熊本銀行のフリーローンの特徴解説
『フリーローン』とは、使いみち自由なので、明確な理由がなくとも高額融資が受けられる人気のローンです。ただし、【高額融資⇒ 低金利⇒ 審査が厳しい】という傾向があります。ですが、ローンの審査を受ける前にできる事前準備によって、より有利な状態で審査を受けることができます。
ここでは、熊本県熊本市を拠点とし、通称“くまぎん”でも知られる地方銀行、熊本銀行フリーローンに注目します。中でも、利用用途などの利便性に優れているおまとめ・フリーローン「ナイスカバー」をベースに解説します。ただし、「ナイスカバー」の申し込みには、住まいや勤務先のエリア制限があるので、自分が対象かどうかを事前に確認することが重要です。
「おまとめ・フリーローン・ナイスカバー」の商品概要
【商品名】「ナイスカバー」
【使いみち】使いみち自由(事業資金は除く)
【借り入れ限度額】10万円以上500万円以下(1万円単位)
【金利率】年率5.9%~14.0%
【金利の変動】固定金利
【借り入れ可能期間】6か月以上15年以内(6か月単位)
【審査回答までの時間】最短翌営業日
【融資までの時間】仮審査申込みから最短2営業日後
【来店の要・不要】不要
【担保・保証人】不要
【総量規制】対象外
金利について
金利は、ネットからの申し込み(WEB完結申し込みも含む)と、ネット以外(郵送・FAX・電話・来店など)からの申し込みによって異なります。ネットからの申し込みの場合、【年率5.9%、9.9%、12.9%】の3段階のいずれかが審査によって決まります。これに並行して、ネット以外からの申し込みの場合【7.0%、11.0%、14.0%】の、同じく3段階が適用されます。
また、借り入れ期間が7年を超える場合の金利は、それぞれの最高金利である12.9%と14.0%が適用されます。モバイルからの申し込みの場合、ネット申し込みの低金利は適用されません。
借り入れ限度額について
借り入れ限度額は500万円までとなっています。Web完結申込みの場合は300万円までとなります。それぞれ1万円単位の融資が可能なので、必要最低限の金額だけを借りることで利息額を最低限におさえることが可能です。すでに熊本銀行の普通預金口座を所有している方で、300万円以下の融資を希望する方でしたら、ネットからの申し込みがお得です。
金利や限度額以外のおすすめの特徴
「ナイスカバー」は、利用目的が自由なので、家電や家具の高額商品の購入、自動車関連費用、住宅のリフォーム、学資、結婚や出産などの高額資金の借り入れが可能です。そんな中、最も利用度が高い“多重債務のおまとめ利用”などにもおすすめです。
その他のおすすめポイントについては、後述する「熊本銀行のフリーローン、メリット/デメリット」を参考にしてください。
熊本銀行のフリーローンの利用方法
熊本銀行のフリーローンである「ナイスカバー」の利用方法、申し込み手順、審査回答や融資までの時間、保険の加入などについて解説します。
申込み手順
仮審査の申し込みは、インターネット、電話、FAX、郵便、店舗窓口などの方法があります。今回は来店不要の“WEB完結申し込み”について、大まかな流れを見てみましょう。
【Web完結申込みの場合】
①インターネットから申込み
↓
②審査結果の連絡(電話)および、契約内容の確認
↓
③融資(熊本銀行の普通預金口座に入金)
審査の結果で融資が難しいと判断された場合、審査結果は郵送での通知となります。熊本銀行に普通預金口座を所有していない場合、融資までに店頭窓口で口座開設が必要となります。
審査回答や融資までの時間
仮審査の回答は最短翌営業日、申し込みから融資まで“最短2営業日”と、フリーローンの中では目を見張るスピーディーさです。熊本銀行はふくおかフィナンシャルグループの傘下です。同グループの銀行には福岡銀行と親和銀行があり、いずれも「ナイスカバー」を取り扱っています。たとえば、福岡市は3つの銀行の店舗展開があり、競合エリアです。同グループと言えども、それぞれが顧客獲得のためのライバル意識があるからこそ、早期融資という形に現れているとも考えられます。
団体信用生命保険の加入
熊本銀行では、「ナイスカバー」を含めたローンの契約時に、任意で団体信用生命保険の加入が可能です。加入した場合、承諾された金利に年0.3%が加算されます。団信保険の加入は、対象となるローンの借り入れ合計額が1,000万円までです。ローンの一部金のみの保険加入はできません。また、WEB完結申し込みの場合、保険には加入できませんのでよく考えてから申し込み方法を選びましょう。
熊本銀行のフリーローン申し込みに必要な書類など
「ナイスカバー」に申し込む際に必要な書類は、以下の通りです。
仮審査申込み時
・仮審査申込み書類
仮審査申込書の記入内容等に疑問点や問題点が生じた場合、熊本銀行もしくは保証会社より電話確認の連絡があることも想定しておきましょう。
仮審査の申し込みで記入した内容は本審査でも照合されます。簡単申し込みという言葉に安心せず、慎重に取り組むことが重要です。仮審査申込みの内容と正式申し込みの内容の相違がないよう、同じ情報が引き出せる準備を心がけましょう。
正式申し込み手続き時
・正式申し込み書類
・本人確認資料
・収入証明書
・審査結果通知書/申込確認通知書
本人確認書類は顔写真と住所の記載が重要なので、運転免許証の提示がもっともスムーズです。300万円以上の融資の場合、「収入証明書」の提出が求められます。源泉徴収票、所得証明書、確定申告書、給与明細書、年金振込通知書のいずれかの提出が必要です。
審査結果通知書は、正式申し込み手続きで“来店”を選んだ場合に持参が必要です。“郵送”を選んだ場合、勤務先に「申込確認通知書」が郵送されるので、自宅宛に郵送される「申込書類」と一緒に返送しましょう。
熊本銀行のフリーローン審査基準
熊本銀行のフリーローンである「ナイスカバー」を利用できる方や、保証会社の審査基準について解説します。
利用できる方
利用できる方は以下の通りです。
・借り入れ時の年齢が、満20歳以上69歳以下の方
・収入がある方
・保証会社の保証が受けられる方
・熊本銀行の普通預金口座を開設している方
・熊本銀行の営業エリアにお住まいや勤務先がある方
上記のすべての条件を満たす方なら、ナイスカバーの利用が可能です。返済に妥当な収入がある方なら、パート・アルバイト・年金受給者の方でも申込み可能です。
保証会社の審査
ナイスカバーと契約するには、“熊本銀行”だけでなく【“ふくぎん保証(株)”、“(株)クレディセゾン”、“SMBCコンシューマーファイナンス(株)”】の審査が必要となります。保証会社3社が対象ですが、すべての会社の審査に通過しなくてはいけないのではありません。1社でも保証を承諾されれば融資を受けることができます。金利や融資額の承諾もこの審査で決まります。場合によっては、希望通りの金額が承認されないこともあります。
担保や連帯保証人は原則不要です。なぜかと言うと、保証会社が連帯保証人の代行をしてくれるためです。その代わりに、保証会社には保証料を支払わなくてはいけません。別途請求される場合もありますが、ナイスカバーの場合は金利に含まれるので、熊本銀行を通して保証会社に支払われます。
熊本銀行のフリーローンの審査に通過する方法
ナイスカバーの審査をより有利に通過するための方法【熊本銀行の関連会社】について解説します。
ナイスカバーの審査に通過するには、熊本銀行の関連会社にも注意が必要です。なぜなら、関連会社の過去の利用で金融トラブルなどがあった場合にも、熊本銀行のフリーローンの審査に間接的な影響が生じるからです。
熊本銀行はふくおかフィナンシャルグループの傘下で、【福岡銀行・親和銀行】も同グループです。また、1992年に熊本銀行と対等合併した肥後ファミリー銀行や、熊本銀行の旧名【熊本ファミリー銀行】時代に、支払い遅延などによるトラブルがあった場合は審査に落ちてしまいます。さらに、各保証会社やその関連会社が発行するカード履歴なども同じく審査の対象となります。
もし、これらの金融機関でトラブルなどがあった場合、いさぎよく関連しない金融機関のローンに申し込むのが賢いでしょう。ただし、返済遅延などの金融トラブルが過去5年以内にあった場合、個人信用情報機関(CICなど)に記録された情報が共有され、全国どこの銀行に申し込んでもほぼ審査に通過できません。イチかバチかで銀行の審査に申し込んでも、さらに履歴に傷をつけてしまうことになるので、期間を全うしてから他行のローンに申し込みましょう。
熊本銀行のフリーローンの審査に通らない理由と対策
ナイスカバーの審査に通過しないと考えられる理由【借り入れ件数】と、その対策について解説します。
【審査に通らない理由】
ナイスカバーの審査に落ちてしまう理由のひとつとして考えられるのが、借り入れ件数です。審査は収入がいくらあるかよりも、熊本銀行から借りたお金を返済する能力があるかどうかが問われます。そこで、借り入れ件数が大きな判断材料となります。
1社から200万円の借り入れを返済している方と、3社から150万円の借り入れを返済している人とでは、どちらが審査に有利でしょうか?答えは、高額な借り入れでも1社から200万円借り入れしている人の方が審査では優遇されます。なぜなら、何社からもまたがって借りている人は、1社目で融資限度の承諾を得られなかったために、2社目3社目から借り入れをしていると見られるからです。
中には、1社から高額を借りることになんとなく抵抗があり、あえて複数の金融機関から借り入れしているという方もいるでしょう。理由はどうあれ、フリーローンに申し込む前には、借り入れ件数を減らすことが、絶対条件です。
【対策】
一般的に借り入れ件数が5件以上ですと、審査にはほぼ通過できません。借り入れ件数が少なければ少ないほど審査は有利です。もし5件以上の借り入れ件数がある場合、比較的審査が通りやすいカードローンや消費者金融などから、ある程度まとまった金額の融資を受けましょう。せめて4社以下に減らすことができれば、フリーローンに申し込む権利が得られます。3件以下なら、借り入れ件数が理由で審査する前に門前払いになることは無いと考えられます。
熊本銀行のフリーローンの返済方法
ナイスカバーの返済方法、返済の手順、繰り上げ返済、返済遅延などについて解説します。
返済の手順
ナイスカバーの返済方式は、“元利均等毎月返済”です。これは、毎月決まった金額を完済まで支払うことができるので、安定した返済プランを組み立てるのに重宝します。また、融資額の50%までなら、年2回のボーナス時に“増額返済”を併用することもできます。1万円単位で月々の返済に増額することができます。
返済日は、契約時に指定した日を任意で決めることができます。熊本銀行の普通預金口座から自動引き落としされるので、あらかじめ相当額を口座に準備しておきましょう。
繰り上げ返済
月々の返済やボーナス時の増額返済に加え、自由な時に好きな金額を追加返済できる“繰り上げ返済”に対応しています。繰り上げ返済には、返済中にランダムに一部金を入金する“一部繰り上げ返済”と、完済時に残額すべてを入金する“一括繰り上げ返済”の二つの方法があります。
手数料はいずれも5,400円(税込)かかります。ATMの振込手数料などとは違って結構な負担となるので、こまめな返済はおすすめできません。ある程度まとまった金額をなるべく早いうちに1回でも入金するのが早期返済のコツです。早ければ早いほど、グーンと利息額を減らすことができます。
返済遅延について
返済が間に合わなかった場合は損害遅延金が発生します。年率14%で算出されたものが請求されます。損害遅延金の計算対象は、返済が遅れてしまった金額でなく、残りの返済総額に対してなので、注意が必要です。
熊本銀行のフリーローン、メリット/デメリット
ナイスカバーのメリットとデメリットについて箇条書きで整理してみましょう。
メリット
・WEB完結型や、正式申し込みで郵送を選べば、来店不要で融資までが可能
・インターネットから、24時間365日、自宅での申し込みが可能
・審査回答は最短翌日、融資まで最短翌2営業日とスピーディー
・担保や連帯保証人が不要
・団体信用生命保険の加入が可能
・最大15年の長期返済が可能
・保証会社の対象が多い
・融資が300万円以下なら所得証明書の提出が不要
・使いみちを証明する見積書の提出が不要
・カードローン返済だけでなく、商品購入のクレジット返済のおまとめも可能
・追加の借り入れができないので、スムーズに完済できる
・月々の返済が自動引き落としなので、管理しやすい
・繰り上げ返済によって、早期返済が可能
・“元利均等返済”かつ“固定金利”なので、安定した返済プランを組める
・借り入れ金額を1万円単位で決められるので、利息を最小限に節約できる
・銀行が発行するフリーローンなので、総量規制の対象ではない
デメリット
・繰り上げ返済の手数料が有料
・熊本銀行のフリーローンに申し込むには、普通預金口座の開設が不可欠
・高額融資の場合、審査が厳しい
・追加の借り入れができない
・営業エリアに住まいか勤務先がなければ利用できない
営業エリアは、熊本県内、福岡県(福岡市・久留米市・大牟田市)、鹿児島県(鹿児島市・出水市・薩摩川内市)などの店舗に住まいや勤務先があることが条件となります(2017年5月現在)。ただし、店舗の拡大縮小は各金融機関でも常に行われているので、申込み前に電話で確認するのが賢いでしょう。
フリーローンを選ぶ際のポイント
熊本銀行のフリーローンに限らず、フリーローンを選ぶ際にどんなことをものさしにしたらいいのか、いくつかピックアップして解説します。
融資までの時間
2,3日中に融資してもらえないと返済に間に合わないと困っている方の場合、融資までにどのくらいの時間がかかるのかが非常に重要です。フリーローンは融資までに時間がかかるのが一般的です。そんな中、最近では審査がマニュアル化され、融資までの時間がスピーディー化される傾向にあります。きっと希望時間までに融資してもらえるフリーローンも見つかるはずです。
ただし、あくまでも審査は人の目で行われるので限界があります。即日回答を謳っていても、締め切り時間や申し込みの時間帯によっては、翌日以降の審査回答になることもあります。できるだけ午前中に申し込んだり、申し込み後にオペレータなどに急いでいることを伝えるなどの工夫が重要です。
この際には丁寧にお願いすることも心がけましょう。急いでいるあまりに感情的な発言をしてしまうと、それ自体が金融トラブルと見なされてしまうこともあるので、注意が必要です。
返済短縮できるローン
早期返済には、契約時のローンの組み立てがとても重要です。融資可能時間が長いからと言って、それに安心して長期返済を組み立ててしまうと利息額が増えてしまいます。月々の支払額を少なくしすぎたりすると返済期間が長くなってしまい、金利が安くて得をしたつもりが結果損をしてしまうケースもあります。
そんな中、間違った返済プランを修正するために、繰り上げ返済ができるローンを選んでおくと、あとあと重宝します。また、繰り上げ返済の手数料が有料かどうかも重要です。手数料が無料ならこまめな返済ができるので、貯金箱代わりに入金できます。まさに“ちりも積もれば山となる”、意外とこの少額入金が早期返済のカギになります。
熊本銀行のフリーローンの審査に落ちたら
熊本銀行のフリーローンである「ナイスカバー」の審査に落ちた場合、消費者金融や銀行のカードローンの比較的審査に通りやすいと言われるもので融資を受ける方法もあります。
ただし、それでも借り入れが困難な場合は債務整理という方法も検討しましょう。債務整理のひとつに“自己破産”があります。社会からも見放され、人によっては前科を持ちながら生きていくようなイメージがあるかもしれません。しかし、債務整理にもいくつかの方法があります。【特定調停・任意整理・個人再生・自己破産】など、大きく4種類に分類されます。
【特定調停】
あいだに“簡易裁判所”が入ってもらい、借り入れ額や返済方法の緩和を取り次いでもらう方法です。費用は借り入れ会社1社につき、1,000円ほどです。
【任意整理】
特定調停の簡易裁判所に対し、あいだに“弁護士や司法書士” が入ってもらい、借り入れ額や返済方法の緩和を取り次いでもらう方法です。弁護費用などがかかりますが、借金がなくなるケースもあります。
【個人再生】
裁判所に判断をゆだねる方法で、借り入れ金を3年~5年で返済する計画を立て、承諾されれば最大で1割程度の返済で済む場合もあります。自己破産と大きく違うところは、自宅を手放さなくていいということと、職業上の制限を受けないということです。
【自己破産】
裁判所に判断をゆだねる方法で、承諾されれば借金返済を免除してもらえます。上記3つの方法が無理な場合の方法です。ただし、不動産や株式などで得た資産はすべて没収されます。また、ある期間内に特定の職業につくことができません。およそ10年間ローンを組んだりクレジットの利用もできなくなります。
このように、フリーローンの審査に通過しなくとも、まだ道は残されています。多額の借金にどうしようもなくなっても、解決する方法が他にもあることを知っておきましょう。
通称“くまぎん”でも知られる『熊本銀行のフリーローン』ついて徹底解説しました。フリーローンは債務整理とは違うので、申し込んでもブラックリストには載りません。突然必要になったお金の調達をはじめ、多重債務の借り換えにも利用できる熊本銀行のフリーローン「ナイスカバー」。他社と比較して最も好条件の融資を受けられると判断するなら、申し込みを検討してみてはいかがでしょうか?