フリーローンはカードローン・キャッシングとは何が違う?
フリーローンは具体的にカードローンとどんな違いがあるのかご存知ですか?お金を借りるという意味では同じですが、2つには様々な違いがあります。
正しい知識を持って使い分ければ、お得にお金を借りることができます。そこで、この記事では2つの違いをわかりやすくまとめています。限度額や審査基準、失敗しない選び方を紹介します。フリーローンとカードローンの5つの違い
まず、両者にはどんな違いがあるのか、主要な5つのポイントを紹介します。
1.追加融資の有無
フリーローンは利用目的を明確にした上でお金を借ります。そのため1度利用するとそのあとの追加融資を受けることができません。引っ越しのために50万円借りたとすれば、借りたお金は引っ越しのためだけに使い、あとは時間をかけて返済をするだけです。対するカードローンは、融資枠の範囲内であれば何度でも借り入れすることができます。
2.金利の違い
一般的に、フリーローンのほうが低金利です。金融業者によって異なりますが、銀行カードローンが10%程度に対して、フリーローンは6%前後に設定されていることが多いです。
3.審査の厳しさ
金利の違いは審査の厳しさにも直結しています。フリーローンの方が低金利のため審査が厳しいと言われています。即日融資可能なカードローンに比べて、フリーローンは審査に数日かかることもあります。そのため、お金を借りるまでにかかる日数も違いがあります。すぐにお金が必要だという場合、フリーローンはあまり適した金融商品ではありません。
4.カードの有無
カードローンは繰り返し借り入れができるため、ATMを使うためのカードが発行されます。対するフリーローンは一度借りたら返済するだけです。そのためカードが発行されないため、家族にバレるリスクも低いと言えます。
5.繰り上げ返済手数料の違い
カードローンは繰り上げ返済に手数料がかからないものがほとんどですが、フリーローンは繰り上げ返済を行おうと思うと、高額な手数料が発生することがあります。
フリーローンとは
そもそも、フリーローンとはどのような商品なのでしょうか?その名前から、借りたお金を自由に使っていいものと思いがちですが、実は違います。様々な用途に利用していいというだけで、申込みの際に使用用途を明確にする必要があるのです。
申告した用途以外には使えない
フリーローンを利用をするときには、「◯◯のために100万円貸してください」というように申告しなければいけません。その内容と借入金額が妥当かどうか審査され、承認されればお金を借りることができます。
そのため、申込みの際にはお金の使い道が分かる見積書などの書類を提出する必要があります。申告内容が自由なだけで、自由にお金を借りられるものではないと覚えておきましょう。
消費者金融では扱っていない
取扱をしているのは銀行や信金だけで、貸金業者はこれらの商品を取り扱っていません。一部銀行では多目的ローンとも呼ばれていますが、それらに大きな違いはありません。多目的といっても、他のフリーローンと同様に利用目的が明確になっている必要があります。
申込み条件が厳しい
利用するための条件が厳しいというのも特徴のひとつです。たとえばみずほ銀行は、利用するために200万円以上の安定した収入と2年以上の勤続年数が、利用するための最低条件になっています。
条件は厳しいものの、金利が低いものが多いというメリットもあります。借り入れすることができれば、有利に返済することができることができるため、使用用途がはっきりしている人にとってはオススメの金融商品です。
カードローンとは
カードローンは借りたお金の返済が済んでも、また簡単に借りることができます。お金の管理がルーズな人は、多額の借金を抱えやすい金融商品なので、計画的な利用が求められます。
使用用途が自由
カードローンはフリーローンと違い、使用用途が自由という特徴があります。事業用途に使ってはいけないというルールがありますが、逆にそれ以外であれば何に使っても問題ありません。
申込みの際にどんな用途でお金を借りたいのか聞かれることはありますが、見積書などの提出は必要ありません。審査によって限度額が与えられ、その枠の中で自由にお金を借りたり返したりすることができます。
お金を借りるときにATMを利用するカードが発行されるため、このような名前がつけられています。最近ではWEB完結のサービスを提供している金融機関もあり、カードが発行されないものもありますが、それらも同じ枠組みの商品です。
消費者金融でも扱っている
カードローンは銀行だけではなく、消費者金融や信販会社なども提供している金融商品です。担保も保証人も不要で利用できます。取扱業者が多い分、各社の独自サービスを用意しています。たとえば消費者金融なら、初回利用時は利息を無料にするサービスを行っています。
申込み条件が少ない
比較的お金を借りやすいのはカードローンの方です。そういう意味ではこちらのほうが自由(フリー)に利用することができます。
貸金業者のカードローンを使う場合は総量規制の対象になるため、利用限度額が抑えられてしまいますが、銀行なら1000万円近い金額まで融資を受けることも可能です。もちろんそれに見合った年収が必要ですが、借金の一本化のような高額な借り入れが必要なときに適しています。
審査に通りやすいのはどっち?
カードローンとフリーローンの違いを紹介しましたが、どちらが審査に通りやすいのでしょうか?審査に通りやすいのは以下の順番です。
カードローン > フリーローン
金融機関でお金を借りるときには、どれくらいの金利でいくら借りるのかということが借りやすさに繋がっています。借入額が小さく、金利が高いほうがお金を借りやすい傾向にあり、その点で消費者金融が優れています。対して、低金利で借入額が高額になりがちなフリーローンの審査は厳しくなります。
しかしこれらはあくまでも傾向でしかなく、金融機関同士でも審査の基準が違うため、ひとつの目安だと考えてください。年収が少なかったり、勤続年数が短かったりするような場合は、より審査に通りやすい方を選んで申込を行いましょう。
ただし、審査に通りやすいことと、審査が甘いということはまったく違います。インターネット上の情報で「審査が甘い金融機関」といった紹介がされていることがありますが、審査の甘い金融機関はありません。あくまでも比較として審査に通りやすいだけですので注意してください。
今すぐお金を借りたいならキャッシングがオススメ
ここではもうひとつのお金の借り方として、キャッシングについて説明します。キャッシングは自由に使うことができるお金の代表ですが、他との違いを確認しましょう。
キャッシングとは小口融資を受けるという意味で、カードローンもフリーローンも広義の意味ではキャッシングに入ります。ただし一般的に「キャッシング」と言えば、クレジットカードのキャッシング枠のことだと考えてください。
クレジットカードはショッピングで利用するだけではなく、お金を借りることもできます。それぞれショッピング枠とキャッシング枠といった融資の限度枠があり、たとえばショッピングでは100万円まで利用可能で、キャッシングで50万まで利用可能というように決められています。
クレジットカードによってはキャッシング枠がショッピング枠に含まれることもあります。上記の例であれば、総額で100万円まで利用できて、そのうち50万円までキャッシングで利用できるといった感じで設定されています。
利用限度額はクレジットカード会社が、利用者の信用をもとに決めます。クレジットカードの利用額が多い人ほど利用限度額が大きくなる傾向にありますが、あくまでも小口融資ですので、100万円を超える融資を受けられることはほとんどありません。
金利も高いのでフリーローンの代わりとして使うのは無理がありますが、すぐにお金が必要な時はキャッシングの利用も検討してみましょう。
失敗しない使い分け方法
フリーローン、カードローン、キャッシングとお金を借りる方法は3種類あります。それではどの金融商品をどのように使い分ければいいのでしょうか?お金を借りるときのシチュエーション別に使い分け方法を紹介します。
生活資金が少しだけ足りない時はキャッシング
「給料日までの数日間、少しだけお金を借りたい。」そういう場合はキャッシングがオススメです。すでにクレジットカードを持っていて、キャッシング枠を持っている場合に限りますが、キャッシングなら特に審査を受けることなく小口融資を受けることができます。借入金額が少なければ金利もそれほど気にする必要はありません。
利用目的が明確でまとまったお金が必要な時はフリーローン
結婚式や引っ越しなどの費用のように、何のために使うのかが明確で、しかもある程度まとまった金額のお金が必要な場合は、金利の低いフリーローンがオススメです。借りたあとは追加融資を受けることが出来ず、あとは返済するだけですので、借り過ぎを防ぐこともできます。
何度も借り入れをする可能性がある時はカードローン
借り入れが1回では済まず、何度も借り入れする可能性があるときはカードローンがオススメです。たとえばおまとめローンのように借金の一本化もしながら、生活に余裕がなく、たまに融資を受けたいというようなケースでは、まとまった金額を借りることができ、なおかつ追加融資も受けられるのでオススメです。
目的別ローンとフリーローンの違い
まとまったお金を借りることができるフリーローンには、もうひとつ忘れてはいけないものがあります。それが目的別ローンと呼ばれるもので、マイカーローンや住宅ローン、教育ローンのような金融商品がこれにあたります。これらの商品との違いはなにがあるのでしょうか?
借りる目的が1つしか選べない
目的別ローンは借りたお金の使用用途が決められており、車を買うためにはマイカーローン、教育費なら教育ローンと使えるものがはっきりしています。
それ以外にも、旅行費用や結婚費用として使える様々な種類のものが用意されています。全て限度額や金利が異なり、申込方法も違います。
担保が必要なケースがある
目的別ローンは使用用途が1つに決められていることもあり、商品によっては担保が必要になります。その代わり金利は低めに設定されています。とはいえ審査も厳しいという特徴があり、誰でも気軽に借りることができるわけではありません。
フリーローンと使い分けるコツ
もし「車を買いたい」「教育費を借りたい」と目的がはっきり決まっていて、銀行にそれ専用の目的別ローンがあればまずはそれを申込みましょう。フリーローンより低金利でお金を借りられるため、結果として払う利息を節約できます。
「家具を買いたい」「旅行をしたい」など、自分の理想にピッタリ当てはまる目的別ローンがない時に利用をするのがフリーローンと覚えておけば間違いありません。審査に通るためのコツ
銀行には色々なローンがあることを紹介してきましたが、どれを利用するにも審査に通ることが必要です。審査に通りやすいものにはいくつかの共通点があります。ここではその共通点を紹介し、確実に融資を受けるためのコツを紹介します。
金利の高い商品を選ぶ
上記で簡単に触れましたが、金利の高い商品ほど審査には通りやすい傾向にあります。金利が高い商品は、貸し倒れとなっても他の利用者の利息で損失をカバーすることができるため、審査基準のハードルが下がり、融資を受けやすくなります。
まずは最も低金利なフリーローンに申し込み、審査に落ちたら銀行や消費者金融のカードローンに申し込むという方法がオススメです。審査のチャンスは3回あるので、3社までなら使えるテクニックです。
メガバンクがダメなら地方銀行を選ぶ
お金を借りるときは、メガバンクのような大手の金融機関を利用する人が多いため、中小の金融機関はどうしても条件のいい利用者を集めにくくなります。このため大手の金融機関で融資を断られたような人にも貸付をする必要があるため、大手よりも中小の金融機関のほうが借りやすい傾向にあります。
もっとも審査が厳しいのがメガバンクで、その次が地方銀行、そして消費者金融というように、審査のハードルが金融機関の規模によって変わりますので、審査に通る自信がないという人は、消費者金融の利用も検討してみましょう。
一度に複数の審査を受けない
どの金融商品でも申込を行うと、個人信用情報に登録されるため、金融機関は一度に複数の審査を受けようとしていることが分かります。複数の金融業者に申し込んでいるということは、それだけ金策に走り回っていると思われてしまいます。急ぎで融資を受けたくても、審査を受けるときは1社ずつ行うようにしましょう。
お金はいくらまで借りることができる?
キャッシングは小口融資専用で、30~50万円くらいが利用限度額ですが、フリーローンは300万円前後の商品が多く、カードローンの場合は1000万円近くまで限度額が設定されていることがあります。とはいえ実際に誰もが限度額まで借りられるわけではありません
消費者金融は年収の1/3まで借りれる
消費者金融のような貸金業者から借りることができるお金は年収の1/3までです。これは総量規制と呼ばれる規制によるもので、貸し過ぎによる債務整理を引き起こさないためのルールです。このため消費者金融のカードローンはそこまでしか借りることができません。
フリーローンは年収の半分程度まで借りれる
フリーローンなら1/3以上を簡単に借りることができるかというと、決してそういうわけではありません。年収の1/3というのはどこから借りるにしても、貸し倒れが発生しない一つの目安ですので、貸金業者以外でもそれ以上の貸付はとても難しいというのが実情です。
ただし消費者金融の場合は、絶対に総量規制以上貸付けできないのですが、銀行などでは年収の1/3というのはあくまでも目安ですので、公務員や一部上場企業で働いているというような条件のいい人はそれ以上のお金を借りることができることもあります。
つまり、フリーローンでお金を借りるなら目的がはっきりしていれば、年収の半分程度までなら借りられる可能性があるのです。カードローンの場合も同様ですが、近年銀行は審査が厳しくなっているので、消費者金融と同水準と考えておくのが良いでしょう。
フリーローンとカードローンの違いまとめ
ローンはしっかり選ばないと不利な条件でお金を借りることになってしまいます。親切丁寧に全てを教えてくれる人もいないので、ここで紹介したそれぞれの商品の違いをしっかりと把握した上で、最適な商品選びを行ってください。
利用する目的が明確で、追加融資が必要ないという人は、フリーローンを利用しましょう。目的は決まっていても、将来的に追加融資が必要な可能性がある場合はカードローンがオススメです。借入額が数万円程度ですぐに借りたいという人はキャッシングを利用しましょう。
低金利でお金を借りたい場合はフリーローンが適していますが、使用用途によっては目的別ローンを利用したほうがいい場合もあります。
どれにも審査があるので、低金利の目的別ローンやフリーローンから順に審査を受けていくのが賢くお金を借りるコツです。