おまとめローンの正しい利用方法と返済方法
おまとめローンとは?
おまとめローンとは、多重債務者(複数の会社からお金を借りている状態の方)に対応した「借り換えローン」のことで、借金の一本化が可能となるありがたい手段です。
実は多重債務で困っている方はあなただけではありません。その需要は大きくなる傾向にあり、銀行・信販会社・消費者金融などの各社から商品が発行されています。従来からすると選択肢も多くなっているので、自分の条件に見合った商品をいかに慎重に吟味するかが正しい利用方法のキモともなります。
おまとめローンの人気の秘密
おまとめローンによって借金を一本化に借り換えすることでどんなメリットがあるのでしょうか?大きく3つの理由があります。
・金利を安くする
・返済日を1本化できる
・月々の返済額の見直し
以上の3つが大きなポイントとなります。基本的に各社から発行されているおまとめローンは、年率金利が3%~15%くらいが相場。まとまった金額を借り入れすると金利は安くなるので、消費者金融や銀行などが発行する商品の中でも“一般商品(おまとめ向きでないカードローンなど)”で借り入れするより半分以下の利息になることが期待できます。
また、複数社から借り入れしていると返済日もマチマチ。これを一本化することで、月々の返済額もクリアにすることができます。自分に合った月々の返済額も設定することができるので、無理のない返済計画を立て直して一から出直すのにも良いチャンスです。
おまとめローンを使った返済方法紹介
返済方法で事前確認すべきこと
商品選びで一番大事なのが金利ですが、「借り入れ限度額」と「借り入れ期間」も見逃せない重要条件です。自分が借りたい金額以下の借り入れしかできないと、一部が高い金利のまま並行するカタチとなってしまいますし、一本化のメリットも損なうことになるので注意が必要です。
また、借入期間が短いと、月々の支払い額が多くなってしまい、今よりも無理を生じることとなってしまうので、最初の契約の段階で返済方法には十分気をつける必要があります。
シミュレーションで返済をイメージ
金利が〇%、月々の返済額がいくらといったところで、数字が絡むと完済までの全体イメージをつかむのは困難です。そこで重宝するのが「返済シミュレーション」です。各会社のホームページなどで、詳細を入力すると完済までの全体像を把握することができますので、大いに活用しましょう。
変動金利に注意!
返済方法で注意しなくてはいけないポイントがあります。まず、金利の種類が「固定金利」か「変動金利」かということ。固定金利の金利率は返し終わるまでまで基本的に一定ですが、変動金利は借り入れした後に率が上下するので、返済計画が不安定となってしまいます。返す方法を決める際のヒントにしましょう。
おまとめローンの返済で得するケース紹介
繰り上げ返済
おまとめローンは従来、最初の契約で返済スケジュールを組み立てた後では追加返済ができないことが主流でした。しかし、最近では「繰り上げ返済」と言って、ボーナス払いや自由入金などによって、支払いのスパンを縮めることができるタイプの商品も増えています。
早期に支払ってしまえば、その分だけ利息も減らすことができるお得な繰り上げ返済のメリットは、金利が少なくなるだけではありません。早く借金をなくしたいと積極的な方にとっては、返済意欲も高まり、無駄使い防止にも効果覿面な返済方法なのです。
お得な返済シミュレーション例
例えば、50万円を1年間、消費者金融で借り入れした場合の金利はどのくらいだと思いますか?最高金利でもある18%で算出すると9万円にも及びます。しかし、同条件で1か月で返済したとすると利息はたったの7000円程度ですみます。
わかりやすく極端な例を取り上げてみましたが、このように返済期間によって金利額は大きく変わります。たかが11か月違うだけ80000円強の利息の違いが発生します。少しでも早期返済を頭に入れて取り組むことで、どれだけお得になるかがお分かりいただけるかと思います。
また最近、大手消費者金融では、1か月以内の返済なら無利息をウリにしている会社もチラホラありますので、返済期間によってうまく借入先を使い分けるのも、賢明な手段です。
追加借り入れ防止
おまとめローンは返済専用のもの(そうでないものも増加中)が主流なので、追加の借り入れをしたくなる欲求の歯止め効果もあります。借入審査に通過してしまうと、ついつい安心して更に借り入れを追加したくなる衝動にかられることもあります。そんな方にはおまとめローンは賢い返済方法として打ってつけです。
おまとめローンの返済で損するケース
返済期間の長期設定
せっかく低金利のおまとめローンに契約することができても、返済期間を長く設定してしまうとトータル額が多くなってしまうケースもあるので注意が必要です。
損する返済シミュレーション例
例えば、A社から60万円 B社から40万円 C社から30万円借りていたとしましょう。いずれの会社も消費者金融で、金利が18%。返済期間が3年だったとします。トータル返済額130万円ですね。これらを金利15%のD社のおまとめローンに移行した場合、返済総額は5万円も安くなる約125万円という算出結果になります。
しかし、返済期間を5年以上など長期設定にしてしまうと、ほとんど変わらないかそれ以上になってしまいます。いざ契約の詳細といった時に、月々の返済額をなるべく少ない金額にと甘んじてしまうのは当然ですが、“過度な甘えは要注意”です。できるだけ早期返済に努めるようにしないと却って損することにもなり兼ねません。
おまとめローンを使って返済額を減らす方法
返済額を減らすメカニズム
おまとめローンに借り換えをすれば、今よりも返済額を減らすことが可能です。ここで注意しておきたい事が、おまとめローンに切り替えることによって借金の元本が減るという訳ではありません。ですが、トータルの支払い額が数段にさがります。なぜでしょう?
借金のトータル額が少なくなる要因は、金利です。金利が安くなることによって借金の返済額を減らすことができます。ですので、どのくらいの固定額が減額になるかということでなく、金利がどのくらいになるのかということなので、減額する金額はケースバイケースです。返済額を減らすには金利が注目ポイントです。
金利に注目
金利が下がることで返済トータル額が減るというメカニズムはお分かりいただけましたでしょうか?ではどうすれば金利の減額にたどり着くのでしょうか?商品によってはもちろんのこと、借入額や返済期間などによって金利は大きく変わります。
ちなみに金利は借入額が大きいほど低金利となります。物を買う場合にまとめて購入すれば割引になりますよね。それと一緒で、おまとめローンの場合は100万円が低金利への大きなボーダーラインとなります。100万円以下ですとそんなに低金利は期待できませんが、200万円300万円のレベルになると、銀行金利も一ケタ代とする商品が多くあります。
おまとめローンの注意点
「おまとめローン詐欺」に要注意!
借金に悩む方の足元を見る「おまとめローン詐欺」と言われる悪徳業者に要注意です!実際にある手口を簡単に説明しましょう。
まずは、悪徳業者に足を突っ込んでしまう扉のひとつはチラシ。悪徳業者は固定電話を持っていないのが特徴のひとつで、処分しやすい「プリペイド携帯電話」などのツールを使います。店頭や郵送などで手付金などを回収したら電話を不通にしてしまうという流れです。
訴えたいところですが、本格的に調査するのも費用がかかります。大きな借金に比べたらそれほど多額なお金でもないので泣き寝入りする人がほとんどです。おまとめローン詐欺は、警察に訴えられないと見据えたライン(数万円程度)を突いてくる巧妙な手口なのです。信用ある貸金業者ならチラシで宣伝することは滅多にありませんので、その時点で怪しいと思うのが必然です。
部分借り入れに注意!
おまとめローンでも全額借り入れできずに一部金しか借り入れできないこともあります。100万円以上の高額な借り入れによく見受けられます。今の状態よりも金利が安くなれば契約するのもひとつですが、そうでなければトータル的に考えて“手続きの手間が増えるだけ”というケースもあるので、どうしたら得なのかよく考えてから契約しましょう。
おまとめローンの審査基準
おもな審査基準
おまとめローンの審査を受けるためには審査基準を満たさなくてはいけません。各社によってもその基準は様々です。ではどんな条件が提示されているのかざっと説明しましょう。
・年齢制限
・年収制限
・雇用制限
・勤続年数
・借り入れ社の数
・借り入れ総額
・ブラックリスト
・申込みブラック
これらが代表的な審査基準の要素となります。どんなに年収が多くとも年齢を満たしていなければ対象外ですし、借り入れ総額が少なくとも、借り入れ社数が多ければ門前払いといったケースもあります。基本条件を満たしていなければ、勝ち目のない戦いにいどむようなもの。時間の無駄にもなり兼ねませんので、基本条件は必ずおさえましょう。
申込みブラック
審査基準で門前払いになってしまう可能性で「申込みブラック」といわれるものがあります。これはブラックリストとはまた違ったブラック対象です。自分からはあまり見えにくいことなので説明しておきましょう。
「1ヶ月以内に金融業者の申込みを立て続けに3社以上してしまう」と申込みブラックにエントリーしてしまいます。なぜかと言いますと、それだけ頻繁に申込みをするということは、よほどお金に困っているという判断を受けてしまいます。キッツキツの状態で借り入れする方の完済率が著しく乏しいというデータに基づくものです。
この情報は、指定信用情報機関(CIC)などの個人の金融取引情報網によって、すぐにわかってしまいます。とくに悪いことをしているわけではないのに非常にもったいない制限を受けることになってしまう危険性があります。過度な申し込みには十分気をつけ、ここぞという会社を慎重に決めて申し込みましょう。
おまとめローンの選び方
おまとめローンは専門商品だけではない
おまとめローンに特化した専用商品も多く発行されていますが、とくに専門商品として発行していない金融業者もあります。ですが、銀行カードローンをはじめ、おまとめローンとして利用可能な借り換えに対応した商品も多く存在します。おまとめローン商品の見極めには、ネーミングだけでなく“借り換え一本化に対応している商品”かどうかを読み取ることも重要です。
また、おまとめローン専用商品でしたら問題ありませんが、多様なニーズに対応している商品に申込む際には、「おまとめローンの借り換えとして活用したい由」を伝えなくてはいけません。そうでないと、複数の社から借金しているのに更に借金したいのかと誤解を招く事にもなり兼ねませんので注意が必要です。
保証会社の数で選ぶ
銀行のおまとめローン商品は、審査が厳しいのが特徴です。ホームページなどで、提携している保証会社(審査会社)の記載を見つけることができます。ここで注目したいのが保証会社の数。保証会社が1社の場合と2社の場合があります。これは銀行によっての方針ではなく、同じ銀行でも商品によって保証会社数が異なります。
さて、どちらの方が審査が厳しいと思いますか?1社の審査よりも2社の審査の方が厳しいと思う方も少なくないと思います。でも実は逆なんです。1社目に通過しなくとも2社目で再審査を行うことで通過できるチャンスが2回与えられるというニュアンスです。そのうちのどちらかの会社のカード利用が過去にあり、問題の無い利用履歴ならば、優遇される可能性も高くなるようです。
おすすめのおまとめローン紹介
オリックス銀行
低金利、審査の柔軟さと、トータル的に好評なオリックス銀行。おまとめローンに特化した商品はありませんが、「オリックス銀行カードローン」がおまとめローン利用としておすすめです。最高借り入れ限度額は、800万円で、300万円以下でしたら所得証明書不要です。
金利率は、1.7%~17.8%、月々の最低返済額は、借入残高30万円以下の際に7000円からとなっています。審査期間は最短即日というスピーディーさに加え、契約後の即日融資も可能です。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は、借り換え可能でおすすめの『スルガ銀行カードローン「したく」』がおすすめです。これはゆうちょ銀行の自社商品ではなく、スルガ銀行のローンを代理業者として媒介するカタチです。
最高借り入れ限度額は500万円で、初回の融資に限っては300万円までとなっています。金利は年7.0%~14.9%と比較的高めですが、信頼のあるゆうちょ銀行が窓口ということもあって人気の商品です。
アイフル
消費者金融の部類となる『アイフル』。おまとめローン専用商品となる「かりかえMAX」や「おまとめMAX」がおすすめです。借り換えMAXなら最高借り入れ限度額は1万円~800万円。金利は3.0%~17.5%です。
業界の中でも審査通過が甘と定評がります。逆にここの審査に通過しなければ債務処理の方向性を考えた方が良いという声もあるほどです。
おまとめローンの関するQ&A
いくつかおまとめローンに関するよくある質問を取り上げてみましたので参考にしてみてください。
Q 業者から担保の要求をされることはありますか?
A 無担保融資が基本です。もし、担保の請求を受けたら悪徳業者と疑ってもいいでしょう。
Q おまとめローンとカードローンの違いは何ですか?
A 大きな違いは追加の借り入れができるのがカードローンで、返済専用のローンがおまとめローンです。
Q おまとめローンはどんな人が使えるのですか?
A 多重債務者が利用できる商品です。複数社からの借金をひとつにまとめることで低金利・返済日の簡素化・月々の返済金額の見直しなどを目的としたものです。
Q おまとめローンは総量規制の対象ですか?
A 基本的に総量規制の対象ではありません。とくに銀行は総量規制の対象外となり、消費者金融の無謀な貸し出しに歯止めをかけるために出来た規制です。しかし、最近では消費者金融でもおまとめローン対応商品を発行しており、それに関しては総量規制の対象とはなりません。
Q 悪徳業者を見抜く方法はありますか?
A 貸金業を営業するには、「内閣総理大臣」や「都道府県知事」の許可が必要となります。許可を得たら登録することが義務付けられており、各機関で登録内容を確認できますので、もし怪しい業者と感じたら事前に確認するのもひとつです。
Q おまとめローンの返済方法は引き落としですか?
A 返済方法は、会社によってもマチマチです。引き落としや振込みなど、事前に確認しておきたいポイントです。
おまとめローンの返済を中心にまとめてみました。契約する際には、月々の返済額をはじめ、返済期間などもとても重要!金利トータル額を事前にシュミレーションして把握することも是非おすすめします。