おまとめローンの利用ができないときはどうすれば?
いくつもの金融機関からお金を借りた結果、月々の返済が苦しくなってしまう。「そんなときに借金を一本化して返済できるおまとめローンの利用がいいよ」と聞いて申し込んだら、審査落ちしてしまい、おまとめローンの利用ができないということがあります。
ここではそんな、おまとめローンの利用ができないときの考え方や対処法について紹介します。
まずは現状把握から始めましょう
おまとめローンの審査を受けた結果、融資できないという結果になることは決して珍しいことではありません。消費者金融などの一般的なローンで、審査の通過率は50%以下ですので、審査を受けた人の半分は融資を断られて、ローンを利用できない状態です。
おまとめローンの審査に落ちたときにまずすべきことは、自分の現状を把握することです。なぜ審査落ちしてしまったのかということを分析することももちろんのこと、冷静になっておまとめローンを利用ができないと、本当に生活できないのかを見極めることも必要です。
審査落ちしてしまったことで人生の終わりのように落ち込む人もいるかもしれませんが、人によっては生活費をギリギリまで削れば、まだ返済できる可能性が高いというケースもあります。審査落ちしてしまったときに大事なことは自分の現状把握です。
すぐにでも借金の一本化をしないと破綻するという人は、正直なところ詰んでいる状態ですので、審査落ちしたところで終了です。これ以上あがいても損をするだけですので、自己破産などの債務整理を検討しましょう。債務整理については後ほど詳しく説明します。
数ヶ月くらいは持ちこたえられそうだけど、その後は厳しくなりそう…。そういう人は自分の借入状況を見直して、改善をしていく必要があります。ここではそんな人のために、おまとめローンの利用ができないときの対処法について紹介します。
おまとめローンの審査でチェックされる項目
まず知っておいてもらいたいのが、ローンの審査で何をチェックされるかということです。申し込みをしたときは何も考えずに申込書や、インターネットの申し込みページで指定された内容を記入していただけかと思いますが、その記入内容すべてが審査の対象です。
ただし、それぞれに重みがあり、これは特に重要という項目がありますので、ここではその項目について紹介します。
・ 年収
・ 勤務先
・ 勤続年数
・ 他社借入件数
・ 他社借入総額
・ ブラックリストに載っているかどうか
上記が審査時に重要となる項目です。この中で年収は多ければ多いほどいいのですが、少ないから借りることができないというわけではありません。年収が低くても、他社借入金額が少ないのであれば、融資を受けることができる可能性があります。大切なのは家計の収支バランスです。
それに対して、勤務先や勤続年数は重要です。フリーターのような安定していない職業よりも、公務員のような安定している職業の方が借りやすくなり、勤続年数も入社したばかり、転職したばかりの人よりも、同じ職場に長くいる人のほうが有利です
また借入件数が多すぎるのもよくありません。おまとめローンなのに借入件数が多いとダメってどういうこと?と思うかもしれませんが、複数の金融機関からお金を借りている人ほど多重債務になって自己破産などをする可能性が高いため、借入件数は少ないほうが有利です。
ブラックリスト入りしている人は、他の項目がどれだけ優秀でもほぼ間違いなくお金を借りることはできません。このブラックリストについては後ほど説明します。
審査が甘い金融機関はあるの?
おまとめローンの利用ができないときに「審査を受けた金融機関の審査が厳しすぎただけ、もっと審査が甘い金融機関なら大丈夫」と言う人がいますが、審査が甘い金融機関というものはありません。すでに説明しましたように消費者金融でも半数が融資できないと判断されています。
それではなぜ審査が甘いという表現をされることがあるのでしょう?それは審査で重要視する項目が金融機関によって違うことと、金融機関の営業方針の違いで、A社は審査に通りにくいけど、B社では借りることができたというようなことが起こるためです。
B社で借りることができたのはたまたまかもしれませんが、借りる側にしてみれば「簡単に借りることができた」=「審査が甘い」という噂となって広まっていきます。実際に借りやすい金融機関はありますが、それと審査が甘いは同じではありませんので気を付けてください。
審査が厳しいとされるのが銀行で、審査に通りやすいのは消費者金融です。銀行は低金利ですので、リスクの高い貸付をしないため審査が厳しくなり、消費者金融は高金利で、貸し倒れされることもある程度考慮しているため、手広く貸し付けるため審査に通りやすいという特徴があります。
このため、銀行で融資できないと断られた人は、次に消費者金融の審査を受けるという流れが一般的です。ただし繰り返しになりますが、審査が甘いということはありませんので、そのことだけは頭に入れておきましょう。
おまとめローンの利用ができない理由
それではおまとめローンの利用ができないという人が、なぜそうなったのかについて説明します。まず基本的な考え方としては、金融機関から見て「貸したお金をきちんと返してくれない可能性が高い」と判断されているという認識から始めましょう。
どういう人を返済できない人と判断するかは金融機関によって変わりますが、すでに紹介した審査項目に引っかかる人は、過去のデータから返済できない可能性が高いとされ、審査落ちすることになります。
例えば、無職やフリーター、個人事業主のような収入が安定しない人は、金融機関がお金を貸したくない職業で、また正社員でも勤続年数が1年にも満たない人も、会社を辞めてしまうおそれがあるため、融資できないと判断される対象です。
他社借入件数が4件以上ある人は、多重債務者となる可能性が高く、借入総額が年収の1/3を超えているような場合も、審査ではかなり厳しくチェックされます。ブラックリスト入りしている人は言うまでもなくお金を貸してもらえることはありません。
これらの項目1つだけ問題があるだけで審査落ちすることもあれば、総合的に判断して融資できないと判断されることもあります。ということは、この点を改善すればおまとめローンの利用ができるようになる可能性がアップします。
2社目の審査を受ける前にしておくべきこと
1社目の審査に落ちてしまったとき、慌てて別の金融機関で審査を受けようとする人がいますが、できれば一度落ち着いて、融資できないと判断された理由を分析しておくことが重要です。闇雲に審査を受けても、審査落ちを繰り返すだけです。
勤続年数を長くする
勤続年数が11ヶ月だけど、ほとんど12ヶ月だから大丈夫。そう思って審査を受ける人がいますが、審査という点において、11ヶ月と12ヶ月の間には大きな壁があります。もし勤続年数が1年に満たない場合は、確実に1年経過するまで審査を受けるのを待つようにしてください。
借入件数を減らす
4,5社から借り入れをしているとそれだけで、融資できないと判断されることがあります。無計画にお金を借りていると判断され、多重債務者になる可能性が高いためです。おまとめローンの審査は借入件数が少なければ少ないほうが有利です。
返済に余裕があるようでしたら、繰り上げ返済などを利用してできるだけ借入件数を減らしておきましょう。3社以内に収まればおまとめローンの利用としては許容範囲です。
借入総額を減らす
年収に対して借入総額が多い場合も、返済が長期化したり、返済困難になったりする可能性が高いため、おまとめローンの審査に落ちてしまいます。すぐにでも借金の一本化をしなければ破綻するというのでなければ、借入総額が年収の1/3以下になるまで借金を減らしてから2社目の審査を受けましょう。
審査を通過させるためのポイント
おまとめローンの審査は審査項目の内容によってチェックされますが、実はそれ以外にもありがちなミスによって審査落ちするようなことがあります。ここでは、審査を通過させるために気を付けたいポイントについて説明します。
申告内容にミスがないようにする
そんなことないと思うかもしれませんが、申込用紙などへの記入ミスで審査落ちすることがあります。勤務先の電話番号が間違っていて在籍確認ができないことや、借入総額の桁を1桁間違って記載したことで、審査落ちにつながることがよくあります。
ちょっとしたケアレスミスで、借りられるはずのお金を借りることができなくなることもありますので、申し込みをするときは何度もミスがないかチェックするようにしてください。できれば、家族や知人にも確認してもらうと記入ミスの確率を下げることができます。
おまとめローンであることを告げる
おまとめ専用ローンの場合は、気にする必要はありませんが、銀行のカードローンなどをおまとめローンとして利用する場合は、使用用途に「おまとめローン」と記入するようにしてください。知られたくないからと言って、適当な理由で申告すると利用限度額を下げられてしまうことがあります。
また「他社からすでにお金を借りているのに、まだ借りるの?」と思われるのと、借金完済のためのおまとめローンでの借り入れとでは金融機関に対する印象がまったく違います。使用用途を記載する欄がない場合は、申込確認の電話が来たときに、必ず告げるようにしてください。
ブラックリストに載っているかもと思ったら
おまとめローンの審査を受けて、審査項目に問題がなさそうなのに審査に通らない。もしかしたらブラックリストに入っている?そう思ったときは、自分がブラックリストに入っているかどうかの確認をしましょう。
実際にブラックリストというリストがあるわけではなく、個人信用情報機関といわれるいくつかの機関で個人のお金の貸し借りを管理しています。その情報の中に延滞などの情報が掲載されているとブラックリスト入りしているとされ、お金を借してもらえません。
この個人信用情報機関の情報は、本人であれば開示請求ができますので、下記機関に開示請求を行ってください。開示請求方法は各機関のホームページで確認することができます。
日本信用情報機構(JICC)
全国銀行個人信用情報センター(JBA)
CIC
最近は携帯電話の本体料金を分割払いしている人が、携帯電話料金の支払いを延滞したために、ブラックリストに入ってしまったというケースが増えています。思い当たる節がある人は、まずはブラックリストに入っていないかの確認をしましょう。
ただし、開示請求をしたことも記録に残ってしまいますので、この場合は金融機関が開示請求をしたことまで分かってしまいますので注意が必要です。開示履歴によって金融機関は「危険な人かも」と不安視される可能性もありますので、本当に困ったときだけ行うようにしましょう。
自己破産などの債務整理を考える
おまとめローンを利用できない場合に考えなくてはいけないのが債務整理です。もちろん借金の一本化をしなくても余裕を持って返済できる人であれば問題ありませんが、そうではなく月々の返済が苦しいという人は、完全に行き詰まっている状態だと認識してください。
自分はまだ返済できると思っていても、金融機関からすると返済できない可能性が高い人という判断をされたわけです。3社目の審査に落ちたら、無理に巻き返しを図ろうとするのではなく、自己破産などを含めた債務整理を検討してください。
1ヶ月以内に4社目以降の審査申し込みをすると、申し込みブラックという状態になってしまいますので、まず審査に通る可能性はありません。3社目で融資できないと判断されたら、すぐに弁護士に相談するか、法テラスなどに行って相談をするようにしましょう。このタイミングが遅くなればなるほど打てる手がなくなっていきます。
債務整理には任意整理や個人再生、そして自己破産などのいくつかの種類がありますが、どの方法がいいのかは弁護士が判断してくれます。もちろん自分の意見も聞いてもらえますので、まずは相談してください。
債務整理をすることを避けたいと思う人もいるかもしれませんが、債務整理は法律で定められた権利です。返済できないのに無理して泥沼にハマっていくのではなく、どこかで自分で見切りをつけて、借金を整理することも考えましょう。
基本はコツコツ返済を続けること
もし、おまとめローンを使わなくてもなんとかして返済できそうなら、審査落ちしてもコツコツ返済を続けるようにしてください。半年や1年という返済実績を積み重ねていくことで、金融機関に対する信用も増えていくため、再度審査を受けたときに融資を受けられる可能性が高まります。
借りたお金ですから返すのが当然です。生活を見直して贅沢をやめることで、生活は苦しくても返済できそうならまずはその方向で進めていきましょう。返済を継続することで借入件数も減っていくため、再度の審査で有利になるというメリットもあります。
ポイントはこれ以上の借り入れをしないということです。まずお金を借りるという習慣をストップさせて、あるお金でなんとかするという習慣を身につけてください。同時に可能であれば毎月1000円でも2000円でも貯蓄してください。
返済に追われていると、いざという時のお金が不足します。いまはギリギリ返済できていても、ちょっとバランスが崩れるだけで、奈落の底に落ちてしまうような状態ですので、何かあったときのお金も用意しつつコツコツ返済を続けましょう。
それでもどうにもならなくなったときは、まずは金融機関に相談して、返済額の見直しなどをしてもらいましょう。コツコツ返済をしていれば、返済計画の立て直しに応じてもらえることもあります。それもできなくなったら、上記にあるように弁護士に相談して債務整理を検討しましょう。
おまとめできないときのまとめ
おまとめローンの利用できないとき、気持ちは焦ってしまいますが、まずは落ち着いて現状把握から行いましょう。審査落ちした理由を分析して、改善できる点は改善した上で、もう一度審査を受けるようにしてください。
審査の甘い金融機関というものはありませんが、一般的に銀行よりも消費者金融のほうが、幅広く集客をしていますので、銀行の審査に落ちた人は消費者金融での審査に切り替えましょう。金利が高いというデメリットはありますが、大切なのは返済を続けるための環境を整えることです。
1ヶ月間で審査を受けられるのは3社が限度ですので、2社目を受ける前にはしっかりと自分借入状況を改善しておきましょう。勤続年数を1年以上にしたり、借入件数を減らしたりすることで、金融機関が貸付しやすい人を目指してください。
おまとめローン目的の借り入れであることを伝えておくことと、申し込み時に記入ミスがないように何度もチェックすることも大切です。ケアレスミスなどで借りられるはずのお金を借りられないというのはもったいないことです。申し込みは細心の注意を払って行いましょう。
おまとめローンの利用ができないと判断されても、生活の見直しでなんとか返済できるのであれば、コツコツ返済を続けるようにしましょう。半年や1年経過したときに再度審査を受けると、返済実績から融資を受けられる可能性があります。またどうにもならないと判断したら、できるだけ早くに弁護士に相談するようにしましょう。