インターネットでおまとめローンを調べていると「おまとめローンは危険」「おまとめローンは危ない」というような検索結果がときどき出てきます。確かにおまとめローンは使い方を間違えると自己破産などの債務整理をすることになってしまいます。
ここではおまとめローンを上手に活用するための注意点を紹介します。上手に使いこなして、借金完済を目指してください。
おまとめローンが危険だと言われる理由
インターネット上にある「おまとめローンは危険」という情報。これからおまとめローンを利用しようか悩んでいる人は、ちょっと気になりますよね。借金の返済のためにはおまとめローンが最適という人もいれば、最悪の選択と言う人もいます。
でも、これはどちらも間違いではありません。借金を一本化しようとしている人の状態によって、おまとめローンは有効になることもあれば、悪い方向に向うこともあります。
例えば、借り入れ額がそれほど多くなく、なんとか返すことができそうかなというような人は、借り入れを一つにまとめたほうが、楽に完済することができます。反対に債務整理一歩手前というような人は、おまとめローンを利用しても返済しきれなくなる可能性があります。
そして、「おまとめローンは危険」と言う人の多くが、弁護士や司法書士であることも無視するわけにはいきません。専門家が言うのだから間違いないと思いたいところですが、実際は仕事が欲しいため、お金にならないおまとめローンよりも、お金になる債務整理を勧めたいという心理が働いています。
弁護士と言っても常に正しい選択をしてくれるわけではありません。もっとも「おまとめローンは危険」というのは間違っているわけではありませんので、「そういう考え方もある」くらいに受け取っておきましょう。
任意整理とおまとめローンの違い
「おまとめローンは危険」と言う人の多くが勧めるのが債務整理で、その中でも任意整理を勧めてきます。おまとめローンよりも返済が簡単で、裁判所などを利用しないため手続きも簡単に行えるということで任意整理のほうが良いとしています。
それだけ聞くと、返済が簡単なら任意整理をしようかなと思うかもしれません。
でもちょっと待って下さい。
任意整理はおまとめローンにはない大きなデメリットがあります。
それはブラックリスト入りするということです。
債務整理をすると、金融機関が共有している個人信用情報に債務整理をした履歴が残り、整理中と完済から5年間はクレジットカードの利用もローンを組むこともできなくなります。社会人の場合、クレジットカードを持てなくなることは何かと不便に感じるはずです。
任意整理をするとおまとめローンと較べて返済総額が少なくなるなどのメリットはあるものの、おまとめローンにはない、ブラックリスト入りというデメリットがあることを覚えておきましょう。
任意整理をしても借りたお金の元金だけは最低でも返済することになるので、任意整理で返済ができる借金は、おまとめローンでも返済出来る可能性が高いと考えてください。ですので、返すことが出来るなら、ブラックリスト入りしないおまとめローンを選んで、借りたお金はしっかり返すようにしてください。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンの基本的な考え方を思い出してもらいたいのですが、おまとめローンは借金をひとつにすることで、下記のようなメリットがあります。
- ・借金の返済日をひとつにすることができる
- ・毎月の返済額を減らすことができる
返済日をひとつにすることができるはメリットですが、毎月の返済額を減らすことができるというのは、メリットでありながらもその反面としてデメリットも抱えています。
それは返済期日が伸びるということです。おまとめローンをする前は3年で関西になる予定だったのに、おまとめローンをした結果、返済期間が6年に伸びるようなことがあります。伸びても返済できればいいと思うかもしれませんが、忘れてはいけないのが利息の存在です。
100万円を金利15%で返済するはずだったものが、おまとめローンによって100万円を10%の金利で返済できるようになったとすれば、大きなメリットに感じるかもしれません。ところがおまとめローンによって返済期間が3年から6年になったらどうなるのでしょう。
100万円を金利15%、返済期間3年で返す場合
毎月の返済額:34,665円返済総額:1,247,934円
100万円を金利10%、返済期間6年で返す場合
毎月の返済額:18,525円返済総額:1,333,837円
毎月の返済は楽になっていますが、返済総額は85,903円も増えています。決して小さな額ではありません。おまとめローンをすると返済総額が増えてしまう可能性があるというデメリットがあります。
借金の完済はできないの?
おまとめローンは危険な可能性があり、デメリットもあるとなると、おまとめローンでは借金の完済ができないように思えますが、そんなことはありません。もしほとんどの人が借金の完済ができないのであれば、国はとっくに規制をしていますし、そもそも金融機関がそんなリスクの高い商品を提供するはずがありません。
おまとめローンは借金の完済に利用できますし、実際におまとめローンで完済している人もたくさんいます。おまとめローンの審査に通った時点で、金融機関から「あなたは完済できる」とお墨付きをもらったようなものですので、むしろ完済できないほうが少ないのだと覚えておきましょう。
ただし、絶対に完済できるというわけではありません。おまとめローンを利用すると、返済期間が伸びるのですが、返済期間が伸びるということはそれだけリスクが高くなります。
おまとめローンを始めたときは正社員で賞与もしっかりあったのに、返済の途中で会社が倒産したり、リストラにあったりする可能性が高くなります。最初はきちんと返せていてもその後何があるか分からないため、おまとめローンの完済に絶対はありません。
ただし、そのような想定外の事態にならない限り、コツコツ返済を続けることが出来れば、おまとめローンでの完済は可能です。
正しい利用方法
おまとめローンで返済できない人には共通点があります。おまとめローンは正しく使えば、想定外のことがない限り返済可能ですので、おまとめローンで返済できない人の共通点を確認しながら、おまとめローンの正しい利用方法を紹介します。
おまとめローン後に借金を重ねる
おまとめローンをすると、毎月の返済が楽になります。おまとめローンをするまでは節制した生活をしていたのが、おまとめローンをすることで借金が減ったように感じて、また以前の生活に戻してしまい、歯止めが効かなくなってまた借金を積み重ねる人がいます。
おまとめローンを利用しても生活は変えずに節制すること、そして借金を重ねないことが完済するための大前提だと考えてください。
金利が上がってしまった
おまとめローンを利用すれば簡単に借金を返済できると考えて、詳しく調べずにおまとめローンを使った結果、金利が上がってしまったというようなこともあります。ただでさえ返済期間が伸びてしまって、返済総額が増えているのに金利まで上がったのでは何をしているのかわかりません。
おまとめローンを利用するときは、必ず金利が下がるか確認してください。審査に通りやすいからと言って、高金利の商品を利用しないように注意してください。
最適なおまとめローンの選び方
おまとめローンを選ぶときには、用途自由な銀行系のカードローンか、消費者金融などが提供しているおまとめのための専用ローンのいずれかを利用することになります。金利面では銀行のカードローンが有利ですが、審査が厳しいので「使うことが出来るなら、銀行のカードローンがベスト」と覚えておきましょう。
おまとめローンを選ぶときに重要なのは金利です。長期間の返済になりますので、金利は可能な限り減らさなくてはいけません。
また、毎月の返済額も気にしておく必要があります。おまとめローンを利用しても、毎月の返済額が、現実的に返済可能な額でなければ、結局返済に苦しむことになります。
- ・金利
- ・月々の返済額
- ・返済総額
おまとめローンを選ぶときは常にこの3点を計算する、もしくは計算してもらうようにしましょう。「このおまとめローンが最適」とおすすめできればいいのですが、おまとめしたい借金の額によって、最適な金融機関は代わりますし、毎月の返済額でどこまで返済できるかは、借りた人によって違います。
インターネットで情報収集することも大事ですが、最終的にはどの金融機関で借金をまとめるかは自分で判断しなくてはいけません。そんなときに判断基準にしたいのが上記の3点になります。まずは銀行のカードローンでの返済を検討し、審査が厳しいようであれば、その判断基準に従って選ぶようにしましょう。
審査での注意点
おまとめローンを利用するには、まずは審査に通る必要があります。この審査を通るための注意点がありますので覚えておきましょう。
一本化するための借り換えであると伝える
おまとめ専用のローンの場合はあえて伝える必要はありませんが、カードローンをおまとめローンとして利用する場合は、用途がおまとめローンであることを伝えておきましょう。ときどき借り換えであることを隠そうとする人がいますが逆効果です。
すでに多重債務に近い状態ですので、おまとめローンでないローンを貸すことは危険だと判断され、審査落ちします。おまとめローンであれば、他社の債務はなくなりますので、借りられる可能性が高くなります。
申告は正確に行う
借入件数や借金総額を少なめに申告して審査に通りやすくするのも逆効果です。金融機関は申込者がどの金融機関からいくら借りているのかを簡単に知ることができます。そのため、借入件数や借金総額の申告は、きちんと借金を把握している人かどうかの確認のために行われるのだということを頭に入れておきましょう。
過少に申告をすると「借金を把握できていない人」、もしくは虚偽の申告をした人として審査落ちする可能性が高くなりますので、記載ミスも含めて申告は間違いのないよう正しく行うようにしてください。
完済するための注意点
審査に通ったら次は返済になります。完済までは長い道のりになりますが、審査に通った段階ですでに返済できる可能性は高いと判断されたわけですので、コツコツ返済を続ければ、おまとめローンでの完済は難しくありません。
ただ、完済のための注意点がいくつかありますので紹介します。
繰り上げ返済は慎重に行う
おまとめローンの返済はマラソンのようなもので、長い期間をかけて淡々と返済を行っていく人だけが完済に一歩一歩近づいていきます。臨時収入があると繰り上げ返済をしたくなるのですが、それはマラソンの途中でいきなり全力疾走をするようなものです。途中で息切れしてしまいます。
完済のためには、毎月決まった額を返済し続けて、臨時収入は今後何かがあったときのために積立しておきましょう。積立が一気に返済できるほど大きな額になったら、繰り上げ返済を行うようにしましょう。
追加の借入は絶対にしない
おまとめローンを利用する人の多くが、借金癖がついてしまっています。おまとめローンをしたことで、気持ちが大きくなってまた借金をしてしまうことがよくあります。おまとめローンの返済中に借金を重ねると、結局また多重債務の状態に戻ってしまいます。そこからまたおまとめローンを利用することはできませんので注意してください。
おいしい話には要注意
おまとめローンの審査はしっかりとした審査を行われるため、審査落ちするようなことがあります。そんなときに、「うちなら貸せますよ」と言われると少し怪しくても借りたくなりますよね。でも気をつけて。世の中にそんなに甘い話はありません。そうやって近づいてくる多くは、ヤミ金融になります。
ヤミ金融でも貸してくれない金融機関よりはいいと思うかもしれませんが、ヤミ金融で借りたお金はまず間違いなく返済することができません。そもそも返済の前に借りることができないようなケースもあります。
「お金を貸すには手数料が必要」と言われて数万円振込をしたら、そのまま連絡が取れなくなってしまったというのはよくある話です。コンサルティング料が必要と言われて、毎月金利以外に数万円請求されるようなケースもあります。
金利も法定金利よりもはるかに高い金額を設定されています。普通のおまとめローンの審査でも「返済できない可能性がある人」とされているのに、おまとめローン以上の金利が発生したら、とてもじゃないですが、返済しきれませんよね。
ヤミ金融でお金を借りると、生かさず殺さずの状態にされ、ずっとお金を搾り取られ続けることになります。「自分だけは大丈夫」みんなそう思ってヤミ金融からお金を借りて、ほとんど全員が返済できなくなってしまいます。
おまとめローンができなかった場合には、ヤミ金融などを使って、無駄にあがくのではなく債務整理をする方向で弁護士に相談するようにしましょう。
失敗しないための注意点まとめ
おまとめローンは、きちんとコツコツ返済を続けていれば、必ず返済することができます。世の中には「おまとめローンは危険だ」と言う人もいますが、おまとめローンそのものが危険なのではなく、おまとめローンをした後に借金を重ねたりする人が危険なだけです。おまとめローンをする多くの人がきちんと返済できています。
おまとめローンではなく任意整理を勧めてくる人もいますが、返済できるのであれば、ブラックリスト入りしないおまとめローンでの返済を検討しましょう。任意整理で返済できる借金のほとんどはおまとめローンでも返済することができます。
おまとめローンを利用するときは「金利・月々の返済額・返済総額」をしっかりと計算することも忘れないようにしてください。計算せずにおまとめローンをすると、返済がまったく楽になっていなかったり、返済総額が想像以上に膨れ上がったりするようなことがあります。基本的には低金利である銀行のカードローンを利用してのおまとめローンがおすすめです。
おまとめローンを使うにはまずは審査に通る必要があります。審査に通りやすくするためと、嘘の申告をする人がいますが、嘘の申告はほぼ間違いなくばれてしまい、審査落ちしてしまいます。メリットはひとつもありませんので、記載ミスしないことと嘘の申告をしないように気をつけてください。