おまとめローンを利用して、借金の返済を進めていても、「どうしてもお金が必要」ということはよくあります。
そんなとき、「追加融資は受けられるのか?」、「他社でカードローンを契約してもいいのか」と気になります。
この記事はそんな疑問にお答えするために、おまとめローン利用中の借り入れや追加借入をするためのポイントを紹介します。
規約によって禁止している金融機関もあるので、しっかり調べてからでないと一括返済を求められてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、この記事を読んで基本的なルールを知っておきましょう。
おまとめローンは追加借入ができない
先に結論をお話すると、おまとめローンは追加融資を受けることは基本的にできません。
一般的に「おまとめローン」とされているものには、以下の2つがあります。
- おまとめ専用ローン
- カードローン
この2種類は、基本的に消費者金融がおまとめ専用ローンで、銀行がカードローンだと考えておけばほぼ間違いありません。
しかし銀行の中でも、東京スター銀行のおまとめローンのように専用ローンを用意しているところもあります。
おまとめ専用ローンはその名の通り、借金を一本化するために借り入れをするための商品で、その他の用途に使うことはできません。
生活費が不足したからといって、おまとめ専用ローンで借り入れしたお金を使うことはできません。
本商品はご返済のみとなります。追加のお借入はできません。
カードローンは事業用でない限り、使用用途を問われることはありません。きちんと返済期限を守って、利息も払っていれば借金の返済以外で借り入れすることも認められています。
基本的にはおまとめ専用ローンの追加借入はNGで、カードローンは追加借入が可能です。
ただし、それも金融機関との契約内容によっても変わってきますので、さまざまなパターンが考えられます。
多様化してわかりにくくなっていますので、ここから一つひとつ紐解いていきましょう。
カードローンで一本化すれば追加融資・借入可能
まずは仕組が簡単なカードローンを、おまとめローンとして利用するケースについて解説します。
カードローンは借入限度額というものが設定されています。一本化したい借金が200万円あったとしたら、借入限度額を200万円にしてお金を借ります。
この時点では追加融資を受けることができないのですが、返済を繰り返していると、借入限度額と返済残高に差が発生します。50万円返済済みであれば、返済残高は150万円で借入限度額は200万円です。
カードローンの場合は、この状態になれば50万円の追加借入ができます。
借入限度額の範囲であればいくらでも借りることができるのがカードローンの特徴です。月々の返済額は変わりませんので返済期間は延びていきますが、追加での借り入れが可能です。
ここまでのまとめ
おまとめローンには「専用ローンを使う方法」と「カードローン」を使う方法があることがわかりました。専用ローンは追加借入が不可、カードローンは追加借入が可能という違いがあります。
つまり、追加融資を受ける可能性があるなら、カードローンを使って借り換えをした方がいいということになります。
この基本情報が理解できたところで、次章では「おまとめ専用ローンを契約しているけど追加借入をしたい」という人が知っておきたい情報を紹介していきます。
おまとめローン契約中に追加借入をする方法
おまとめ専用ローンというのは、基本的に追加借入ができません。
しかしそんな中でも、以下の3つの方法を使えば追加借入が受けられます。
ここでは、それぞれの方法を詳しく紹介していきます。
- 別途カードローンを契約する
- 追加借入可能のおまとめローンを契約する
- おまとめローンで返済した他社のカードローンを利用する
方法1.別途カードローンを契約する
おまとめローンを契約していても、別途カードローンを契約することは可能です。しかしそのためには、以下2つの条件をクリアする必要があります。
条件1 | 契約しているおまとめローンでカードローン契約が禁止されていないこと |
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条件2 | おまとめローンの借入残高を申告した上で審査に通過すること |
おまとめローンの中には、ローン返済中に他社から借入することを禁止しているものがあります。
その場合、バレたら一括返済を求められる可能性があるので十分注意しましょう。
また、カードローンを契約する際にはおまとめローンを契約していることを申告する必要があります。
審査の際には「他社借入額」を申告しなければいけないので、数百万円の借金がある状態で審査に通過しなければいけないのです。非常に厳しい審査となるため、借りられたとしても数十万円程度となるでしょう。
方法2.追加借入可能のおまとめローンを契約する
おまとめローンの中には、返済中に追加借入が可能なものがあります。
- 借り換え以外の用途でいくらか借りられませんか?
- 当初お借り入れ額は、お借り換えになるローンの総額以内に限ります。
ご返済が進み、ローン残高が「ご利用限度額」未満となった場合、ご利用限度額の範囲内で追加のお借り入れが可能です。その場合、資金のご利用目的はお借り換えでなくてもかまいません。
こうしたローンを契約しておけば、返済中にちょっとお金が足りないときに助かります。
方法3.おまとめローンで返済した他社のカードローンを利用する
おまとめローンの基本的な仕組みとしては、複数社で借りているローンの合計額を、1社から借りてまとめることです。
借りたお金で他社のカードローンを返済することになるので、返済したカードローンは利用残高がゼロになります。
つまり限度額まではまたカードローンが使えるのです。
しかし、おまとめローン契約の条件に「他社のカードローンは契約すること」というものがあれば、この方法は無効です。
これらの方法のいずれかで、おまとめローンを使って借金を返している途中でもお金を借りることが可能です。
またクレジットカードを持っている場合、クレカキャッシングを使うというのも一つの手です。
追加借入の可否を決める「総量規制」に注意
おまとめローンの契約中であっても、追加借入ができることはわかりました。
しかし、消費者金融で追加借入をするなら総量規制に気をつける必要があります。
総量規制とは
総量規制は年収の1/3以下のお金しか貸付をしてはいけないという規制です。
ポイントは借りてはいけないというのではなく「貸付をしてはいけない」ということで、金融機関がきちんと管理して総量規制以上のお金を貸さないようにしています。
ただし対象は貸金業者のみで、銀行からの借り入れは総量規制の対象外です。おまとめローンでの借り入れも総量規制の対象外ですが、おまとめローンで借り入れしたお金は総量規制の対象です。
少しややこしいですが、「おまとめローン契約後は総量規制を気にする必要がある」ということです。
追加借入の際は総量規制にかかる可能性がある
総量規制の対象である消費者金融であっても、おまとめローンは規制の対象外です。
これは借りる人にとって一方的に有利な融資というのが理由です。
そのため年収の1/3以上の金額でもおまとめローンを契約することが可能となっています。
しかし、一度おまとめローンを契約したら、そこで借りたお金は自分の「借金」としてカウントされます。
例えば、年収300万円の人が200万円のおまとめローンを契約していれば、すでに年収の1/3を超えていることになります。
追加借入をしようと思っても、消費者金融はこの時点でアウトとなります。銀行のカードローンなら可能性はあるかもしれませんが、近年審査が厳しくなっているので追加借入は難しいでしょう。
一見、おまとめローンと総量規制は関係ないように見えますが、追加借入のことを考えたときは総量規制を気にする必要があると覚えておきましょう。
おまとめローンを選ぶときのポイント
おまとめローンには専用ローンとカードローンの2種類があると説明しました。
専用ローンは返済専用のため追加借入が不可、カードローンは限度額の範囲内であれば可能というのがここまでのまとめです。
これを考慮して、「今後追加借入をする可能性があるかどうか」が、おまとめローンを選ぶときのポイントとなります。
完済を目指しているから絶対に借金はしないと決めている人は、返済専用のおまとめローンがオススメです。
しかし、もしかしたら追加でお金を借りたいかもしれないと思う人は、カードローンがオススメです。
もちろん、金利や限度額といった基本的な比較基準も忘れるわけにはいきません。
追加融資は泥沼化の最初の一歩
この記事では、おまとめローン契約中の追加借入について紹介してきました。
基本的にはお金を借りる方法を紹介していますが、大前提として身の丈に合わない借金はオススメしません。
お金が足りなくなる前にすべきこと
おまとめローンは多重債務を解決するための方法です。
何度も追加借入をしていれば多重債務の状態は改善せず、借金が膨らんで自己破産となってしまう可能性もあるのです。
まずは生活費の見直しを行って、必要以上にお金を使わない生活に切り替えていく必要があります。
ブランド品を買い漁ったり、流行の服を何着も買ったりする生活から抜け出して、真面目にコツコツ返済することだけに集中しましょう。
追加借入は緊急時に行うもの
返済中にお金を借りるのは、どうしようもない想定外の出費があったときだけです。
ただし借金をするという感覚が薄れていると、「どうしようもない想定外」のハードルがかなり低い傾向にあります。
例えば友人の結婚式に呼ばれたとき。ご祝儀のためにどうしても3万円必要になり、2次会やメイクアップなども含めて5万円どうしても必要と考える人が、借金の泥沼にハマっていく人です。
おまとめローン利用中でその5万円を自分で用意できないなら、二次会は不参加とするくらいの強い気持ちを持ちましょう。
借りたお金を返さないうちに新規にお金を借りるということは、異常なことだと考えて可能な限り避けるようにしましょう。
まずは何よりも返済です。
借金の返済中は自分自身に厳しくして、これ以上の借金をしなくていいように、返済をしながら貯金も行うようにしてください。
新規の借入ができないときの対処法
おまとめローンの規約で新規の借り入れを受けられないようなケースでは、金融機関に頼ることはできません。
そんなときはまず自分の資産となるものを売ったり、質に入れたりすることでお金を作る工夫を行いましょう。
日払いのアルバイトも仕事を選ばなければいくらでもあります。
お金を借りるという視点を捨てて、お金を稼ぐという方法を考えるようにしてください。
それでもお金を用意できない場合は、おまとめローンで利用している金融機関に相談してください。お金が必要な理由によっては対応してもらえることもあります。
金融機関にしてみると、債務整理されることが1番避けたいことですので、可能な範囲で対応してもらえます。
ただし、絶対に対処してもらえるわけではありませんので、この場合の選択肢としてはやはり債務整理しかありません。
任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理で、どれを行うべきか弁護士が判断してくれますので、おまとめローン中に新規の借り入れができずにお金に困ってしまった場合は、そこが限界です。
諦めて債務整理の相談を弁護士に行うようにしてください。
まだなんとかなると思って闇金に手を出す人がいますが、闇金からしか借りられない段階はもうどうにもならない状態です。
そこから抜け出すことができなくなってしまいますので、闇金は絶対に利用しないようにしてください。
おまとめローン利用中の借入のまとめ
- おまとめローンは追加借入ができない返済専用のローン
- カードローンで一本化すれば、限度額の範囲内で追加借入が可能
- 追加借入は契約するおまとめローンによっては禁止されていることがある
- おまとめローン契約金額が年収の1/3を超えていると追加借入できない可能性がある
- 追加借入は多重債務の入り口になるので、できるだけ自己資金で解決を目指す
おまとめローンは多重債務を解消するため、今ある借金を低金利なローンに借り換えて一本化することです。
メインの目的は「借金を返済すること」なので、基本的におまとめローンは追加借入ができないものとなっています。
どうしても借入をしたい場合は、限度額の範囲内なら自由にお金が借りられるカードローンを利用して借金を一本化しましょう。
しかし、追加借入を繰り返すと借金が減らないため、適度な利用に留める自制心が必要です。
まずは借金を1円でも減らせるように、無駄遣いを減らしたり収支の見直しを行うことをオススメします。