードローンのように一定の範囲内で自由に借り入れができる限度枠が審査によって与えられます。返済が始まってからどうしてもお金が必要という場合に重宝します。
静岡銀行のフリーローン申し込みに必要な書類など
「しずぎんフリーローン」に申し込む際に必要な書類は、以下の通りです。
■仮審査申込み時
・仮審査申込み書類
仮審査申込書に記入した内容で、不明点があった場合、銀行もしくは保証会社から確認連絡が行われる場合があるので想定しておきましょう。
【正式申し込み手続き時】
・正式申し込み書類
・本人確認書類
・年収確認書類
・印鑑
本人確認書類は、運転免許証やパスポートなどが無難です。年収確認書類は、融資額が300万円以下の場合は原則不要です。300万円以上の場合は、源泉徴収票や給与明細などの提出が求められます。詳しくは、仮審査の回答時の指示に従いましょう。印鑑は、普通預金口座の届け印のことです。利用目的を証明する“資金使途確認資料”の提出は原則不要です。
また、ネット完結の場合、住所確認が同時にできる運転免許証のみに限られています。印鑑の提示は不要です。
郵送される書類で、家族に借金のことがバレてしまうことを心配される方も少なくないでしょう。郵送で送られる封筒は、見た目では、ローン関連の書類ということがわからないよう、一般封筒を使用しているので安心です。
確実に必要となる書類を事前に確認し、あらかじめ準備する手順をイメージしておけば、早期融資につながるだけでなく、申し込みの不安を解消することができます。
静岡銀行のフリーローン審査基準
静岡銀行のフリーローンである「しずぎんフリーローン」を利用できる方や、保証会社の審査基準について解説します。
利用できる方
利用できる方は以下の通りです。
・申込み時の年齢が、満20歳以上70歳未満の方
・保証会社の保証が受けられる方
・静岡銀行の普通預金口座を開設している方
・外国人の方の場合、永住者または特別永住者の方
【主婦・アルバイト・契約社員】の方でも申込みが可能です。ただし、学生の方は申込みすることができません。基本的に、年収や職業での線引きはありません。「しずぎんフリーローン」の審査基準で重視しているポイントは、年収がいくらかよりも、年収に対しての返済額が、どのくらいの割合かということです。
また、ネット完結の場合、申し込む時点で普通預金口座が必要ですが、普通預金口座がない場合、正式申し込みで同時開設が可能です。ただし、来店での申し込みが不可欠となります。
保証会社の審査
「しずぎんフリーローン」と契約するには、“静岡銀行”だけでなく【「株式会社オリエントコーポレーション」、「エム・ユー信用保証株式会社」、】の審査が必要となります。いずれかの保証が承諾されれば、審査通過ということになります。
担保や連帯保証人は、原則不要です。これは保証会社が連帯保証してくれるためです。その代りに保証会社には保証料を支払わなくてはいけません。「しずぎんフリーローン」の場合、保証料は金利に込まれているので、別途請求されることはありません。
静岡銀行のフリーローンの審査に通過する方法
静岡銀行のフリーローンである「しずぎんフリーローン」の審査をより有利に通過するために、あらかじめ知っておくべきことを解説します。
シミュレーションの確認
前述したシミュレーション“5秒診断”は、申し込み可能かの簡易的な回答しか得られません。しかし、この時点で「お借り入れ可能と思われます」という回答が無ければ、慎重に検討しましょう。シミュレーションの使い方によっては、銀行の線引きを知ることができます。
たとえば、【年齢を30歳、借入れ希望額、借り入れ件数】を入力します。ここで注目は借り入れ件数です。消費者金融などのローンの借り入れ件数を4件以下にすると、「お借り入れ可能と思われます」という回答になりますが、5件以上になると「お客さまのご入力情報では、お借り入れ可能か判断できませんでした」という回答になります。つまり、借り入れ件数が5件以上ですと、審査通過が厳しくなるラインと考えられます。
保証会社名の審査に通過する方法
審査に通過するには、過去に返済遅延などの金融事故がないかどうかが重要視されます。金融事故情報は、個人信用情報機関(CICなど)の記録をもって共有されます。また、静岡銀行や保証会社および、それぞれの関連会社の間でも、独自の情報が共有されています。とくに金融事故などの履歴を“社内ブラック”といいます。
たとえば、保証会社である“オリエントコーポレーション”は、オリコカードを発行しています。また、“エム・ユー信用保証株式会社”は、三菱UFJフィナンシャルグループです。このことから、過去にオリコカードや三菱UFJ銀行などの関連会社のローンやカードなどの利用履歴があり、何かのトラブルがあった場合、審査通過が厳しくなります。
もし、心当たりがある場合は、他の関連しない金融業者のローンに申し込んだ方が、フリーローンの契約への近道となる場合があります。
静岡銀行のフリーローンの審査に通らない理由と対策
「しずぎんフリーローン」の審査に通過しないと考えられる理由【申込ブラック】と、その対策について解説します。
【通過しない理由】
さほど大きなトラブルも見当たらないのに、審査になかなか通過しないと感じているなら、“申込みブラック”が原因かもしれません。申込みブラックとは、【1か月以内に4社以上の申込みをしてしまった方】が対象となります。これは、「あなたは“申込みブラック”です」という通知をどこから受けることもないので、自己管理が必要です。
申込みブラックは、審査で共有される“個人信用情報機関”の履歴によって発覚します。「複数のローンに申込むくらいでなぜマイナス評価になるの?」と、疑問を抱くのも当たり前です。しかし、審査する側にとって、短期間に“ローンを申し込んでは断られる”を繰り返している状況は、「どこの金融業者も融資してくれない返済不能者」と判断されてしまいます。
【対策】
申込みブラックにならないためには、申し込みを月に2件まで(本命と滑り止め)に留めておくのが無難です。万が一、申し込みブラック対象者になってしまった場合、個人信用情報機関の履歴が抹消される半年間を待ってから、銀行のローンに申し込む必要があります(消費者金融の場合1か月で抹消)。
静岡銀行のフリーローンの返済方法
「しずぎんフリーローン」の返済方法、【返済の手順、繰り上げ返済、返済計画の注意点】などについて解説します。
返済の手順
「しずぎんフリーローン」の返済方式は、“元利均等毎月返済”です。元利均等毎月返済とは、毎月決まった金額を完済まで支払う方法です。また、年に2回ボーナス時による増額返済の併用も可能です。月々の返済とは別に支払うのではなく、ボーナス月の2回は月々の返済額に加算された支払いになります。ただし、ボーナス払いで支払える金額は、融資総額の50%以内となっています。支払い方法は、毎月10日に静岡銀行の普通預金口座から自動引き落としとなります。
繰り上げ返済
臨時で返済する“繰り上げ返済”にも対応しています。繰り上げ返済による返済方法の変更が生じた場合、6,480円(税込)の手数料がかかります。繰り上げ返済時の残高が、100万円未満の場合や、借り入れ日から1 年が経過していない場合は、手数料は不要です。また、別枠のカードローンの繰り上げ返済手数料は不要です。
返済計画の注意点
返済プランを組む際に、気をつけたい事があります。【月々の返済額の過剰な少額設定】です。毎月の返済が火の車だった方は、とくに月々の返済額を少しでも減らそうと考えます。しかし、月々の返済額を減らし過ぎてしまうと、融資期間が長くなります。金利は、融資期間が長くなればその分加算されるという特徴があるので、長期返済になればなるほど、利息が高額になります。すると、借り換えする前よりも損をしてしまうケースも少なくありません。
【返済日を月1回に減らせれば十分、月々の返済額を減らせれば十分】など、理解をもって返済計画を立てているなら問題ありません。しかし、利息が増えて損をすることは避けたいと思っている方なら、過剰に月々の返済額を少なくしないよう注意が必要です。
静岡銀行のフリーローン、メリット/デメリット
「しずぎんフリーローン」のメリットとデメリットについて箇条書きで整理してみましょう。
■メリット
・使いみち自由なのでおまとめ利用が可能
・カードローン返済だけでなくクレジット返済もおまとめが可能
・インターネット支店なら全国から申し込み可能
・ネット完結や正式申し込みで郵送を選べば、来店なく融資までが可能
・担保や連帯保証人が原則不要
・審査回答の連絡方法に携帯電話が選べる
・おまとめの融資以外にも追加限度枠が与えられる
・郵送封筒は、静岡銀行で一般に使用しているものなので家族にバレにくい
・最長10年の長期返済が可能
・利息や月々の返済額を減らし、返済期間を短縮することができる
・返済日を月に1度に整理することで、返済管理がしやすくなる
・月々やボーナス時の返済が、自動引き落としなので管理しやすい
・繰り上げ返済ができるので、早期返済も可能
・“元利均等返済”かつ“固定金利”なので、毎月の返済管理がしやすい
■デメリット
・融資には静岡銀行の普通預金口座開設が必要
・静岡銀行の普通預金口座がなければ、来店の申し込みが必要
・毎月の返済日が10日のみに指定されている
・他行に比べて融資までに時間がかかる
・高額融資なので、審査が厳しい
・繰り上げ返済の手数料が有料
地方銀行の場合、申し込みできる方の営業エリアを設けているのが一般的です。静岡銀行の場合、インターネット支店を通じて全国からの申し込みが可能なので、地方銀行としては貴重なメリットです。
フリーローンを選ぶ際のポイント
静岡銀行のフリーローンに限らず、フリーローンを選ぶ際のポイント、ここでは【来店型のフリーローン】について解説します。
仕事が忙しかったり、介護などの家の用事がある方は、なかなか来店する時間がありません。相手はプロだとはわかっていても数百万円の借金を抱えている状況の中、あまり顔を人にさらしたくはないものです。また、地方の方ですと銀行のローン受付カウンターで相談や手続きする姿を見られるのに抵抗がある方も少なくありません。
そんな場合は、来店せずに申込みから融資までが可能なフリーローンがおすすめです。ネット銀行のフリーローンをはじめ、WEB完結型のシステムを導入しているローンや、正式申し込み手続きを郵送にすれば来店不要といったローンも増えています。
このように、ひと昔前のように担当者と対面しないとローンを組めなかった時代に比べ、ローンが組みやすくなったのは大きな利点です。しかし、このスタイルが加速する一方、審査が機械的に行われる傾向にあるのも事実です。
そんな中、個人の信用性をアピールするには、あえて来店型を選ぶことも、人によっては審査通過の近道となります。アピールの仕方に自信がある方でしたら、WEB完結型よりも良い心証を与えることができる可能性をもつ来店型のフリーローンを選ぶことも検討しましょう。
利息制限法と静岡銀行のフリーローンの関係
利息制限法は、融資額に基づき金利の上限が決められた法律です。下記のような基準が取り決められています。
・10万円未満の借り入れなら、最高金利は年20%
・10万円~100万円未満の借り入れなら、最高金利は年18%
・100万円以上の借り入れなら、最高金利は年15%
このような法律によって、100万円以上の融資の場合、金利が15%を越えることは絶対にありません。これに基づき静銀でも金利を設定しています。今、テレビなどでよく耳にする“過払い金の請求”は、利息制限法の改定後にも、多くの利息を支払わされたことによるものです。
100万円の融資を超えると、金利はガクッと下がります。これが、多重債務をまとめて高額融資に借り換えする理由です。ちなみに返済遅延を起こしてしまった場合の“遅延損害金”は、最高金利20%と定められています。
静岡銀行のフリーローンである「しずぎんフリーローン」で、“複数の借り入れを一本化”することが可能です。ただし、この借り換えによって、今よりも条件が良くなると判断した上で、申し込みを検討してみることが必要です。信用という意味では、静銀の愛称でも親しまれる静岡銀行のローンなら問題ないでしょう。