おまとめローンは年収以上借りられる?
借金を繰り返すことで、いつの間にか負債が年収を超えてしまったという人。なんとか多重債務を抜け出したいのではないでしょうか?
借金を減らすためには以下の3つが重要です。
- 現在の借金の額を正確に把握すること
- 毎月の返済日をまとめてわかりやすくすること
- 低金利なローンに借り換えて借金額を減らすこと
これを全て可能にしているのが、おまとめローンです。おまとめローンは年収以上の借入であってもできるため、借金を減らしたい人にとっては特効薬のようなもの。
しかし借金は額が大きくなるほど審査が厳しくなるのが常識です。
そこでこの記事では、年収以上の借金をまとめるために覚えておきたいポイントをわかりやすく紹介。
審査に通過しやすくなる方法も紹介しているので、最後まで読むことで高額なおまとめローンも契約しやすくなります。
年収と総量規制の関係
年収以上のおまとめローンが契約できると聞いて、少し詳しい人なら「総量規制はクリアできるのか」と疑問を抱くはずです。
そこで本章では、総量規制の条件も含め、年収とおまとめローンの関係についてまとめてみました。
総量規制とは?
総量規制をカンタンに説明すると、「金融業者は個人に年収の三分の一以上のお金を貸すことはできない」というものです。
これは、アコムやアイフルなどでも知られる消費者金融(サラリーマン金融)を、主な対象として規制されているものです。多重債務に陥る人を1人でも減らすことを目的とされています。
とはいえ、かつては総量規制対象外で年収以上の借金ができた銀行も、総量規制と同等の自主規制を設ける流れが加速しています。
金融庁が18年8月に公表したメガバンクや地方銀行など108行に対する調査では、融資上限枠を設定した銀行も申し合わせ前の約5割から9割まで増加した。
ただ、上限は年収の2分の1が59行と大半を占め、貸金業者と同等の3分の1は9行にとどまる。上限枠がない銀行も13行あった。
銀行でも年収の1/3から1/2以上の貸し出しはしない方針が打ち出され、個人が年収以上の借金をするのは非常に難しくなりました。
おまとめローンは総量規制の影響を受けない
ここまでの解説を見ると「年収より多い借金はできないんじゃないか」と不安になります。
しかし、おまとめローンは総量規制の対象外となっているのです。
複数の借入れを一本化する、いわゆる「おまとめローン」は、法令が規定する一定の条件を満たせば、「顧客に一方的有利となる借換え」として総量規制の「例外貸付け」に該当し、貸金業者から年収の3分の1を超えて利用できる場合があります。
つまり、消費者金融であっても借金の一本化が目的であれば年収以上の金額が借りられるのです。
総量規制の大前提は「多重債務で苦しむ人をなくす」ことです。おまとめローンは利用者にとってメリットしかないため、総量規制の対象外となるのです。
ここまでの説明で、おまとめローンを契約するなら総量規制は気にしなくていいことがわかりました。
安心して借金を減らせることがわかったところで、次章では「いくらぐらい借りることができるのか」を紹介していきます。
おまとめローンで借りられるのはいくら?
年収を超える額を借入可能と知っても、具体的にいくら借りられるのかは知っておきたいところ。
そこで本章では、消費者金融と銀行に分けて、おまとめローンでいくらまで借りられるのかという目安を紹介していきます。
消費者金融のおまとめローンで借りられる金額
消費者金融で借金をまとめる場合、各社の限度額を知っておく必要があります。各社のおまとめローン限度額は以下の通りです。
消費者金融名 | 限度額 |
---|---|
プロミス | 300万円 |
アイフル | 800万円 |
アコム | 300万円 |
この表からわかるように、消費者金融のおまとめローンは限度額が300万円に設定されていることが多いのです。
つまり、年収がいくらあっても限度額の方が低ければ意味がないということ。
もし借金が300万円以上ある場合、アイフルか銀行を使って借金の一本化をするしかありません。
銀行のおまとめローンで借りられる金額
銀行カードローンを使って借金を一本化する場合、各銀行の限度額を知っておく必要があります。
銀行名 | 限度額 |
---|---|
みずほ銀行 | 800万円 |
三菱UFJ銀行 | 500万円 |
三井住友銀行 | 800万円 |
りそな銀行 | 800万円 |
東京スター銀行 | 1,000万円 |
東京スター銀行は借金の一本化専用のローンを用意しているため、限度額は高めです。
それ以外の銀行も消費者金融に比べたら限度額は高く、最低でも500万円ほどに設定されています。
この中で具体的な借りられる金額としては、年収の半分程度が目安となりそうです。
前章でもお話したとおり、銀行も貸し出す金額を厳しくしています。
カードローンの限度額を年収の半分程度にする銀行が多いため、このラインが目安となるでしょう。
しかし、おまとめローンで使いたいと話すことで、現在の借金額と同等まで借りられる可能性があります。
カードローンは自分から申告しない限り「普通の借金」として扱われます。現在の借金に加えてお金を借りようとしていると判断されてしまうので、借り換えの場合はその旨を伝える必要があります。
結論としては、銀行は「総量規制対象外であること」「限度額が高いこと」の2つから、年収以上のお金を借りられる可能性が高いと言えます。現在の借金が多い人は、借り換え先に銀行を選ぶことをオススメします。
年収はいくらあれば審査に通る?
おまとめローンの限度額は年収が大きく関係している事がわかりました。となると次に気になるのが、「具体的にいくらの年収があればおまとめローンを契約できるのか」ということ。
これは結論を先にお話すると、「最低年収は200万円」と言われています。その根拠を本章では紹介していきます。
おまとめローンに必要な年収は200万円
一般的に、おまとめローンを契約するなら年収は200万円以上ほしいと言われています。
この理由はカンタンで、銀行が申込み条件として「年収200万円以上」としているからです。
ご利用いただける方
・年収200万円以上の方
銀行カードローンは特に年収制限を設けていませんが、まとまったお金を借りるなら同等の水準を求められてしまうでしょう。
収入は継続安定している必要がある
年収についてもう一つ大事なポイントは、「収入が継続安定している」ということ。たとえ年収が多かったとしても、それが数年間続いている必要があります。
- 年収制限はありますか?
- 年収の制限はございませんが、継続安定した収入のある方とさせていただいております
年収の制限を設けていない銀行でも、収入が継続安定していることは条件としています。高水準の年収が数年続いていれば、当然限度額も高くなります。
しかしギリギリ200万円という年収で、さらに年によっては100万円代になるというケースではおまとめローンが契約できない可能性もあるのです。
こうした点から、審査に確実に通る年収というのは「200万円以上の年収が数年続いていること」と言えます。
「それならおまとめローンは諦めるしかない」と思っている人に、次章では年収が低くても借りられる可能性のあるおまとめローンを紹介します。
年収が低くても借りられるおすすめおまとめローン
低年収でも借りられるおまとめローンは?ここでは年収200万円以下でも借りられる会社に注目してみました。
オリックス銀行
名称 | オリックス銀行カードローン |
---|---|
金利 | 1.7〜17.8% |
限度額 | 800万円 |
オリックス銀行なら、おまとめローンとして借り換え利用も可能な「カードローン」がおすすめです。金利が3.0%~17.8%と低いので人気も高く、最大借り入れ限度額は800万円に設定されています。
親身になって相談に対応してくれることでも定評があり、自営業者・パート・アルバイトなどの申込みも可能です。従来、200万円以上の年収条件が明記されていましたが、現在は消去されていることからも、低額年収者でも申込みの価値ありと判断できます。
ろうきん(労働金庫)
名称 | おまとめローン |
---|---|
金利 | 6.3% |
限度額 | 300万円 |
ろうきんは非営利団体なので低金利でお金を借りる事ができます。年収150万円・勤続年数1年以上という条件をみたせば、各おまとめローンに申込みが可能です。
ろうきんは全国13団体によって成立っており、自分がどこに住んでいるかによっても、対象団体が変わってきます。
また、上記はろうきんのおまとめローンの一部であり、地域によって限度額や金利が変わる点も注意しましょう。
アコム
名称 | 借り換え専用ローン |
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金利 | 7.7%〜18.0% |
限度額 | 300万円 |
大手消費者金融の代表格とも言える「アコム」では、金利は7.7%~18.0%と銀行などに比べたら少し高めの金利設定になっています。消費者金融ではありますが、おまとめローンは総量規制の対象外なので年収以上でも借入が可能です。
消費者金融といっても、対応はとても丁寧で、本人に最も良い条件の返済方法を親身に提案してくれることでも、従来の消費者金融のイメージとは随分変わってきているようです。/p>
銀行の低金利は魅力ですが、どうしても審査に通らなかった場合は、候補のひとつにしたい会社です。
審査に通るための対策
おまとめローンは普通のローンより審査が厳しいと言われており、確実に審査に通過するためには事前の準備が必要です。/p>
ここでは、審査に通るためにしておきたいことを2つ紹介します。
借入先を減らしておく
おまとめローンで借り換えするときの条件で、借入件数が多すぎると通過できない傾向にあります。/p>例えば、金融機関の中でも審査に厳しい銀行系ですと、5社以上の借入先があった場合に、門前払いとなってしまう可能性が高いようです。
この場合、借金の額が少ないものは事前に整理をしておきましょう。/p>
例えばあと10万円で終わるカードローンがあるなら、すでに契約している他社のカードローンで10万円を追加で借ります。そのお金で返済してしまえば、借入件数を1つ減らすことが可能です。
この方法で、3社程度に借入件数を減らしておくと、審査通過の確率がアップします。
おまとめローン目的であることを伝える
本記事の前半でも紹介しましたが、銀行カードローンを使って借金を一本化する場合、「おまとめローンとして使いたい」と申込時に申告しましょう。カードローンは申込時に、借りたお金の使い道を尋ねる項目があります。そこで「借り換え」を選択すれば、おまとめローン目的であることがわかります。
これをせずに申し込みをすると、新たな借金として審査されてしまうので、通過率が下がってしまいます。おまとめローンは借りたお金で他社に返済するので、借金の総額は変わりません。そのため事前に伝えておけば、審査通過率がアップするのです。
申込者がすでにいくらの借金があるのかという情報は、全て指定信用情報機関(CIC)に記録されています。金融機関は審査の際にこの情報を参照するため、「借金の額も言わなければバレない」と思ってもバレてしまっているので注意しましょう。
おまとめローンと年収の関係まとめ
- おまとめローンは年収以上の額が借りられる
- 消費者金融は限度額が300万円程度なのでそれ以上は借りられない
- おまとめローンを契約するために必要な最低年収は200万円
- 収入は継続安定していることが絶対条件
- 年収は低くても契約できるが借金全てをまとめられるとは限らない
おまとめローンの審査基準には、年収というものが大きくのしかかってきます。パート・アルバイト・自営業・派遣社員・年金受給者などの比較的低収入の方にとってはこれがネックとなります。
しかし、最低年収の200万円をクリアしていれば、おまとめローン契約の道は開けます。総量規制は関係ないので、年収以上のお金を借りることも可能です。
ただし収入が安定していないと、高額の借金はできないので注意しましょう。
もし、年収が原因でおまとめローンの限度額が少なくなってしまったら、まずは段階的に借金をまとめていく方法をオススメします。
与えられた限度額でまとめられる借金だけをまとめ、返済が進んだところでもう一度申し込みをしましょう。
これを繰り返していけば、最終的に借金が一本化できます。長い道のりではありますが、多重債務状態から抜け出すためには、少しでも借金の内訳をシンプルにしていくことが大事です。