ネット銀行フリーローンの選び方
フリーローンは銀行や信金などの金融商品ですが、メガバンクは審査が厳しいと聞きます。地方銀行で利用するためには、その地域に住むか働いていなくてはいけません。そう考えるとなかなか利用しづらいところがあるのですが、実店舗のないネットバンクならどうなのでしょう?
もしかしてお金を借りやすかったり、金利が低かったりといい条件で借りられたりするのでしょうか。ここではそんなネットバンクでフリーローンを利用するときのポイントや、選び方について紹介します。
ネットバンクのフリーローンの特徴
ネットバンクの最大の特徴は、実店舗がないということです。一部のネットバンクには窓口を設けていることもありますが、それでもメガバンクのように全国どこにでも窓口があるわけではありません。このため申し込みなどはすべてネットの専用サイトから行います。
実店舗がありませんので、専用のATMなども基本的にはありません。そのため、ネットバンクに預金口座を開設しておく必要があります。その口座に融資され、返済もその口座から行います。実店舗のある銀行であれば、振込などでの返金も可能ですが、口座必須なのはネットバンクならではの特徴のひとつです。
そもそもフリーローンを取り扱っていないネットバンクも少なくありません。メジャーなネットバンクでのフリーローンの取り扱いの可否は下記のようになります。
ジャパンネット銀行:◯
住信SBIネット銀行:◯
イオン銀行:◯
大和ネクスト銀行:△(新規受付停止中)
楽天銀行:×
セブン銀行:×
オリックス銀行:×
ソニー銀行:×
じぶん銀行:×
大手ネットバンクでも半数近くがフリーローンを取り扱っていません。
金利もそれほど低くないというのも、ネットバンクのフリーローンの特徴のひとつです。借り入れできる金額が低いものもあり、カードローンのほうが低金利で借りられるケースもあります。利用する前にはしっかりとした比較検討が必要です。
数あるネットバンクからちょうどいいフリーローンを選ぶ方法
メジャーなネットバンクで、フリーローンを利用できるのは上記の4社です。それでは何を基準にこの4社からフリーローン商品を選べばいいのでしょう?ここではフリーローン商品を比較するときのポイントについて説明します。
利用条件の確認
まずは各商品の利用条件を確認してください。年齢や年収などの条件がある場合は、それを満たしているものを選びましょう。例えばイオン銀行は前年度年収が200万円なければ利用できません。社会人になりたての人は申し込みできませんので、選択肢から外しておきましょう。
金利を比較する
次に金利の比較を行いましょう。フリーローンで借り入れする金額は大きくなることが多く、1%の金利の違いが、返済総額に大きな影響を与えます。金利はできるだけ低いものを選びましょう。ただし、審査を受けなければ金利がわからないというケースもありますので、申し込みをするときには注意してください。
繰り上げ返済手数料の有無
フリーローン商品の多くが繰り上げ返済を行うのに、数千円の手数料が発生します。繰り上げ返済を考えていないというケースではそれほど気にする必要はありません。月々の返済額を少なめに設定して、余裕があるときに繰り上げ返済をしようと考えていた人は、手数料の有無とその金額を確認するようにしましょう。
フリーローンで重視したほうが良い点
フリーローンを利用するときに重要なのは、すでに紹介しましたように「金利」と言いたいところですが、本当に重視すべきことは「審査に通ること」と「返済総額」を抑えることです。それぞれの理由について説明します。
審査に通ること
あたり前ですが、審査落ちするとお金を借りることができません。そんなこと分かっていると思われそうですが、それではどうすれば審査落ちしにくくなるのでしょう?それは金利の高いフリーローン商品を選ぶことです。
金利の高い商品を選ぶと、利息が増えます。そうなると返済総額が増えてしまいます。返済総額が増えるのを避けるために、低金利の商品を選ぶと審査落ちします。大切なのは自分のステータスにあった、金融商品を選ぶということです。
返済総額
金利は低ければ低いほど、返済総額を抑えることができるのですが、金利が低くても返済期間が長くなると、それだけ多くの利息を支払う必要があります。またすでに紹介しましたように、審査も厳しくなり、審査落ちするリスクがあります。
返済総額を減らすために短期間で返済しようとして、月々の返済額を多めに設定したら給料が減って返せなかったというようなことも発生します。無理のない返済金額の設定もしつつ、返済金額が増えないように最適な返済額の設定を行いましょう。
メリット
フリーローンのメリットは、何といっても金利の低さです。それはネットバンクでも店舗のある銀行でも同じです。ところがネットバンクの中には金利がそれほど低くない商品もあります。上記で紹介した4つのネットバンクの金利は下記のようになります。
ジャパンネット銀行:年14.75 or 17.75%
住信SBIネット銀行:年3.775~12.0%(年0.99~7.99%)
イオン銀行:年3.8~13.5%(年3.8~13.8%)
大和ネクスト銀行(新規受付停止中):年4.0 or 5.5 or 9.5%
カッコ内の数字は、同じ銀行のカードローンの金利です。ジャパンネット銀行と大和ネクスト銀行はカードローン商品がありませんが、イオン銀行も住信SBIネット銀行も決して低金利というわけではありません。ですので、ネットバンクの場合は低金利というメリットはありません。
このため、ネットバンクでフリーローンを使うときのメリットは、計画的な返済ができるということだけです。カードローンの場合は利用限度額の範囲内で、何度もお金を借りることができるため、ついつい借りすぎて返済が終わらないということがあります。
フリーローンは追加融資を受けることができないため、借りたらあとは返すだけです。このため、いつ借金の完済が終わるのかがとても分かりやすく、毎月返済残高が減っていきますので、お金を返していることを実感することができます。
ネットバンクのフリーローンのデメリット
反対にネットバンクのフリーローンはどんな点が問題でしょうか?それは、フリーローンのシステム全般に言えることですが、一度借りてしまうと、あとは返済していくだけで、追加融資を受けなくてはいけないときに、また審査から受け直します。当然審査落ちするリスクもあります。つまり、借りたら返すだけというシステムが、そのままデメリットになってしまうのです。さきほどは計画的に返済ができるからメリットであると説明をしましたが、人によってはメリットがそのままデメリットになってしまう場合もあるので注意しましょう。
もう一点、実店舗がない銀行に口座を作らなくてはいけないというデメリットもあります。すでに口座を持っている人でもメインバンクは他にあり、給料の振込などにネットバンクを使っている人はかなりの少数派です。そうなると返済時には常に口座への入金をしなくてはいけません。普段使わない口座をローンの返済口座にするのはこうしたデメリットがあります。
返済用口座への入金を忘れてしまうと引き落としがされず滞納になってしまいます。完全に忘れていると、それが原因でブラックリスト入りすることもあります。メインバンクであれば、そのような心配はいりませんが、ネットバンクでフリーローンを使う場合は、つねに余裕を持って入金しておきましょう。
金利に幅を持たせている金融機関があるのも、デメリットのひとつです。大和ネクスト銀行とジャパンネット銀行は借入金額に応じて金利が変わりますが、借りる前から金利がわかります。住信SBIネット銀行とイオン銀行は審査を受けてみなければ金利がわかりづらいため、審査を受けてみた結果、とても高い金利だったというようなことが起こります。
お得な条件で借りられるつもりが、実際はそうではなかったということになりますので、近隣幅がある商品を利用するときには注意してください。
ネットバンクのフリーローンの申込方法
ネットバンクですので、フリーローンの申し込みもインターネット上の専用フォームに必要事項を入力して、申し込みを行います。利用するための条件が設定されていますので、それぞれの条件を満たしているか確認をしてから申し込みをしましょう。それぞれの金融機関の申し込み条件を紹介しますので、参考にしてください。
すべてのネットバンクが、口座開設が必要ですので、まだ口座を持っていない場合は、口座を作るところから始めます。安定した収入も必要ですので、収入のない学生や主婦は利用できませんので注意してください。
ジャパンネット銀行
・ 契約時の年齢が満20歳以上70歳未満
・ ジャパンネット銀行に普通預金口座を持っている
・ 安定かつ継続した収入が見込める
住信SBIネット銀行
・ 契約時の年齢が満20歳以上70歳未満
・ 住信SBIネット銀行に代表口座を持っている
・ 安定かつ継続した収入が見込める
イオン銀行
・ 契約時の年齢が満20歳以上60歳未満
・ イオン銀行に普通預金口座を持っている
・ 安定かつ継続した収入が見込める
・ 前年度年収が200万円以上(年金受給者、学生、無職、専業主婦・夫は不可)
大和ネクスト銀行(新規受付停止中)
・ 契約時の年齢が満20歳以上60歳以下
・ 大和ネクスト銀行に円普通預金口座を持っている
・ 安定かつ継続した収入が見込める
ネットバンクのフリーローンの審査基準
ネットバンクでも通常の銀行でも審査項目は変わりません。チェックされる項目は下記のようになります。
・ 年収
・ 勤続年数
・ 他社借入件数
・ 他社借入総額
・ 個人信用情報に問題がないこと
一般的にはカードローンの審査よりも厳しいとされていて、年収は200万円以上と設定している金融機関がほとんどです。ただし、年収そのものはそれほど重要ではなく、他社借入総額とこれから借りようとする金額のバランスが重要です。
フリーローンは総量規制対象外ですが、年収の1/3を超える金額を借りる場合は審査は厳しくなる傾向にあります。年収の1/3というのは他社からの借入額も含めてです。借りられる金額は年収の1/3が目安だと考えておきましょう。
フリーローンでは勤続年数も重視されます。メガバンクの中には勤続年数2年以上と設定している金融機関もありますので、ネットバンクでも理想は2年以上で、最低でも1年以上の勤続年数になってから申し込みを行いましょう。
借入件数が多い場合は、多重債務を疑われます。ただし、おまとめローンとしてフリーローンを利用する場合は、借入件数が多くても審査に通ることもあります。
もちろん言うまでもありませんが、ブラックリスト入りしている人には融資をしてくれません。思い当たる節があるようでしたら、フリーローンの借り入れは、履歴がなくなるまで待つようにしてください。
ネットバンクのフリーローンの返済方法
ネットバンクのフリーローン返済は、指定口座からの引き落としです。返済日は定められた日、もしくはいくつかの返済日から選択して、毎月1回の返済を行います。
返済方法は元利均等返済で、毎月同じ金額を返済していきます。例えば100万円を年利10%で借りて、3年で返済する場合は、毎月32,267円を返済していきます。フリーローンの場合は、無理のない返済になるように考慮して、返済期間を自分で設定します。
早く返済したい場合は、返済期間を短めに設定しますが、無理のある返済計画を立ててしまうと、債務整理に繋がる可能性もあります。基本的には、現実的に返済可能な金額になるように設定して、余裕があるときに繰り上げ返済や、一括返済を行います。
ただし、繰り上げ返済手数料がかかる場合は、1回の繰り上げ返済で数千円の費用が発生しますので、定額の繰り上げ返済や、細かく分割しての繰り上げ返済は、返済総額が増えてしまう可能性がありますので注意しましょう。
返済できない場合や、滞納をするとブラックリスト入りする可能性があります。返済の催促の電話を無視していると、裁判所に呼び出されることもあります。資産を強制的に売却されて返済に充てられることもありますので、気をつけてください。
ネットバンクのフリーローンの注意事項
ネットバンクでフリーローンを使うときに気をつけたいポイントは、「返済忘れ」と、「金利がまったく低くない」ということです。返済忘れについてはすでに説明しましたように、普段使わない口座ですので、残金不足で引き落とし出来ないとならないように気をつけましょう。
金利が低くないというのは、「お金を借りるならフリーローンから」と思考が固まっていると発生します。フリーローンは低金利だと思いこんでいて利用したところ、カードローンのほうが低金利だというようなことがあります。
実際に住信SBIネット銀行のフリーローンは、金利が年3.775~12.0%ですが、カードローンの場合は年0.99~7.99%です。明らかにカードローンを利用するほうが金利が低く、返済総額を減らすことができます。
フリーローンへのこだわりがない場合は、カードローンも含めて比較検討を行いましょう。使用方法によっては、フリーローンよりもカードローンのほうが合っているという人もいます。ネットバンクのフリーローンは必ずしも低金利というわけではありませんので、気をつけてください。
また、口座を持っていない場合は口座を作ってからの審査です。申し込みから融資開始まで時間がかかります。今すぐ融資を受けたいというケースでは、口座を持っていないことが大きなマイナスですので、比較検討の段階から口座開設だけでもしておきましょう。
ネットバンクはどんな人におすすめ?
さまざまなフリーローン商品がある中で、あえてネットバンクのフリーローンを選ぶべき人というのはどのような人なのでしょう。
・ 忙しくて窓口での手続きができない
・ メガバンクの審査には通りそうもない
大きく分けてこの2つのどちらかが当てはまる人が、ネットバンクのフリーローンに適しています。銀行によっては、融資を受けるために来店しなくてはいけないことがあります。会社員の場合は休みを取ることが難しいという人も多いかと思います。
ネットバンクであれば来店不要ですので、すべてネット完結で会社を休む必要もありません。とにかく忙しいけど、まとまったお金が必要という人は、銀行の営業時間を気にしなくてもいい、ネットバンクのフリーローンがおすすめです。
また、金利がそれほど低くないということもあり、審査に通りやすいことがネットバンクのフリーローンの特徴です。審査が甘いということはありませんが、メガバンクほど厳しい審査ではありませんので、どうしてもお金を借りなくては行けないという人はネットバンクでの利用を検討しましょう。
もちろん低金利が魅力のメガバンクの審査を先に受けて、審査落ちしてからネットバンクで申し込みをするという方法でも問題ありません。メガバンクで借りることができなかったときに、ネットバンクで審査を受けてみましょう。