マイカーローンはおまとめローンで一本化できる?
車を購入するときに、現金一括払いというよりもマイカーローンを利用して購入しているという人がほとんどです。その結果、他の借金と合わせると月々の返済が厳しくなり、借金の一本化を検討しなくては滞納してしまいそう。そんなときに頭をよぎるのが「マイカーローンはおまとめローンで一本化できる?」という疑問ですよね。
ここではそんな疑問を解決するために、おまとめローンとマイカーローンの関係について解説します。マイカーローンの返済が苦しくなってきた人は参考にしてください。
車を購入するときは、ほとんどの人がローンを利用して購入するのではないでしょうか。一括で100万円を超えるお金を用意するのは大変ですし、マイカーローンの金利もそれほど高くありませんので、車はお金が貯まってからではなく、ローンで購入して少しずつ返済していくのが一般的です。
お金を借りて車を購入して、返済をしているうちに他の借金も増えて月々の返済が滞りそうになったとき、まず考えることが借金を一本化して月々の返済を少なくしたいということではないでしょうか。しかもできるだけ損をしないようにできれば理想的です。
問題は自動車購入で借りたお金を、おまとめローンで一本化できるかどうかということです。結論から言えば、マイカーローンで借りたお金をおまとめローンで一本化することは可能です。ただし、一本化するためにはいくつもの条件がつきます。
そして何も考えずに一本化すると、まとめる前よりも条件が悪くなってしまったり、わざわざ一本化をしたのに返済がまったく楽にならなかったりということもあります。そうならないためにもマイカーローンをおまとめで一本化するにはある程度の知識が必要です。
まずは最低限の知識を身につけた上で、借金の一本化を検討しましょう。その最低限の必要な知識についてはこのあと詳しく解説をします。
おまとめローンのメリット
おまとめローンをマイカーローンで一本化するためのポイントを解説する前に、まずはおまとめローンのメリットについて把握しておきましょう。マイカーローンをまとめるときは、おまとめローンについてきちんと理解しておかないと、大きく損をするということもあります。
月々の返済額が少なくなる
おまとめローンの最も大きなメリットは、毎月の返済額が減るということです。複数の金融機関からお金を借りていると、一つひとつの返済額はそれほど多くなくても、その積み重ねで毎月の返済が生活を圧迫します。
4社に対して1万5千円ずつ返済していた場合は、毎月の返済が6万円です。これを1社にして月々の返済額を3万円にすることができれば、生活にゆとりを持つことができます。余裕を持って返済できるようになる。これがおまとめで一本化するメリットのひとつです。
返済日をひとつにすることができる
複数の金融機関からお金を借りていると、毎週のようにその返済に追われて、仕事も手に付かないというような状態に追い込まれることがあります。この返済を月に1回にすることができれば、返済に悩まされるということがなくなります。
精神的な余裕ができますので、仕事もしっかりできて日々の生活でのストレスを大幅に下げることができます。返済に追われている人は周りが見えなくなってしまいますが、返済日がひとつになることで、ストレスのない生活を取り戻すことができます。
おまとめローンの種類
借金を完済するためにとても有効なのがおまとめローンですが、利用するためにはおまとめローンの種類についても理解しておかなければいけません。おまとめローンと呼ばれるものは、大きく分けて下記の2種類があります。
・おまとめ専用ローン
・カードローン
一般的におまとめ専用ローンは消費者金融などが展開している商品で、借金を一本化するためだけに使われます。おまとめローンと聞くとこちらをイメージする人が多いのですが、実は一本化でよく使われるのは銀行のカードローンです。
銀行のカードローンは、消費者金融のおまとめ専用ローンと比べて金利が低く、利用限度額も高いという特徴があります。このため審査に通りにくいステータスの人でないかぎり、借金の一本化には銀行を利用するのが一般的です。
ただし両者を比較した時に、銀行は審査が厳しくなる傾向にあり、簡単にはお金を貸してもらえません。もっとも消費者金融なら簡単に借りることができるというわけではありません。
消費者金融の審査通過率は50%以下ですので、申し込みをした人の半数以上が審査落ちします。マイカーローンは購入する車を担保にするため簡単にお金を借りることができますが、それと同じだとは考えず、必ず借りることができるわけではないということを頭に入れておきましょう。
銀行のカードローンを利用しよう
マイカーローンの返済が苦しくなって、他の借金と合わせて一本化したいと考えたときには、どこから借りたお金を、どこで一本化するのかということがとても重要です。消費者金融のおまとめ専用ローンは貸金業者から借りたお金しか一本化することができません。
このため、マイカーローンを銀行で組んでいた場合は、消費者金融のおまとめ専用ローンを使って一本化することができません。例えばディーラーローンと呼ばれる、ディーラーで組むローンを使ったものも同様に、消費者金融での一本化ができません。
ディラーでローンを組んだ場合は、信販会社を利用することになるのですが、信販会社は貸金業者という区分ではないため、おまとめ専用ローンの対象外と判断されます。
マイカーローンを含めた借金を一本化する場合は、貸金業者から借りたお金でない限り、消費者金融でのおまとめはできないのだと覚えておきましょう。ほとんどの人がこのケースに当たりますので、車の借金をまとめるときには銀行のカードローンを利用しましょう。
すでに紹介しましたように、銀行のカードローンは審査が厳しいため、簡単にはお金を借りることができませんので、一本化のためのハードルが高くなります。とはいえ審査に通りさえすれば銀行のカードローンは低金利ですので、有利に返済できるというメリットもあります。
マイカーローンを一本化するデメリット
このため、マイカーローンからカードローンに切り替えることで、利息が増えて返済総額が増えてしまう可能性があります。金融機関によって多少の違いはありますが、300万円をカードローンで利用する場合の金利は6~14.5%です。
これは倍以上の金利ですので、決して小さな額ではありません。マイカーローンの残高にもよりますが、返済総額が数十万円増える可能性もあるため、返済はしやすくなったとしても、とても大きなデメリットに感じる人もいるかもしれません。
また、おまとめローンをすることで、借金の返済が終わるまで追加の融資を受けにくくなるというデメリットもあります。おまとめローンを利用すると、その借金を完済するまでは危険な状態にあるとして、金融機関は簡単には融資してもらえません。
マイカーローンの場合は、車が担保になっているようなものですので、追加融資もそれほど難しくありません。ところがおまとめローンに切り替えることで、完済まではお金を借りにくい状態になってしまういますので、これも大きなデメリットのひとつです。
一本化をする前には必ずシミュレーションを行う
マイカーローンは金利も低く、しかも返済までの期間がとても長いのが特徴です。このため月々の返済額はそれほど多くないということもあります。他の借金の比率がそれほど多くない場合は、おまとめローンを利用した結果、月々の返済額が増えてしまい、返済総額も増えることもあります。
返済を楽にするはずで利用したはずなのに、なぜか返済がまったく楽になっていないというようなことが発生しますので、「おまとめローンを利用したほうが絶対にいい」と思い込まずに、自分のケースに合った返済シミュレーションをしっかりと行うようにしてください。
このとき重要視したいのが月々の返済額です。もし返済額がいまとそれほど変わらずに、返済総額だけが増えてしまったような場合は、あえて借金を一本化させる必要はありません。借金をまとめずにコツコツ返済することも検討してください。
シミュレーションをする場合は下記の3つのケースを想定して行ってください。
・現在の返済を継続
・おまとめローンを利用しての返済
・マイカーローン以外の借金だけを一本化するときの返済
マイカーローンのように低金利な借金の場合は、あえてその借金だけを一本化させないという考え方もあります。無理に一本化する必要はありませんので、柔軟な思考でベストな返済方法を選ぶようにしてください。
車のローンを一本化するときのおまとめローンの選び方
マイカーローンを含む借金を一本化するときにはどのおまとめローンを選ぶかということが重要です。消費者金融ではなく銀行のカードローンを使うことと低金利の商品を選ぶことはすでに説明しましたが、ここでは他のポイントについて紹介していきます。
借入可能額を確認する
マイカーローンは住宅ローンに次いで大きな借金です。車種によっては300万円を超える自動車ローンを組まなくてはいけないときもあります。借金の一本化したいということは、マイカーローンの他にも借金があるということです。
少なくともそれらを合わせた金額が、利用限度額の範囲内に収まる金融機関を利用してください。大手銀行のひとつである、三菱東京UFJ銀行のバンクイックは利用限度額が500万円ですので、一本化したい借金がそれ以上にある場合は、他の銀行を選びましょう。
返済総額が小さくなるおまとめローンを選ぶ
いくつかの金融機関に絞ったら、そこからは返済シミュレーションを使って、返済総額の計算を行いましょう。単純に金利が低いだけですと、月々の返済額を少なく設定すると、返済総額が増えてしまうというようなことも発生します。
できるだけ詳細まで計算して、自分に有利な金融機関を選ぶようにしましょう。気をつけたいのが返済残高によって月々の返済額が変わってしまうということです。金利と返済方法をきちんと調べて、正しい数字を算出するようにしましょう。
マイカーローンと総量規制の関係
貸金業者から借りられるお金には総量規制と呼ばれるルールがあり、年収の1/3以上のお金を貸してはいけないことになっています。ところがマイカーローンの場合は、総量規制の対象外となっているため年収の1/3以上のお金を借りることができます。
とてもありがたいことではあるものの、年収の1/3以上の借金を抱えることになるため、返済が滞る可能性も高まります。また総量規制の対象外とはいえ、それだけの借金があるわけですから、追加融資を受けるのが難しくなります。
おまとめローンも総量規制の対象外ですので、利用限度額の範囲内であれば、マイカーローンの残高とその他の借金の合計が年収の1/3を超えていても一本化することができます。ただし、こちらは車を担保にすることができなくなるため、審査はとても厳しくなります。
マイカーローンは総量規制の対象外とはいえ、簡単に年収の1/3以上借りることができるのは、車を担保にすることができるためで、同じような感覚でおまとめローンの申し込みを行うと、かなり高い確率で審査落ちしてしまいます。
総量規制の有無に関係なく、おまとめローンで借りやすい金額は年収の1/3までです。それを超えた金額の借金はマイカーローンであっても一本化するのがとても難しくなるということを覚えておきましょう。
おまとめローンの審査に落ちたときの対処法
おまとめローンの審査に落ちて、借金の一本化に失敗したときにまずすべきことはマイカーローンの会社に延滞の可能性について事前に連絡をしておくことです。滞納する前に連絡しておけば、返済額を一時的に減らしてもらうなどの対応をしてもらえる可能性があります。
1ヶ月延滞してしまったら車は没収されてしまいます。正確にはローンの返済が終わるまでは車の所有権はローン会社のものになっているはずですので、没収というよりは回収なのですが、いずれにしても、車はローン会社のもとに持って行かれ、それでも返済できなければ売却されてしまいます。
その後は、マイカーローンの残高から売却益と手数料などを引いて残った金額を一括請求されます。ここまでがおまとめローンを落ちてしまった人に共通する流れです。車を残したければ、何としてでも月々の返済は続けていく必要があります。
とはいえ、おまとめローンの審査に落ちているのですからお金を返すあてはありません。そんなときは金融問題に詳しい弁護士に債務整理の相談を行いましょう。
債務整理なんて大げさに感じるかもしれませんが、月々の返済額が苦しいのにおまとめローンを使えないという状態は、将棋でいう詰みの状態です。無理に足掻こうとするのではなく、傷口が広がる前に借金問題のプロに相談するようにしてください。
マイカーローンとおまとめローンの関係まとめ
マイカーローンを含めた借金の一本化は可能ですが、高額な借金になるため審査が厳しくなります。特に年収の1/3を超える金額の借金は、総量規制の対象外とはいえ、借りるためのハードルはとても高いものです。
またマイカーローンは低金利で月々の返済額も少ないため、おまとめローンを使っても、返済が有利にならない可能性もあります。せっかく一本化したのに月々の返済額がほとんど変わらないというケースもありますので注意しましょう。
マイカーローンは消費者金融を使っての一本化に向いていません。消費者金融は金利が高いため、マイカーローンの借金をまとめても、一本化のメリットをほとんど受けることができないどころか、返済状況が悪化する可能性もありますので、マイカーローンの一本化には銀行のカードローンを利用しましょう。
金融機関を選ぶときは借入可能額を必ず確認するようにしましょう。マイカーローンでは数百万円の借金を抱えている可能性があり、これに加えて他の借金がありますので、借金の総額がおまとめローンの利用限度額を超えてしまうこともありますので、その場合は利用限度額の高い金融機関を利用しましょう。
マイカーローンの借金を一本化するときは、必ず返済シミュレーションを行って、返済総額や、月々の返済額などをできるだけ詳しく計算するようにしてください。マイカーローンだけは一本化せずに、他の借金を一本化するほうが有利な返済となるようなこともあります。様々なケースを想定して自分に最適な返済方法を見つけましょう。