おまとめローンで通りやすいって?
インターネット上には審査に通りやすい金融機関ということで、銀行や消費者金融などが紹介されていますが、同じ金融機関でも紹介するサイトによっては「通りやすい」となっていたり、反対に「通りにくい」となっていたりします。
本当に審査に通りやすいおまとめローンなんてあるのでしょうか?ここではそんな噂に惑わされずにおまとめローンを検討するための、基礎知識について紹介します。
審査に通りやすいと審査が甘いは違う
おまとめローン審査に通りやすいと聞くと、なぜか審査が甘いと思い込む人がいますが、ヤミ金融業者以外で審査が甘い金融機関というのはありません。
おまとめローン以外のローンも含めての数字ですが、消費者金融では申し込みをした人の50%以上が融資を断られています。
審査が甘いのであれば、50%以上もの人が融資してもらえないなんてことは考えられません。
一人ひとりの申込内容をきちんと確認を行って、融資できる条件を満たした人にだけお金を貸していますので、審査が甘い金融機関はどこにもありません。
通りやすいというのはあくまでも比較の話です。例えば一般的に銀行よりも消費者金融のほうが審査に通りやすいとされています。
これは多くの情報を総合的に判断すると、そのような傾向があるかもしれないというだけで、その実態は誰も知りません。
それでも銀行で借りることができなかった人が、消費者金融で融資を受けられたというようなケースが重なると、やはり消費者金融のほうが通りやすいという噂になります。それがなぜか「消費者金融は審査が甘い」ということにつながっていますが、審査が甘い金融機関がないというのはすでに説明したとおりです。
比較として通りやすさはあっても、審査が甘い金融機関はないということをしっかりと頭に入れておいてください。
審査基準は誰もわからない
おまとめローンを含め、金融機関のローン審査は完全にブラックボックス状態で、その中身を知っている人は、実際の審査業務を担当している人だけです。その審査項目や審査基準はそれぞれの金融機関のノウハウですから、外部に漏れることは絶対にありません。
審査基準が公表されていませんので、インターネット上の「おまとめローンに通りやすい」情報はすべて噂だと考えてください。実際の経験に基づく噂もあれば、根も葉もない憶測だけで書かれた情報もあります。これらを信じるかどうかは個人の判断によりますが、おまとめローンの融資基準は誰も知らないということは覚えておきましょう。
できれば借りることができなかったときにその理由だけでもわかれば、融資基準が見えてくるのですが、それも含めて金融機関にしてみれば教えられない機密事項です。そんな大切な情報がインターネット上に出回ることはまずありません。
それでは審査に通りやすい金融機関や、通りやすくするための方法がないのかというとそういうわけではありません。憶測だけかもしれませんが、いくつもの情報を総合するとそれぞれの金融機関ごとの審査の特徴や、審査落ちした理由などを高い精度で推測することができます。
ただし、その情報が本当に正しいのかどうかという判断は個人が行うことになります。そのためにはまず、おまとめローンの審査について、その基本的な考え方をしっかり理解することから始めましょう。
審査は何のために行われるのか
分かっているようで意外と正しく理解していないのが、審査が行われる理由です。金融機関が融資してくれるかどうかは、きちんと継続した返済を続けてくれる人と判断してもらえるかで決まります。審査はその判断のために行われます。
江戸時代であれば金貸しを行っている側が、借りに来た人を見て融資するかどうかを決めていましたが、現代ではそのようなアナログな審査が行われることはありません。債務整理をする可能性が高い人、滞納する可能性が高い人というのがすでにデータ化されています。
たくさんある審査項目に点数をつけて、その数字だけできちんと返してくれる人であるかどうかの判断を行い、借金を返済してもらえないリスクを可能な限り排除します。貸したお金が返ってくれば金融機関は黒字ですが、返ってこなければ赤字です。返ってこない可能性があるお金は1円だって貸すわけにはいきません。
おまとめローンの審査落ちをした人は、お金を借りられなかったことにがっかりしますが、本当にがっかりしなくてはいけないのは、貸したお金を返してくれない人だと判断されたことです。融資を断られたということは「信用できない人」という判断をされたこと同じことなのです。
金融機関が審査をするのは信用できる人にだけお金を貸して、貸したお金が返ってこないということを防ぐためです。だとすれば信用できる人になれば融資してもらえるということになります。信用できる人になるためにはどうすればいいか、その基準についてこれから説明します。
おまとめローンの審査項目
おまとめローンを含め、お金を借りるときには審査を受けるわけですが、その審査されるポイントがあります。審査対象は申し込みを行ったときに記載(入力)したすべての項目です。名前や年齢から、勤務先の情報まですべてが利用されます。
もちろんすべての項目が同じ重みを持っているというわけではありません。ここではおまとめローンでチェックされる重要項目について紹介します。
・年収
・勤務先
・勤続年数
・他社借入件数
・他社借入金額
・金融事故の履歴
まず重要なのがどのような働き方をしているかということです。会社員や公務員のように月収制で毎月安定した収入があることが重要で、その上ですぐに会社を辞めたりしないということも重要視されます。このため勤務先や勤続年数といったステータスを重要視します。
年収は多いほうが有利ではあるものの、借金の総額とのバランスが重要です。年収が多くても借金が多い場合は厳しくチェックされますし、反対に年収が少なくても借金の総額が少なく安定した収入があれば、年収の低さはそれほど重要視されません。
債務整理を行う可能性が高いということで、他社借入件数が多いということも審査においてはマイナス要因です。おまとめローンだからといって何社でも一本化できるというわけではありません。またブラックリスト入りしているような金融事故の履歴が残っているとほぼ間違いなく審査落ちします。
審査に通りやすくするためのポイント
それでは次におまとめローンの審査を、通りやすい状態にするためのポイントを紹介します。
審査項目を改善する
通りやすい状態にするためにまず行うべきことは、上記の項目を改善するということです。年収や勤務先は簡単には変えることができませんが、勤続年数を少しでも長くするということは重要です。特に勤続年数が1年に満たない場合は、まずは1年を超えるまで申し込みを待つようにしましょう。他社借入件数も繰り上げ返済などを活用して、できるだけ少ない数に絞っておくようにしてください。5社以上ある場合は審査が厳しくなるとされているため、4社以内に減らしておきましょう。借入金額が年収の1/3を超えている場合も、審査が厳しくなりますのでまずはそこまで減らしてから申し込みを行いましょう。
書類の記載ミスや虚偽の申告をしない
まず大事なことは虚偽の申告をしないということです。年収や借入総額など少しでも良く見せようとして虚偽の申告を行う人がいますが、まず間違いなく嘘はバレます。そしてその場合は確実に審査落ちしてしまいます。お金の貸し借りは信用で行うものですので、信用できない人には融資できないと判断されます。意外と多いのが申込書類の記載ミスです。借入金額の桁を間違ったり、勤務先の電話番号を間違えたりすることで、審査落ちすることがあります。金融機関は虚偽の申告なのか間違いなのかの判断ができないためです。ケアレスミスで融資を断られるのはもったいないことですので、必ず記載事項は何度も確認するようにしましょう。
総量規制の基礎知識
ここまでは借りる側の心得について紹介してきましたが、ここから貸す側の借りやすさについて説明をします。その前に知っておいて欲しいことが総量規制と呼ばれるルールで、貸金業者は年収の1/3を超えるお金を貸してはいけないという規制です。
ただし例外があり、おまとめローンのように借りる側が有利になるお金は貸していいため、貸金業者は、一般の融資とは別におまとめ専用ローンというものを用意しています。このおまとめ専用ローンであれば年収の1/3を超えてお金を借りることができます。
これに対して、貸金業法ではなく銀行法で営業を行っている銀行は総量規制の影響を受けることないため、ほとんどの銀行ではおまとめ専用ローンではなく、カードローンを利用した借金の一本化を提案しています。
年収の1/3を超えるお金を貸してはいけないというのは、それ以上の借金は返済が難しくなるとされているためです。このため、すでに年収の1/3を超えた借金のある人は要注意人物となるため、おまとめローン審査のひとつの目安にもなっています。
審査の通りやすい金融機関ということには直接関係ありませんが、総量規制はおまとめローンの種類や融資の基準などにも影響を与えています。わからないからいいやとするのではなく、最低限の知識は身につけておきましょう。
銀行と消費者金融はどう違う?
総量規制について説明した項目ですでに、銀行と消費者金融でのおまとめローンの違いについて紹介しましたが、ここではもう少し詳しく紹介します。それぞれの特徴について把握して金融機関選びの参考にしてください。
銀行と消費者金融は金利が違う
金利と審査の通りやすい金融機関の関係については後ほど詳しく説明しますが、一般的には銀行は金利が低く、消費者金融は金利が高いという違いがあります。このため、おまとめローンとしては銀行のカードローンが返済総額は少なくなり有利だとされています。ただし、金利は借入額によって変わってくるため、条件によっては銀行よりも消費者金融のほうが金利は低くなるケースもありますので、傾向として銀行が低金利になるくらいに考えておいて、実際に利用するときには、自分の借金の額に応じた金利で比較するようにしてください。
既存の借金の返済方法が違うことも
銀行のカードローンの場合は、銀行から借り主に融資を行い、融資されたお金を借金の返済に充てます。これに対して消費者金融は、消費者金融から直接借金の返済を行うというケースがあります。融資したお金を他のことに利用させないためです。融資したお金を他のことに使われると、消費者金融は総量規制を超えてお金を貸したことになり罰せられるため、目的と違うお金の使われ方を防ぎたい。そのような理由から消費者金融で利用したおまとめローンは、自分の手元にお金が入らずに、借金の一本化を行うケースがあります。
金利と審査の通りやすさの関係
審査の通りやすいおまとめローンの傾向としては、金利が高いものほど借りやすいとされています。金利が高い商品は入ってくる利息が多くなるため、もし仮に貸したお金が返ってこなくても、その利息分で穴埋めすることができるため、多少リスクをとっても幅広くお金を貸すことができます。
すでに紹介しましたように、銀行は金利が低いため利息収入も限られてしまいます。このため、お金を返してくれない可能性がある人は徹底して融資を断る必要があります。このため審査のハードルが高くなるため、「銀行は審査が厳しい」というイメージがついています。
消費者金融は銀行と同じ営業方針で行うと、知名度の高い銀行にすべてのお客さんを取られてしまいますので、銀行が融資しないような人にもお金を貸します。そうすることで貸したお金が返ってこない確率も上がりますが、金利を高めにすることで赤字になることを防いでいます。
これは銀行と消費者金融の違いだけでなく、同じ銀行同士でも金利の違いで通りやすさに影響を与えます。おまとめローンを利用するときは、お金の借りやすさと返済総額を天秤にかけて、自分に合った金融機関を選ぶ必要があります。
ただし、低金利な商品ほど月々の返済額が少なくなって、返済期間が長くなるため総返済額が変わらないケースもありますので、実際に金融機関を選ぶときには金利だけで決めずに、返済シミュレーションなどを利用して比較するようにしましょう。
審査に通るための金融機関選び
借りる側の審査に通りやすい状態と、貸す側の融資しやすい状態というものを把握出来たかと思いますので、ここでは審査に通るための金融機関選びについて紹介します。どの金融機関を選べばいいか分からずに悩んでいる人は参考にしてください。
おまとめローンの返済という意味では、低金利の商品を選ぶのが原則です。ただし、すでに紹介しましたように、低金利の商品ほど審査が厳しくなるため、融資してもらえない可能性が高くなります。審査に通りやすいという基準で考えると金利は高いほうが有利です。
もし自分のステータスがあまり優れていないと判断するのであれば、低金利の商品ではなく金利が高めの消費者金融のおまとめローンがおすすめです。とはいえ、申し込みをするだけなら銀行を選んでも何の問題はありません。
何社もの審査を受けると申し込みブラックの状態になってしまいますが、1社に落ちてもう1社の審査を受けるくらいはよくあることですので、ダメ元でも1社目に低金利の銀行の申し込みをして、融資を断られたら、その後に消費者金融の審査を受けるようにしましょう。
また銀行で借りたお金は消費者金融のおまとめローンでは一本化することができません。このため銀行で借りたお金がある場合は、銀行のカードローンもしくはおまとめ専用ローンを利用して一本化するようにしてください。
まとめ
おまとめローンに通りやすい、通りにくいという傾向はあります。審査にはそれぞれの金融機関ごとにノウハウや営業方針があるため、結果的に違いがでるだけであって、審査が甘い商品があるわけではないということを理解してもらえたかと思います。
そして審査に通りやすい金融機関は金利が高くなり、総返済額が増えてしまう可能性もあります。審査に通りやすい上に利用してお得になるような金融機関があれば、みんながその商品に殺到しますが、実際のところはメリットとデメリットのバランスで選ぶしかありません。
最終的にどの商品を選ぶかというときに、おまとめローンについての正しい知識がない場合は、直感で選ぶしかありませんが、最低限知っておくべき知識を把握しておけば、それぞれの商品の比較を行うことができ、自分に最適なおまとめローンを利用することができます。
銀行で借りるべきなのか、それとも消費者金融で借りるべきなのか、自分なりに判断できるくらいにまではおまとめローンの知識をつけておきましょう。審査が行われる理由やそのチェック項目を頭に入れておくだけで、判断ミスをする確率は下がります。
インターネット上にある「審査に通りやすい・甘い」というような噂に惑わされないようにしましょう。それぞれのステータスによって最適な金融機関が変わってきますので、自分に合ったおまとめローンを見つけるために、知識をきちんと学んだ上で金融機関選びを行いましょう。