西日本シティ銀行のフリーローンの特徴解説
『フリーローン』とは、多目的な利用ができてまとまった融資が受けられる、高額融資ローンです。カードローンとよく比較されますが、大きな魅力は金利の安さです。ですが、融資額によっては、カードローンの金利の方が安い場合もあるので、吟味が必要です。
ここでは、福岡県福岡市を拠点とし、通称“西銀”でも知られる地方銀行、西日本シティ銀行(にしにっぽんシティぎんこう)のフリーローンに注目します。西日本シティ銀行のフリーローンには、「NCB EZフリーローン」、「NCBフリーローン クイック30」、「NCBフリーローン キレイのミカタ」などがあります。中でも、高額融資で長期返済が可能な「NCB EZフリーローン」を中心に解説します。
ただし、申し込みには住まいや勤務先のエリア制限があるので、自分が条件を満たしているのかどうかを確認してから読み進めてください。
「NCB EZフリーローン」の商品概要
商品名 | NCB EZフリーローン |
---|---|
使いみち | 使いみち自由 |
借り入れ限度額 | 10万円から500万円まで(1万円単位) |
金利 | 年率12.5%~15.0%(固定金利) |
借り入れ可能期間 | 6か月から15年まで(1か月単位) |
審査回答までの時間 | 2.3日程度 |
融資までの時間 | 5日~10日 |
来店の要・不要 | 不要 |
担保・保証人 | 不要 |
総量規制 | 対象外 |
金利について
金利は“年15.0%”のみで、標準よりも高めな設定です。ただし値引き条件があります。西銀の普通預金口座に給与振込先を指定すれば“2.0%”、カードローンを契約すれば“0.5%”、最大で“2.5%”の金利を引き下げることが可能です。値引きが適用された場合の金利は、“年12.5%”です。これは大手銀行の標準金利よりも低金利です。
金利の引き下げを受けるには、来店契約が不可欠です。WEB完結の申し込みの場合、値引きは適用されないので注意が必要です。WEB完結型は、自宅で申込みから融資まですべてが完結してしまう利便性に優れた方法ですが、金利の値引きの大きさを考慮すれば、手間でも来店型を選ぶべきでしょう。また、保証会社に支払う保証料は金利に込まれています。西銀を通じて保証会社に支払われます。
借り入れ限度額について
借り入れ限度額は最大500万円です。一般的に500万円の融資なら5%以下の金利設定という金融機関も少なくありません。ですが、事実上その条件での審査通過は“絵に描いた餅”とも言われます。そんな中、「NCB EZフリーローン」の場合、500万円の融資でも高金利設定です。【金利が安いほど審査が厳しい、金利が高いほど審査が甘い】という傾向から判断すれば、他行よりも審査に通過する可能性が高いと考えられます。
また、パート・アルバイト・専業主婦の方も利用できますが、最大融資額が100万円までとされています。
金利や限度額以外の特徴や注意点
「NCB EZフリーローン」は、使いみち自由とされていますが、事業性資金や他債務の借り換え(おまとめ)には利用できません。他債務の借り換えの場合、「NCBおまとめローン」の申込みを検討しましょう。
また、その他のおすすめポイントについては、後述する「西日本シティ銀行のフリーローン、メリット/デメリット」を参考にしてください。
西日本シティ銀行のフリーローンの利用方法
「NCB EZフリーローン」の申し込み手順、審査回答や融資までの時間、借り入れ方法などについて解説します。
申込み手順
“仮審査”の申し込みは、インターネット(パソコン・スマホ)、電話から可能です。インターネットから申し込んだ場合の、融資までの流れをザックリと見てみましょう。
仮審査申し込みから融資までの流れ
仮審査申し込み↓
電話確認
↓
仮審査
↓
仮審査の回答
↓
正式申し込み手続き(もしくはキャンセル)
↓
本審査
↓
本審査の回答
↓
融資
“仮審査の申し込み”は、インターネットからの場合、「お申込みはこちら」ボタンから申し込みフォームに進みましょう。仮審査の申し込み後、本人確認や在籍確認のため、自宅や勤め先への電話があります。連絡がつかなかった場合、審査が保留となり融資が遅れてしまうので注意が必要です。事前に電話をとることができる時間などを先方と打ち合わせしておけば安心です。
“仮審査の回答”で限度額の回答も行われます。この場合、希望した限度額が認められなければ、減額された融資額で正式申し込み手続きに進みます。もし、承諾された融資額に納得できなければ、キャンセルも可能です。
正式申し込み手続きは、来店の手続きが必要です。本審査では、書類内容に何も問題がなければ融資となります。
審査回答や融資までの時間
審査回答や融資までの時間は、とくにスピーディーさは謳われていません。一般的な傾向から判断すれば、仮審査回答まで2,3日、融資まで5日~10日ほど見ておくのが無難でしょう。ただし、やり取りがスムーズにいった場合です。
借り入れ方法
借り入れ方法は、審査で承諾された融資額の全額を一括で西銀の普通預金口座への振り込みとなります。分割入金や、追加の借り入れには対応していません。まとめて融資を受けたあとは、返済するのみの、住宅ローンや自動車ローンと同じタイプです。
西日本シティ銀行のフリーローン申し込みに必要な書類など
「NCB EZフリーローン」に申し込む際に必要な書類は、以下の通りです。
仮審査申込み時
- 仮審査申込み書類
仮審査申込書の内容に、確認すべき点などが生じた場合、銀行もしくは保証会社から確認の電話連絡があります。
正式申し込み手続き時
- 借入申込書
- 西日本シティ銀行の普通預金口座の通帳
- 届け印
- 本人を確認できる資料
- 収入証明書
借入申込書は、来店時に店舗で用意されています。本人確認書類は、顔写真と住所が記載されている運転免許証がベストです。また、写真付住民基本台帳カードや個人番号カードなども有効です。
通帳(西日本シティ銀行の普通預金口座)を所有していない方は、正式申し込み手続き時に、口座を同時開設することが可能です。収入証明書は、申込み金額が300万円以下の場合は不要です。300万円を超える場合、【所得証明書・源泉徴収票・住民税課税決定通知書】のいずれかの提出が求められます。個人事業者の方は、税務署が発行する直近の“納税証明書”の提出が必要です。
必要書類の準備は、人によっては大きなストレスです。「言われてからでいい」などと思ってしまいがちですが、いざとなってあわてないためにも、あらかじめ必要書類を想定して、段取りだけでもイメージしておくことが大切です。
西日本シティ銀行のフリーローン審査基準
西日本シティ銀行のフリーローンである「NCB EZフリーローン」を利用できる方や、保証会社の審査基準について解説します。
利用できる方
利用できる方は以下の通りです。
- 申込時の年齢が、満20歳以上満75歳未満の方
- 完済時の年齢が、満80歳以下の方
- 西日本シティ銀行の営業エリアに、住まいや勤務先がある方
- 保証会社の保証が受けられる方
上記のすべての条件を満たす方が、NCB EZフリーローンを利用することができます。パート・アルバイト・専業主婦・新入社員・個人事業主(自営業)など、一般的に「低収入・収入が不安定」と見られる方でも申し込み可能です。専業主婦の方は、配偶者に安定した収入があることが条件です。また、個人事業者の方は税金を滞納や延滞していないことが条件です。
営業エリアの制限についての補足ですが、現在の住所が対象です。ただし、東京都内や大阪府内の店舗の取扱いはありません。
保証会社の審査
「NCB EZフリーローン」と契約するには、“西日本シティ銀行”だけでなく“九州カード株式会社”や、“九州総合信用株式会社”の審査が必要となります。いずれかの保証を受けられるかが、審査通過の“カギ”となります。融資額もこの審査で決定しますが、中には希望通りの借り入れ金額が承諾されないこともあります。
また、仮審査の申込み内容と借入申込書の記入内容に、相違点や問題点が見つかった場合、審査の通過が取り下げられることもあります。審査結果のあと、相違点に気づいてもあとの祭りです。後悔しないためにも、仮審査申込み書に記入した内容を、いつでも引き出せるように管理しておくことも重要です。
西日本シティ銀行のフリーローンの審査に通過する方法
「NCB EZフリーローン」の審査をより有利に通過するための方法について解説します。
西日本シティ銀行や保証会社の関連会社に要注意!
審査に通過するには、西日本シティ銀行や保証会社の関連会社にも注意が必要です。なぜかと言えば、関連会社の過去の金融事故などが審査に間接的に影響するからです。たとえば、西日本シティ銀行は、2004年10月1日に、“西日本銀行”と“福岡シティ銀行”が合併により発足した金融機関です。また、保証会社である“九州カード”は、自社でクレジットカードを発行しています。
もし、これらの関連会社のカードローンやクレジットなどを過去に利用したことがあり、遅延事故などの履歴があれば、それが原因で審査落ちとなってしまうことも考えられます。その場合にはむやみに申し込みせず、関連しない金融機関のローンに、改めて申し込むことも検討しましょう。
給与先の指定
「NCB EZフリーローン」は、給与振込先を西銀に指定すると、金利が2.0%も引き下げられることを前述しました。給与振込先の指定だけで2.0%というのは、他行と比べても目を見張る優遇です。西日本シティ銀行では、給与先の指定をしてくれるユーザーをとくに大切な顧客とする方針、つまり、審査に大きくプラス評価されると考えられます。もし、現在の給与振込先が会社の指定銀行でなければ、西銀に変えてから審査に申し込みましょう。
西日本シティ銀行のフリーローンの審査に通らない理由と対策
「NCB EZフリーローン」の審査に通過しないと考えられる理由【借り入れ希望額について】と、対策について解説します。
通過しない理由
仮審査の結果の際に、一般的に【金利と融資額】の回答も行われます。ちなみに、「NCB EZフリーローン」の場合はすでに金利が決まっているので、融資額の回答のみになります。この際に、減額での回答なら正式申し込みかキャンセルかを選ぶことができます。
しかし、希望額が承諾されなかった場合の回答方法が、減額でなく「融資できません」という回答になる金融機関があります。ただし、この場合、希望融資額の未承諾によって審査に落ちた由を、教えてくれる金融機関も多いようです。この際には、改めて減額での再審査申込みをしなくてはいけません。さらにネックなのが、再度申し込みをするにしても、いくらなら大丈夫という回答が得られないので、2回目に減額で申し込んでも、審査に通過するとは限りません。
あいまいなまま審査に申し込んで落ちることを繰り返すと、個人信用情報機関(CICなど)の共有情報に、申し込みと審査落ちの記録がついてしまうので、その後の審査が不利になる場合があります。
【対策】
このように、融資希望額が承諾されなかったための審査落ちを防ぐために、事前に限度額の回答方法を金融機関に問い合わせることができます。
また、金融機関によっては、ホームページ上に事前に「フリーローンはいくらまで融資可能か」を調べることができるシミュレーションが設置されています。簡易的なものですが、相場や感覚はつかめるので、ぜひ活用しましょう。
また、希望融資額が承諾されなかった理由で、審査に再度申し込みする際には注意が必要です。同じ銀行もしくは他行にかかわらず、そのまま申し込んでも結果が変わらないこと(審査落ち)も考えられます。たとえば、【副収入を得る、クレジットカードの利用をおさえる、不要なカードを解約する】など、改善をしてから申し込むことも重要です。
西日本シティ銀行のフリーローンの返済方法
「NCB EZフリーローン」の返済方法、【返済の手順、繰り上げ返済】などについて解説します。
返済の手順
「NCB EZフリーローン」の返済方式は、“元利金均等毎月返済”です。これは、融資額と利息額の総額を毎月一定額支払っていく方式です。また、半年に1回(年に2回)、ボーナス時にあわせて、月々の返済+αを支払う、“増額返済”も併用可能です。
返済日は、原則として、給与支給日かその翌日が指定され、西銀の普通預金口座(返済用口座)から自動引き落としとなります。引き落とし日を自由に決められないのはネックでもありますが、ローンの返済を他の支払いよりも優先にしたいという方には打ってつけの方法です。また、給与支給日が27日~月末の場合、翌月の1日に自動引き落としされます。
繰り上げ返済
月々やボーナス時に支払う“約定返済”のほか、好きな時に自由に追加返済できる【繰り上げ返済】が可能です。返済中に一部金を返済する“一部繰り上げ返済”と、完済時にまとめて返済する“全額繰り上げ返済”に対応しています。
いずれも手数料が無料なので、お金に余裕ができたら貯金箱に入れる感覚で、こまめに返済することができます。金利は返済残額に対して計算されるので、早いうちに残額が少なくなれば、その分利息額を減らすことができます。例えば、同じ10万円を繰り上げ返済するのでも、返済開始から1年以内に追加返済するのと、2年後に追加返済するのとでは、利息の減り方が大きく変わります。できるだけ早いうちに1円でも多く返す、これが利息を減らす大きなポイントです。
西日本シティ銀行のフリーローン、メリット/デメリット
「NCB EZフリーローン」のメリットとデメリットについて箇条書きで整理してみましょう。
メリット
- 給与先の指定で低金利ローンが組める
- WEB完結型なら来店が不要
- 担保や連帯保証人が不要
- 収入証明書は、融資額が300万円以下なら不要
- パート・アルバイト・専業主婦・新入社員・個人事業主でも申し込み可能
- 申し込みは、パソコンだけでなくスマホにも対応(24時間365日可能)
- 高齢者でも融資が受けられる(申し込み年齢が満75歳、完済時の年齢が満80歳まで)
- 最大15年と、長期返済が可能
- 金利が申し込み前から決まっているので返済計画がしやすい
- 利息や月々の返済額を減らし、返済期間を短縮することができる
- 追加の借り入れができないのでスムーズに完済できる
- 月々やボーナス時の返済が、自動引き落としなので返済モレを防止できる
- 繰り上げ返済ができるので、早期返済も可能
- 繰り上げ返済の手数料が無料
- “元利均等返済”かつ“固定金利”なので、毎月の返済管理がしやすい
- 借り入れ金額や融資期間を1万円、1か月単位で設定できるので利息を節約できる
- 銀行が提供するローンなので、総量規制の対象にはならない
デメリット
- 返済日を自由に選ぶことができない
- 自宅や勤務先への本人確認や在籍確認の電話がある
- 引き下げ金利を受けるには、正式契約に来店が必要
- 融資額が大きいので、比較的審査が厳しい
- 追加融資が受けられない
- 融資までに時間がかかる
- 申し込み対象者の【住まいと勤務先】の所在地による、営業エリア制限がある
- 融資には西日本シティ銀行の普通預金口座の開設が必要
西日本シティ銀行のフリーローンである「NCB EZフリーローン」は、銀行のローンなので総量規制を受けません。ですので、年収の1/3以下という制限なく融資が可能です。しかし、いくらでも借りられると安心するのは禁物です。総量規制の対象外でも、西日本シティ銀行や保証会社による、独自の審査基準があることだけは覚悟しておきましょう。
フリーローンを選ぶ際のポイント
西日本シティ銀行のフリーローンに限らず、フリーローンを選ぶ際のポイント、【繰り上げ返済】について解説します。
フリーローンを選ぶ際に、金利や限度額などは気になっても、繰り上げ返済にまで気が届く方はそんなに多くありません。しかし、実際に長期の返済が始まると、繰り上げ返済できるかどうかが非常に重要です。
月々の返済のほかに、ボーナス時に上乗せ返済する“増額返済”があります。ただ、ボーナスをあてにしてしまうと、万が一返済中にボーナス減給などになった場合、返済にポッカリ穴が開いてしまうことも想定できます。とくに長期返済の方は、将来のことも見据えてローンを組んだ方が賢明です。
そこで、不安定なボーナスに頼るよりも、いつでも好きな時に追加返済できる“繰り上げ返済”を早期返済のペースメーカーにした方がいい場合もあります。まとまった金額を1回でも返済すると、利息は大きく減ります。つまり、返済総額も大きく減らすことができます。繰り上げ返済した金額により、利息そのものが減るのではなく元本が減るので、完済までの毎月の利息額を減らすことができます。また、繰り上げ返済の手数料は、入金回数が多ければ大きな負担です。せめて一部繰り上げ返済だけでも手数料が無料であるフリーローンを選ぶこともポイントです。
西日本シティ銀行のフリーローンと返済遅延
「返済日に支払いが遅れてしまった!」すると、どうなるのでしょうか?まずは、1回でも遅れた場合、“遅延損害金”が請求されます。遅延損害金は、金利が金融機関ごとに定められています。
それだけならまだいいですが、西日本シティ銀行のデータベースに記録されてしまいます。これによって、増枠や追加融資、同行の新たなローンに申し込んでも、審査の通過が難しくなります。3か月以上滞納すると、個人信用情報機関(CICなど)に、延滞情報が記録されます。
西日本シティ銀行に記録された延滞情報は、“社内ブラック”とも言って自社管理のため、半永久的に履歴が残るとも言われています。この情報は西日本シティ銀行だけでなく、関連会社などにも情報が共有されます。近年、金融機関の吸収や合併があいつぐ中、関連会社の多い大手であればあるほど、金融事故のトラブルによる影響が受けやすくなると考えられます。
もし、どうしても支払えない場合、電話などで事前連絡することも重要です。くれぐれも事後報告ではなく、事前報告することが重要です。これだけでも、西日本シティ銀行からの心証が違います。
通称“西銀”でも知られる西日本シティ銀行の、『フリーローン』について徹底解説しました。今では多くのフリーローンが各金融機関から提供されています。低金利で返済プランが自分のライフスタイルに合っていると感じたら、西日本シティ銀行の「NCB EZフリーローン」の利用を検討されてみてはいかがでしょうか?