大分銀行のフリーローンの特徴解説
複数のローンをまとめて、より条件の良いローンに乗り換える手段のひとつに、『フリーローン』があります。ここでは、大分県大分市を拠点とする地方銀行大分銀行の「マイ・パートナープラス」について解説しましょう。
「マイ・パートナープラス」のスペック
【商品名】フリーローン「マイ・パートナープラス」
【使いみち】使いみち自由(事業資金は除く)
【借り入れ限度額】10万円以上500万円以内
【金利率】年5.9%~14.6%
【金利の変動】固定金利
【借り入れ可能期間】6ヶ月以上10年以内
【来店の要・不要】不要(正式手続きを郵送にした場合)
フリーローンでも、おまとめ利用ができるものとそうでないものがあります。「マイ・パートナープラス」は、おまとめの借り換えもできるフリーローン(多目的ローン)です。とくにスピーディー融資は謳われていませんので、仮審査の回答まで最短2,3日、融資まで最短5~10日ほど見ておくのが無難でしょう。
金利について
金利は、年5.9%・8.0%・10.2%・12.4%・14.6%の5段階のうちいずれが、審査によって決まります。さらに、下記条件を満たせば、最大1.0%の引き下げとなります。
・大分銀行のカードローンを持っていれば、0.4%引き下げ
・大分銀行の口座に“給与や年金の振込先”を指定すれば、0.2%引き下げ
・“Melody plus”などのカード契約があれば、0.2%引き下げ
・他行からの借り換えで、0.2%引き下げ
これらの条件は併用が可能なので、最大で1.0%の引き下げとなります。最大金利が、年14.6%と標準よりも高めな設定ですが、金利引き下げ条件を満たせば、標準金利で返済プランを組み立てることが可能です。
「マイ・パートナープラス」の特徴からおすすめする理由
「マイ・パートナープラス」は、“申し込みから融資までを自宅で済ませたい方”に打ってつけのローンです。完済時の年齢が満80歳までと“高齢者の申し込み”にも積極的です。例えば、満76歳で申し込んだ方でも3年近いローンを組むことができます。
また、複数のカードローン各社から数十万円を借り入れしているなら、年18.0%くらいの金利が相場です。まとめて100万円以上の融資に借り換えすることで、利息制限法に基づき、15%以下の金利に下げることが可能です。金利を見直して月々の返済額を減らしたい方や、月に1回の返済で管理しやすくしたい方におすすめです。
大分銀行のフリーローンの利用方法
「マイ・パートナープラス」の申し込み手順、必要書類、借り入れ方法、キャンセルなどについて解説します。
申込み手順
“仮審査”の申し込みは、【インターネット、FAX、店舗窓口】などから可能です。インターネットからの場合、パソコンだけでなくスマートフォンなどにも対応しています。
【仮審査申し込みから融資までの流れ】
仮審査申し込み
↓
(電話確認)
↓
仮審査
↓
仮審査の回答(最短2.3日・通過なら金利や限度額の回答)
↓
正式申し込み手続き(もしくはキャンセル)
※来店か郵送手続き
↓
本審査
↓
融資(最短5~10日)
インターネットから“仮審査”に申し込む場合は、「仮申込はこちら」ボタンから申し込み画面に進みましょう。必要事項をすべて記入し送信します。もし、入力事項に不備などがあれば電話確認されることがあります。
“仮審査の回答”は2.3日以内に電話で行われます。この際に金利や限度額の回答も行われます。もし、希望限度額が承諾されなかった場合、減額での融資回答となります。
問題なければ“正式手続き”に進みます。正式手続きは【来店もしくは郵送手続き】が選べます。郵送手続きの場合、来店は不要です。申込書に記入し、必要書類と一緒に提出しましょう。詳しくは、仮審査回答の際に担当者から案内があります。
【仮審査の申込み書、正式手続きの申込み書、提出書類、個人信用情報機関(CICなど)の情報】などと照合し、問題なければ“融資”となります。
借り入れ方法
借り入れ方法は、審査で承諾された金額が、まとめて一括で大分銀行の普通預金口座に入金されます。追加の借り入れはできません。
キャンセルについて
仮審査の回答で、希望融資額が承諾されなかった場合や、納得いく金利でなかった場合、キャンセルも可能です。キャンセルは、できたら電話でキャンセル理由を補足して丁寧に断るのがいいでしょう。そのまま放ったらかしにしておくと、個人信用情報機関(CICなど)に、「理由のないキャンセル」という履歴が残り、その後の審査が不利になります。
また、希望額の審査が通らなかったことには、何か問題があるはずです。大分銀行の場合、「フリーローンはいくらまでなら融資可能」という回答はもらえますが、なぜ減額されたのかの理由には答えてくれません。そのまま他の金融機関に申し込んでも、同じ結果になることも考えられます。減額された原因をよく考えて、改善してから他の金融機関のローンに申し込みましょう。
大分銀行のフリーローン申し込みに必要な書類など
大分銀行のフリーローンに申し込むためには、どんな書類が必要なのでしょうか?申し込みに必要な書類をまとめました。
申込み書類
申し込み書類は以下の通りです。
【仮審査】
・仮審査申込み書
【本審査】
・正式申込み書
・本人確認資料(運転免許証、パスポートなど)
・通帳・印鑑
・年金証書
通帳や印鑑は、すでに大分銀行の普通口座を開設している方であれば不要です。口座を開設していない方は、正式申し込み手続きの際に同時申し込みが可能です。その場合、来店による手続きが必要なので、郵送による手続きはできません。年金受給者は、年金証書が必要です。さらに年金受給者は、来店による正式手続きのみとなります。収入証明書は原則として不要です。
大分銀行のフリーローン審査基準
「マイ・パートナープラス」を利用できる方や、保証会社の審査基準について解説します。
利用できる方
利用できる方は以下の通りです。
・申込時の年齢が満20歳以上の方
・完済時の年齢が満80歳未満の方
・安定継続した収入のある方
・他行からの借り換えに利用される方
・保証会社の保証が受けられる方
「マイ・パートナープラス」は、他行からの借り換えのみに対応しているので、大分銀行のローンのみの借り換えには利用できません。また、安定して継続収入があれば、【パート・アルバイト・無職(配偶者の収入が必要)】の方でも申込みか可能です。ただし、融資限度は100万円までとなります。年金受給者の申し込みも可能です。学生の方は申込みできません。
保証会社の審査
「マイ・パートナープラス」と契約するには、“大分銀行”だけでなく“株式会社オーシー”や、“アコム株式会社”の審査が必要です。大分銀行に加え、いずれかの保証が承諾されれば、審査通過となります。金利や融資額についてもこの審査で決まります。場合によって、希望額が減額されることもあります。
担保・連帯保証人は不要です。これは、保証会社が保証の代行をしてくれるためです。その代り、保証会社には保証料を支払わなくてはいけません。「マイ・パートナープラス」の場合、支払う保証料は金利に含まれるので、別途請求されることはありません。また、稀に保証会社の判断によっては、連帯保証人が必要な場合もあります。
大分銀行のフリーローンの審査に通過する方法
「マイ・パートナープラス」の審査通過をより有利にするために、事前にできることを解説します。
給与振込先の変更
大分銀行に給与振込先を指定することで、金利の引き下げを実施しています。つまり、ホームページ上で積極的に謳っているこの条件を満たせば、審査の通過にも有利になることが考えられます。
どこの銀行でも自社のサービスの利用が多いお得意様を優遇するのは当然なことです。もし、給与振込先が会社の指定でなければ、審査前に大分銀行の口座に移行しておくことをおすすめします。
「安定継続した収入」の意味
「マイ・パートナープラス」の利用条件のひとつに、“安定継続した収入のある方”という項目があります。安定継続とは、毎月コンスタントな収入を意味します。たとえば、個人事業主ですと、今月は高収入だけれども翌月は低収入と、月々の収入が安定しないこともあります。すると、年収が多い個人事業主よりも、毎月安定した収入が見込めるパートやアルバイトの方が優遇されることもあります。
そこで、個人事業主の場合、毎月の安定した収入が得られる副業などを増やすなどの対処も検討してみましょう。また、月々に収入が安定している方でも、副業(収入)を増やすことによって、借り入れ限度額が増える可能性があります。できるだけ高収入を得られれば得られるほど、借り入れ条件が有利になるのは言うまでもありません。
大分銀行のフリーローンの審査に通らない理由と対策
「マイ・パートナープラス」の審査に通過しないと想定される理由と、その対策について解説します。
借り入れ件数が多すぎる
【通過しない理由】
フリーローンのおまとめ利用は、複数の借り入れをひとつにまとめることが大きな意図ではあります。しかし、借り入れ件数が多すぎると審査に通りにくくなります。銀行の場合、5件以上の金融機関からの借り換えとなると、審査通過が厳しいとされています。
【対策】
そこで、借り入れ件数を多くとも4件以下に減らしてから審査に申し込みましょう。3件~4件からの借り換えなら、比較的審査に通過しやすいことや、限度額も優遇されます。2件なら借り入れ件数を理由に審査落ちすることはほとんどないと考えられます。
借り入れ件数を減らすには、多重債務のローンを完済する資金が必要です。まずは、すでに借り入れしている金融機関に増枠を交渉しましょう。それがだめなら、新規で審査が甘い金融機関から融資を受けましょう。この場合、全額でなくとも4社以下にまとめることができるお金を借りることができれば大丈夫です。
不要なカードは全て解約
【通過しない理由】
借り入れ件数を減らすことができたら、もうひとつやっておかなければいけないことがあります。“不要なカードローンをすべて解約する”ということです。そのままにしておくと、個人信用情報機関(CICなど)の情報により、何社のカードローンと契約しているかの履歴が残ります。これも、審査にはマイナス評価となってしまいます。
【対策】
現在利用していないカードローンでも、審査の材料となってしまいます。応急処置でまとめた後には、完済したカードローンをすべて解約してしまいましょう。それに加え、クレジットカードなども利用していないものなら解約することで審査が有利になります。
大分銀行のフリーローンの返済方法
「マイ・パートナープラス」の返済方法、【返済の手順、繰り上げ返済】などについて解説します。
返済の手順
返済方法は、“毎月元利均等返済”といって、“借り入れ額と利息額の合算(返済総額)”を返済回数で割った均等金額を、毎月決まった日に返済するものです。それに加え、借り入れ金額の50%以内なら、年に2回のボーナス月の加算返済も併用できます。返済日は、毎月1日~26日の中で好きな日を自由に決めることができます。完済まで毎月同じ日に、大分銀行の普通預金口座から自動引き落としされます。
また、年金受給者向けには、2か月おきに返済する“隔月元利均等返済”にも対応しています。返済日は、2・4・6・8・10・12月の15日となります。また、年金受給者に対応する支払い方法なので、ボーナス月の加算返済は併用できません。
繰り上げ返済
繰り上げ返済にも対応しています。返済中に追加で返済できる“一部繰り上げ返済”や、完済時にまとめて追加返済できる“全額繰り上げ返済”が可能です。この場合、いずれも手数料は無料です。ただし、繰り上げ返済には来店が必要です。さらに、対応している店舗が限られていますので、事前確認が必要です。
大分銀行のフリーローン、メリット/デメリット
「マイ・パートナープラス」のメリットとデメリットについて箇条書きで整理してみましょう。
メリット
メリットは以下の通りです。
・使いみち自由な多目的フリーローンなのでおまとめ利用が可能
・最大借り入れ限度が500万円なのでおまとめ利用にも十分可能
・パソコンだけでなくスマホからも申し込み可能
・追加の借り入れができないのでスムーズに完済できる
・月々やボーナス時の返済が自動引き落としなので管理しやすい
・繰り上げ返済ができるので、早期返済も可能
・繰り上げ返済の手数料が無料
・“元利均等返済”かつ“固定金利”なので、安定した返済ができる
・担保や連帯保証人が不要
・パート・アルバイト・無職・年金受給者の方でも申込み可能
・年金受給者は、年金の支給に対応した返済計画が可能
・収入証明書が不要
・借り入れ期間が最長10年と長期返済計画が可能
・来店しなくとも申込みから融資までが可能
・高齢者でも返済計画が組み立てられる
以上が主なメリットです。「マイ・パートナープラス」は原則として、追加融資が不可能なので、これ以上借金を増やしてしまうリスクがありません。浪費癖のある方ですと、返済した分また借りてしまうので、なかなか完済できないのが心配です。スムーズな完済を一番に考えるなら、追加融資が受けられないことは大きなメリットです。
デメリット
デメリットは以下の通りです。
・契約には、大分銀行の普通預金口座の開設が必要(開設には来店が必要)
・高額融資なので、審査が厳しい
・追加融資が受けられないので、自由にお金を引き出せない
・融資までに時間がかかる
・繰り上げ返済には来店が必要
あとあとの利便性を考えると、追加融資がどうしても必要という方なら、追加融資が可能なフリーローンや、カードローンなども選択肢にしましょう。
フリーローンを選ぶ際のポイント
フリーローンを選ぶ際にどんなことをポイントにしたらいいか、いくつか取り上げてみます。
限度額の回答で選ぶ
審査の回答の際、希望限度額についての回答も同時に伝達されます。この時に、大まかに2通りの回答が考えられます。まずは、希望限度額が承諾されなかったことにより、審査に通過できなかったという回答です。もうひとつは、希望限度額を承諾することはできなかったが、減額なら融資が可能という回答です。
前者の場合、あらためて減額して審査に申し込まなくてはいけません。すると、個人信用情報機関(CICなど)に、申し込み履歴が増えてしまいます。後者の場合、再度審査に申し込む必要はないので、申し込み履歴を増やしてしまう心配はありません。ちなみに、申し込み履歴が多いと、その後の審査が不利になるのであまり良いことではないとされています。
限度額の回答方法に関する内容は、ホームページなどではほとんど公開されていません。審査に申し込む前に、金融機関の担当者やオペレーターなどに、“希望額が承諾されなかった場合、減額の提案があるかどうか”の確認をするのが賢いでしょう。
ただし、減額の回答がある場合でも、おまとめできる金額でなければ、いずれにしても新たな申し込みを検討しなくてはいけません。その際には、減額された理由を考え、より好条件に改善してから新たなローンに申し込む必要があります。
保証会社の数で選ぶ
フリーローンを組むには、保証会社の保証が不可欠です。フリーローンによっても提携する保証会社の内容や基準が異なります。そこで、注目すべきは保証会社の数です。保証会社が1社の場合と、複数の場合があります。保証会社が2つ以上あると、審査がより厳しいと思う方もいらっしゃるでしょうがそうではありません。
実は、2つ以上の保証会社と提携しているローンは、いずれか1社に保証してもらえれば審査に通過となります。言い換えれば、保証してもらえるチャンスが増えるということです。また、審査手順にはいくつかのパターンがあります。
・複数の保証会社が同時審査するパターン
・A社の審査に通過できなかった場合にB社の審査に移行するパターン
・いずれか1社を申込者が選べるパターン
大まかにこのようなパターンがあります。保証会社が多い方が絶対に有利というわけではありませんが、フリーローンを選ぶ際のヒントにしましょう。
おまとめ専用ローンのリスク
おまとめ専用ローンは、返済専用のフリーローンなので、返済した分の追加の借り入れは難しくなります。そこで、他のローンに新規で申し込まなければいけない場合もありますが、それは大変危険です。銀行によっては契約違反とし、返済途中でも残額の一括返済を命じられることがあるからです。
また、こうならないための誘惑にも気をつけなくてはいけません。それは、完済した多重債務先のローンから、増枠などを勧める営業メールです。借り入れを完済すると、完済した金融会社から、前回よりもいい条件で「お金を借りませんか?」という内容のメールが届きます。
それにつられて新たに借り入れをしてしまうと、せっかく苦労して契約までにたどり着いたおまとめローンが白紙となります。「ちょっとくらいなら……。」という安易な考えが命取りとなるので、絶対にやめましょう。
最後に、大分銀行の「マイ・パートナープラス」は、総量規制の対象外なので、多重債務の借り入れをまとめて一本化できるフリーローンです。もし、今よりも返済条件をよくすることができるなら、借り換えを検討してみてはいかがでしょうか?