借金一本化にオススメのおまとめローン
借金に関する悩みは常に尽きることがありません。唯一の解消方法は、「完済する」だけ。それならば、効率的な方法で多重債務を解消してしまいましょう。
とはいえ完済はカンタンな話ではありません。あなたは今、こんなことを考えていませんか?
「カードローンで借りたお金の毎月の返済が厳しい」
「以前より収入が減って返済に充てるお金がない」
「色々な業者から借りすぎて自分がいくら借金があるのかわからない」
もし、今借金のことで悩んでいるなら「おまとめローンを利用する」という選択肢を増やしてみてはどうでしょうか?結論を先に話すと、おまとめローンは目立ったデメリットがない多重債務の解決方法です。
とは言え、何も調べずに申し込みをすると失敗することがあります。そこでこの記事は、おまとめローンで借金が減る仕組みと、正しい借り換えの方法をまとめています。
この記事さえ読めば、難しいと思っていた借金の一本化がしっかり理解できます。わかりやすく解説しているので、焦って高金利なローンを契約してしまう前に読むことをオススメします。
おまとめ・借り換えOKのおすすめローン
おまとめローンとは?どんな仕組み?
おまとめローンをカンタンに説明すると、複数の債務を一本化することです。多重債務者のためのサービスで、金利を下げて返済の負担を少なくしてくれるメリットがあります。
仕組みは非常にシンプルで、現在の借金の総額をおまとめローンを使って1社から借り、複数の金融業者に一括返済します。今後はその1社にだけ返済を続けていけばいいというものです。カンタンに言うと借金の借り換えということです。
おまとめローンで借金が減る仕組み
おまとめローンを紹介する上でよく言われていることが、「借金が減る」ということ。これは元本が減るということではなく、金利が下がった分利息が減って借金総額が減ることを意味しています。
借金は借りる額が少ないほど金利が高い仕組みになっています。そのため複数の消費者金融から少額を借りていると、最大金利で借入していることが多いのです。それを1社からの高額融資に切り替えることで、金利を下げて利息を減らすのです。これが、「借金が減る」と言われる理由です。
多重債務は非常に危険で、結果として債務整理や自己破産に繋がるパターンが多いと言われています。
自己破産となると様々なデメリットがあるため、できれば避けたいもの。自力で借金問題を片付けることができるおまとめローンは、債務整理をする前に使える最終手段といえます。
利用方法は2種類
そんなおまとめローンですが、利用する方法は以下の2種類です。
1.カードローンを利用する方法
2.多重債務者向けの専用ローンを利用する方法
どちらを利用しても行うことは債務の一本化です。消費者金融は専用のローンを用意していることが大半なので、そうしたものを「おまとめローン」と名付けていることが多いのです。
カードローンとの違いは何?
消費者金融は総量規制という法律の関係上、カードローンだと年収の1/3までしか貸し出すことができません。それがおまとめローンとなると総量規制以上の貸し出しができるため、借金一本化に特化したサービスを提供しています。
対する銀行は総量規制の対象外なので、カードローンとおまとめローンを分ける必要がないのです。要は借金を一本化するための貸し出しができればいいので、銀行はカードローンをそのまま利用しているのです。
とはいえ、わかりやすさを重視するためにあえてカードローンとは別に「おまとめローン」という商品名でサービスを提供している銀行もあります。よく例に挙がるのが東京スター銀行です 。
カンタンな説明は以上として、次章ではどんなメリットがあるのかを紹介します。
おまとめローンで借金を一本化する3つのメリット
おまとめローンの仕組みが理解できたところで、借金一本化のメリットを紹介していきます。主なメリットは以下の3つです。
1.借金が減る
2.毎月の返済額をムリない金額にできる
3.支払いの一本化ができる
最大のメリットはやはり「借金が減ること」です。その他も多重債務に悩む人にとっては非常に助かるものばかりなので、以下で詳しく解説します。
1.借金が減る
前章で説明した通り、おまとめローンで借金が減る仕組みは、金利が下がることによって支払総額が減るからです。元々ある借金の元本が減るわけではありません。200万円の借り入れがあれば、200万円は返さなくてはいけない金額です。
それではなぜ借り換えした方が良いのでしょうか?
それは、利息額を減額するためです。例えば、複数の消費者金融から30万円〜80万円を合計200万円借り入れした場合、最高金利18%の適用で5年返済にすると、利息額だけで約258万円となります。借り入れ金額の倍以上の返済総額となり、月々に約75,000円を60回(任意)に分けて支払うことになります。
これをおまとめローンに借り換えすれば、金利を15%未満〜8%前後に下げることができます。200万円を金利8%で5年返済の計画を立てた場合、利息額は約95万円にまで減額することが可能です。おまとめローンに借り換えする前と後とでは、約160万円もの差が生じます。月々に約50,000円を60回に分けて返済することになります。
また、返済総額が減ったことによって、返済期間を3年に調整したとすると、利息額は52万円にまで減額することができます。月々の返済額も7万円程度を36回に分けて返済することになります。おまとめ前より返済額が5,000円下がっているにも関わらず、完済までの期間が2年も短縮されています。
低金利のローンに借り換えることで無駄に支払う利息を減らすことができるというのが最大のメリットと言えるでしょう。
この仕組みを利用すれば、毎月の返済額を調整することも可能です。今の返済額は少しキツいと思っている人は必見です。
2.毎月の返済額をムリない金額にできる
前述した返済シミュレーションでもお分かりの通り、おまとめローンを活用すれば、毎月の返済額を変えずに返済期間を短縮することができます。これは利息が大きく減ったからできることです。
逆に、今返済している額だと少し無理がある場合、返済計画を見直して余裕のある支払いにチェンジすることもできます。返済期間を変えなければ、利息が減った分毎月の返済額が減るためです。
借金返済ばかりを優先しすぎると、生活費が足りなくなってしまうというケースも発生します。日々の生活費を削りながら返すよりは、返済額を減らしてムリのない返済を継続していくことで、生活を安定させることができます。
そして意外と助かるのが、一社に借り換えることで返済日が毎月1回になるということです。
3.支払いの一本化ができる
いくつもの金融機関からお金を借りている場合、その返済日はすべて同じということはなく、毎週のように返済日がやってくるということもあります。金融業者によっては、毎月振込み手続きをしなくてはならないこともありとても面倒です。
月に何度も引き落としや振込手続きがあると、週に1度は借金を返済していることになります。頭の中は常に借金のことばかりになってしまい、あまり気分がいいものではありません。
うっかり返済を忘れてしまうだけでブラックリストに載ってしまうリスクもあるため、できれば返済日は月に一度にしたいところです。
そこでおまとめローンに借り換えることで、支払日が月1回で済むようになります。給料が入ったと同時に、返済に割り当てる金額も明確化でき、今月はいくら余裕があるのかなどの生活費の配分も決めやすくなります。気持ちも楽になるため、返済のストレスからも開放されます。
これがおまとめローンを使って借金を一本化するメリットです。多重債務者にとっては良いことばかりなので、積極的に活用していきたいところです。
しかし、具体的におまとめローンの利用を検討するのはどのタイミングがベストなのか気になりますよね。そこで次章では、借り換えるタイミングについて詳しく説明していきます。
おまとめローンを検討するタイミングはいつ?
ここまで、おまとめローンを利用するメリットを紹介しました。多重債務から抜け出すチャンスとなるものですが、具体的に利用を検討するタイミングはいつがオススメなのでしょうか?
おまとめローンにした方がいいタイミングは、主に以下の3つのどれかに当てはまるときです。
1.低金利で借り換えできそうなローンを見つけた時
2.複数ある借金の返済総額を減らしたい時
3.自分の浪費癖を直したい時
それぞれの具体的な説明と、それはなぜかという理由をこれから紹介していきます。
1.低金利で借り換えできそうなローンを見つけた時
借金というのは額が大きくなるほど利息が下がります。これは利息制限法に基づくもので、100万円を超える借金なら金利は最大でも15%となるように決まっています。おまとめローンにはこの利息制限法が大きく影響してきます。
100万円以下の借金は金利の上限が18%です。そのため多くの消費者金融が最大金利を適用しているため、少額の借金をいくつもしている場合は全ての会社に対して最大金利を支払っています。
もし、現在の借金総額が100万円を超えているようなら、一本化するだけで金利は必ず3%下がります。この時点でおまとめローンの利用を検討するべきでしょう。それどころか、すでに借金の総額が200万円や300万円に膨れ上がっているようなら、すぐに借り換えを検討しましょう。
2.複数ある借金の返済総額を減らしたい時
借金において、金利が最も無駄な出費です。元本を返さないことには返済総額は一向に減りません。そこで、低金利なローンで一本化して金利を下げるという手があります。
先に説明した通り、100万円以下の少額を数社から借りている場合は各社に最大金利を支払っています。一本化してしまえば金利が下がるため、その金利分の支払いがなくなります。
そのため、複数の金融機関から100万円以下の借金をしている人は、その時点でおまとめローンを利用するタイミングといえます。借り換えることで下がった金利分の利息が返済総額から引かれることになります。
できるだけ利息を減らして借金の総額を減らせば、トータルの返済回数が減るなどのメリットがあります。他にも、返済日が把握しきれなくなった時点で利用を検討すると良いでしょう。
おまとめローンにするとこれだけ得する!
以上2点の説明を踏まえ、実際におまとめローンで借金を一本化するとどれだけお得になるのか確認しましょう。借り換えのシミュレーション結果は以下の通りです。
例 A社:借金100万円(金利14%)【返済総額:142万円(60回払い)】 ※月の返済額、約23,000円 B社:借金80万円(金利18%)【返済総額:121万円(60回払い)】 ※月の返済額、約20,000円 C社:借金50万円(金利18%)【返済総額:76万円(60回払い)】 ※月の返済額、約12,000円
現在3社から合計で230万円を借りている場合、全て60回払いで返済すると仮定すると返済総額は339万円になります。つまり利息だけで109万円も発生しているのです。これをおまとめローンで一本化してみましょう。
おまとめ後 D社:借金230万円(金利9%)【返済総額:286万円(60回払い)】 ※月の返済額、約47,000円
低金利のおまとめローンに借り換えると、利息は56万円となり今までの約半分。今まで3社に約55,000円支払っていた返済額も、約47,000円で済みます。返済回数は全て60回なので、単純に毎月の返済負担が軽くなっていることがわかります。これが最も大きなメリットと覚えておきましょう。
3.自分の浪費癖を直したいとき
これは意外な盲点ですが、おまとめローンは自分の浪費癖を見直すキッカケにもなります。カードローンは自分に与えられた限度額の範囲内なら、何度でも借りたり返したりができます。そのためダラダラとキャッシングを続けてしまう可能性が高いのです。
その点おまとめローンは、一度借りたら追加で借りることができません。借金を完済するために借りるお金なので、追加融資はないのです。カードローンは返した分だけまた借りることができるので、浪費癖が付いている人はなかなか返済できません。
借りたお金で贅沢をする事を覚えてしまった人にとって、おまとめローンはピッタリです。借金を増やすにも増やしようがないという状況に追い込むことができるので、浪費癖を直したい方向きと言えるでしょう。
もし、現在カードローンに頼った生活をしていて、そこから抜け出したいと思っているなら、それがおまとめローンを利用するタイミングと言ってもいいでしょう。
そんなメリットばかりのおまとめローンですが、当然一本化に失敗してしまうケースもあります。そこで次の章では、実際にあった失敗例とデメリットについて詳しく紹介していきます。
おまとめローンのデメリットと失敗例
おまとめローンを利用するなら、事前のシミュレーションは必須です。なんとなくでまとめてしまうと一本化に失敗することもあり、逆に返済総額が増えてしまったという事態も発生します。そこでこの章では、そうした例を紹介しつつ、おまとめローンのデメリットについて解説していきます。
主なデメリットと失敗例は以下の5点です。
1.返済方法が変わって利息が多くなってしまうケース
2.まとめる必要のないものまで一本化してしまうケース
3.全額をおまとめできないケース
4.返済総額が多くなってしまうケース
5.悪質なおまとめローン詐欺に遭うケース
色々説明することはありますが、特に最後の「詐欺」に関しては注意が必要です。ここからそれぞれをさらに詳しく説明しましょう。
1.返済方法が変わって利息が多くなってしまうケース
ローンは同じ金利でも、返済方法によって借金総額が変わってしまうことがあります。
一般的には、“元利均等返済”という方式でお金を借ります。これは借り入れ金額に利息を計算したものを、完済まで毎月均等に返済していく方法です。この方法で一本化に成功すれば、利息も安くなり返済計画も立てやすくなります。
しかし、問題は“残高スライドリボルビング返済”でお金を借りて一本化してしまった時です。残高スライドリボルビング方式というのは、残高を毎月計上しなおすタイプなので、利息額が増えると同時に、返済期間(返済回数)も長くなってしまいます。どういうことかと言うと、返済が進むにつれて毎月の返済額が減少していくのです。
一見、月々の負担が減って楽そうだと思うかもしれませんが、これではいつまで経っても完済できません。その間ずっと利息を払い続けることになるので、結果としておまとめ前より多くのお金を払うことになってしまいます。
とはいえ、現在残高スライドリボルビング返済を採用しているおまとめローンはあまり多くありません。しかし念の為、借り換え前には返済方法をチェックするようにしましょう。
2.まとめる必要のないものまで一本化してしまうケース
続いて多いのが、「借金をまとめすぎてしまう」ということです。一本化がオススメと言いつつ、まとめすぎるとダメというのはどういうことなのでしょうか?仕組みはこのようになっています。
例えば自動車ローンなどは、平均でも5%程度と非常に低金利です。その他にもショッピングローンなども低金利なので、これらを一本化してしまうと失敗します。
おまとめローンはあくまで金利を下げて返済総額を減らすことが第一の目的です。自動車ローンのような低金利で高額なローンを一本化してしまうと、非常に多くの利息が発生してしまいます。
10%以下で借りているお金はまとめない!
おまとめローンの多くは10%前後の金利に設定されています。そのため10%以下で借りているお金に関してはまとめる必要がないのです。
他にも、銀行カードローンを10%程度で利用している場合、消費者金融でおまとめローンを契約してしまうと逆に金利が上がってしまいます。
金利が上がればその分返済総額が増えてしまうため、おまとめローンは失敗となります。こうした事態を招かないように、現在の借金の全てを見返し、いくらの金利で借りているのか把握しましょう。
3.全額をおまとめできないケース
このケースは、カードローンを使って借金を一本化する時にありがちな失敗です。
カードローンには限度額というものがあり、どんなに年収が高くてもその額以上は借りることができません。そのため、現在の負債全額が300万円あったとしたら、限度額が300万円以上のカードローンを契約しなければいけません。
審査の結果200万円しか枠が与えられなかったり、そもそも限度額が200万円のカードローンを契約してしまうと、全額を一本化することができないのです。
一部しかまとめられないと金利が下がる恩恵は受けにくくなり、トータルで見ると返済総額もあまり変わりません。手続きでかかった時間に見合う結果は出ないため、むしろ損してしまう可能性があります。
こうしたケースが想定される場合は、無理してカードローンで借金を一本化する必要はありません。その時はコツコツ借金を返済しつつ、一本化できる額まで借金総額を減らすことを優先しましょう。
そして、無理に借金をまとめると起きがちな失敗もあるので紹介します。
4.返済総額が多くなってしまうケース
借金を一本化した際に、毎月の返済額を極端に減らしてしまう人にありがちな失敗がこれです。これは極端な例ですが、数社に対して毎月合計で5万円返済していたとして、一本化した時にそれを1万円にしてしまったらどうなるでしょうか?
月々の負担は減りますが、返済期間はかなり延びてしまうことが分かります。それだと金利が低くなったとしても返済期間が長い分、多くの利息を支払い続ける事になってしまいます。
返済総額を減らすためには金利も重要ですが、いかに返済期間を短くするかというのも同じくらい重要です。もし、おまとめローンで借金を一本化するなら返済総額を計算してからにしましょう。
5.悪質なおまとめローン詐欺に遭うケース
最後に、近年多重債務に困っている人につけこんだ「おまとめローン詐欺」というものが横行しています。これには絶対に騙されないようにしましょう。
おまとめローン詐欺の特徴は以下の3点です。
・チラシなどの宣伝媒体を使う
・固定電話が無い
・審査なしなどの甘い文句を並べる
これらの特徴を持つ金融業者は、疑ってかかった方が良いでしょう。本来、多重債務状態の人にお金を貸すとなれば審査はより厳しくなるはずです。それがないという時点で詐欺と思って良いでしょう。
おまとめローン詐欺は、審査料などの名目で先に金銭を要求してきます。負債を減らすつもりが、逆に現金を騙し取られたというケースも発生しているので注意が必要です。
怪しいチラシなどで勧誘された場合、ネットで口コミや評判を調べるように心がけましょう。
ここまで、おまとめローンの特徴とメリットデメリットを説明してきました。大体のイメージはつかめたかと思います。しかし気になるのは、「どこで借りれるか」ということ。借りやすいおまとめローンはあるのか、次の章で詳しく説明していきます。
借りやすいおまとめローンはどこ?
お金を借りる際に一番気になるのが、どこで借りるかということ。もちろん、低金利で審査に通りやすいところが一番ですが、そう簡単な話ではないことはご存知かと思います。そこで、どこが借りやすいのかを詳しく説明していきます。
借りやすいのは消費者金融
先に結論を話すと、借りやすいのは断然消費者金融です。なぜなら、消費者金融は借金の一本化を目的とした「おまとめローン」という商品が用意されているからです。
詳しくは後述しますが、銀行で借金を一本化する際はカードローンを利用します。カードローンは本来借金をまとめるためのものではないので、借り入れ目的を伝えた時に審査に落ちる可能性があるのです。
しかし、消費者金融は「おまとめローン」と銘打ってサービスを提供しています。借金の一本化のためにお金を貸し出しているので、借り入れ目的を話して審査に落ちることはありません。もちろん、別の理由で審査落ちする可能性は十分ありますが、申し込み自体は断られません。
そのため、もし借りやすいおまとめローンを探しているのであれば、消費者金融がオススメです。それではなぜ、銀行カードローンは借金をまとめると話すと審査に落ちてしまうのでしょうか?これからその理由を説明します。
銀行でおまとめローンを契約するのは困難
近年、銀行は各方面からカードローンによる過剰な貸し出しを指摘されたことを受け、個人向けの融資を縮小する動きが活発化しています。今まで、銀行カードローンは無担保でありながら限度額が高いことがあり、おまとめローンとして最適と言われていました。
しかし、審査が不十分であることや融資がエスカレートしている事を問題視する声が、日本弁護士連合会や国会で多く上がっていました。その結果、金融庁が大手銀行に対して立ち入り調査を行うなど、問題は大きくなっています。
こうした背景から、銀行はカードローンの審査を厳格化して限度額の引き下げなどを行いました。そのため、今では銀行カードローンをおまとめローンとして利用するのは非常に困難な状況になっています。
債務を一本化するためには、一部銀行や消費者金融が用意している「おまとめ専用ローン」を利用するのがオススメです。
おまとめローンはメリットが多い一方、貸し出す金融機関側にとっては大きなリスクを伴います。借金をまとめるという時点で、普通の融資より高額になることは確実。その上申込者の大半が多重債務者です。金融機関にとってはあまりメリットがないことが分かります。
実は、借りる側にとって一方的にメリットしかない借金は、総量規制の対象外とされています。そもそも総量規制が何なのか、またそれによって借りる側にどんな良いことがあるのかを次章で詳しく説明していきます。
おまとめローンと総量規制の関係
お金を借りたことがある人は、総量規制という単語を一度は耳にしたことがあるでしょう。これは年収の1/3以上の金額は借りれないという規制です。借金を一本化するのであれば、当然そのボーダーライン以上の額を借り入れるはずです。そんなことができるのかどうか、この章ではおまとめローンと総量規制の関係について詳しく説明します。
総量規制とは?
まずは総量規制について簡単に説明します。これは2010年に賃金業者向けに発足された規制(法律)です。具体的には「”原則として”借り入れのトータル総額は、年収の3分の1まで」と制限するものです。
年収の3分の1というのは、生活を犠牲にしないで無理なく借金の返済が可能とされるボーダーラインと言われています。この法律は借金で苦しむ人が増加しないための防止策として考案されました。
総量規制ができるまでは、多重債務者の増加が深刻な社会問題となっていました。借金を理由に自殺する人が後を絶たず、その数は8,000人弱と言われています。総量規制が発足された後は多重債務者数も減少し、借金苦の自殺半分にまで減ったそうです。
とは言え、冒頭で説明した通り借金の一本化をするとなればこのボーダーラインは簡単に超えてしまいます。それでもおまとめローンが存在しているのは、総量規制にある”原則として”という言葉がカギを握ります。
おまとめローンは総量規制の対象ではない
結論から言うと、おまとめローンは総量規制の対象外です。そもそも総量規制は多重債務者を減らすという目的があり、過剰な借金で悩んでいる人への助け舟でもあります。
総量規制には例外貸付というものがあり、いくつかのケースでは年収の1/3以上の貸付を認めています。その中の一つに「顧客に一方的に有利となる借り換え」という条件があります。
これはまさにおまとめローンのことを指しており、一本化を推奨しています。多重債務状態を抜け出すために借りるお金なので、これは一方的に有利な借り換えにあたります。そのため、消費者金融でも多額の融資が可能になっているのです。
おまとめローンはその仕組上、一瞬だけ借金の総額が2倍になります。例えば200万円の負債を一本化するために200万を借りれば、負債は一旦400万円になります。
これだと多くの人が総量規制にかかってしまうため、おまとめローンの利用が目的なら例外となるのです。カードローンで一本化を考えている人は、例外にしてもらうために必ず金融業者に、「おまとめローン利用である」と伝えましょう。
これで多くの人がホッとしたことでしょう。続いては、気になる審査基準について紹介していきます。
おまとめローンの審査基準
おまとめローンは多重債務を抜け出すためのものなので、比較的審査に通りやすいと思われがちです。しかし、金額が大きいということもあり、逆に審査は厳しくなります。そこで、審査する内容を箇条書きでまとめてみました。
7つの審査項目
- 年齢制限(満20歳〜65歳が一般的)
- 職業(正社員・派遣・アルバイト・専業主婦など)
- 勤続年数(勤続1年以上が一般的)
- 年収(200万円以上が一般的)
- ブラックリストに載っていないか(指定信用情報機関(CIC)などで確認)
- 借り入れ件数が複数に渡っていないか(4社以上だと審査通過が厳しい)
- 住居形態(住宅ローンの返済状況など)
おまとめローンを契約するためには、少なくともこの7項目が重要です。それぞれを詳しく説明していきましょう。
1.年齢制限
おまとめローンに限らず、借金は20歳をすぎてからではないと契約できません。そのため最低年齢は20歳〜となります。上限は65歳までとしている金融機関が多いですが、一部消費者金融では上限の年齢を定めていないところもあります。おまとめローンは返済期間が長くなるものなので、現在65歳前後の人は審査の際に不利になる可能性があります。
2.職業
意外なことに、職業に関する縛りは多くありません。「安定した収入があること」が条件となっているため、正社員以外でも申し込みが可能。ただし専業主婦は収入がないため、審査において非常に不利になります。自営業者も安定した収入が長く続く保証がないため、審査で不利になると言われています。パートやアルバイトの場合、これから紹介する勤続年数が長ければそう心配することもありません。
3.勤続年数
安定した収入というのは、今の職場に長く勤めていることで証明できます。これからもやめる心配は少ないと見られ、審査で有利となります。最低でも1年以上の勤続年数は必要と言われているので、就職直後や転職直後はおまとめローンの審査通過は難しいでしょう。
4.年収
年収は最低でも200万円以上は必要と言われています。200万円を下回る年収だと、返済額によっては生活費が捻出できない可能性があります。そうすると生活が破たんし、債務整理を行う可能性が高くなると予想されます。そのため審査の際にはん年収も考慮されるのです。
5.ブラックリストに載っていないか
ブラックリストとは、個人信用情報機関に「異動情報」が載っていることを指します。具体的には、過去に返済の遅延やカードローンの滞納をしているかどうかということ。もし過去に借りたお金でトラブルを起こしていたら、その履歴がブラックリスト情報として残っている可能性があります。過去に自己破産や債務整理をした時も同様で、その場合は審査に通ることはありません。
6.借り入れ件数が複数に渡っていないか
多重債務なんだからすでに何社から借りていても問題ないと思われがちですが、そうではありません。一般的には、現在3社ほどから借金をしている人は借りやすいと言われています。逆に4〜5社から借り入れている状況だと、自己破産する可能性が非常に高いと判断されてしまいます。すでに生活は破たんしている状況と判断されてしまうわけです。そのため現在どれほどの会社からお金を借りているかどうかは、審査の際に非常に重要視されるのです。
7.住居形態
もし現在住宅ローンなど大きな借金を抱えている場合、審査で不利になる可能性があります。これ以上返済額が増えると自己破産の危険があると判断されてしまうからです。ただし住宅ローンはあっても持ち家があれば、それを担保にすることでおまとめローンを契約できる可能性があります。おまとめローンを契約しても返済が可能かどうかが審査でチェックされるのです。
もしほとんどの条件を満たしていても、これらのどれかに不都合が見つかった場合、審査に通らない可能性が高くなります。
もう一点特筆すべき点としては、申し込みは正社員以外でも可能ということです。これについてもう少し詳しく解説しましょう。
正社員以外でも申し込みができる
ひと昔前は、借金といえば年収が安定した正社員しか契約できないという状況でした。しかし現在に至っては、パート・アルバイト・学生・派遣社員・専業主婦・年金受給者などの低収入者でも利用可能なおまとめローンもあります。
大事なのは雇用状況よりも、「安定して収入が得られているかどうか」ということ。そのため自分が非正規雇用だとしても、諦めずに申し込めるものを探しましょう。
審査に通らない主な原因と対処法
前章では審査基準を詳しく解説しました。どれかに引っかかれば審査に落ちるというのはわかりますが、多くの人が陥りがちなケースがあります。そこでこの章では、みんながどんなことで審査落ちしているのか、またその対処法はなんなのかということを説明していきます。
ブラックリストに載っているケース
数ある審査基準の中でも、これが原因だと絶対通らないというものがあります。
それは、過去に債務整理をしたことがあるかどうかということです。自己破産などを行うと、債務整理の履歴が個人信用情報機関に残ります。
その履歴は5年〜10年残ると言われており、その間はどのローンも審査に通りません。おまとめローンの審査をする際、金融業者は必ず個人信用情報機関をチェックします。そこに債務整理の記録があればその時点で審査は終了します。
ここには、債務整理の記録だけでなく、過去に他社で借りたお金を遅延なく払っているかという情報も記録されています。携帯電話の分割払いも借金扱いとなるため、携帯代を滞納しても審査に影響します。
これらの情報は一般的に「ブラックリスト」と呼ばれるものであり、審査結果を大きく左右します。過去に思い当たる節がある人は、おまとめローンの利用はできないと考えておきましょう。
これに関しては対処法は無く、ブラックリストから消えるまで待ち続けるしかありません。その間にコツコツ借金を返済し、一本化する時までに債務を少しでも減らしておく努力をしましょう。
他社借入件数が多いケース
続いて多いのは前章でも説明した通り、他社借り入れが多すぎるケースです。審査の通過には、債務残高の多さよりも他社借入件数の多さの方が重要です。
例えば、総額100万円を50万円ずつ2つの金融業者から借り入れしているよりも、総額90万円を30万円ずつ3つの金融業者から借り入れしている方が不利となります。
なぜかというと、1社目の借り入れ限度額が高ければ2社目に借り入れを依頼することはありません。つまり、限度額が低い(信用が足りない)から、2社3社と多重債務に至ってしまうというのが審査する側の見解です。
そこで対処法があります。
少しでも審査に通りやすい環境を作るために、借入件数を減らしてからおまとめローンの申込みをするのです。現在、4社以上の金融業者から借金をしている場合、銀行カードローンはほぼ審査に通りません。
そこで、金利は高いものの審査通過のハードルが若干甘い消費者金融を使い、こまごました借金をまとめます。借入残高が低い2社をピックアップしてまとめることで、4件から3件に減らすことができます。
これでボーダーラインの3件に収まったので、いよいよ本命の低金利のおまとめローンに申込みをするのです。最終的に1社にまとめてしまうので、消費者金融で少まとめする際は金利を気にする必要はありません。
勤続年数が少ないケース
銀行の場合は特に重視しているのが、勤続年数です。最低でも同じ職場に1年以上勤めていることを条件にしている金融業者が多く、就職して日が浅い場合は審査に通りません。
実は審査落ちする人の約半分が、勤続年数が足りない事を理由にされています。そこで、限られた人だけが使えるテクニックではありますが、この条件の対処法を紹介します。
勤続年数は年単位で計算されるため、もう少しで1年経過しそうという場合は、数ヶ月待ってから申込みをしましょう。1年より2年、2年より3年の方が審査は有利になります。節目を迎えるまでしばらく待ってみるというのも一つの手と言えるでしょう。
勤続年数に関してはその分長く働き続ける以外の対処法がありません。ここまでの情報を頭に入れた上で、次章では各金融機関が扱っているローンを紹介します。おまとめローンに特化したものや銀行カードローンまで色々な種類があるので、金利や諸条件について確認しておきましょう。
どこがいいか迷ったときのオススメ
選び方がわかっても、金融機関が多すぎてどこがいいか絞りきれないという人のために、オススメできる代表的な金融機関をいくつか紹介します。どうしても金融機関を選びきれないという人は参考にしてください。
三菱UFJ銀行バンクイック
金利:年1.8%〜14.6%
利用限度額:500万円
タイプ:カードローン
三菱UFJ銀行のバンクイックは低金利が魅力のカードローンです。とにかく返済総額を減らしたいと考えている人にオススメです。他の銀行よりも利用限度額は低めですが、おまとめローンの場合は500万円もあれば問題なく一本化できるはずです。
オリックス銀行カードローン
金利:年1.7%〜17.8%
利用限度額:800万円
タイプ:カードローン
オリックス銀行カードローンも金利の低い金融機関のひとつです。最高金利が17.8%と、一見高いように感じるかもしれませんが、金利が17.8%になるのは10万円以下の借り入れのときです。おまとめローンとして利用する場合の金利はそれほど高くありませんので安心してください。
プロミスおまとめローン
金利:年6.3%〜17.8%
利用限度額:300万円
タイプ:おまとめ専用ローン
プロミスのおまとめローンは、おまとめ専用のローンです。限度額は300万円で最大金利も高いのですが、銀行と比べると審査に通りやすいというメリットがあります。最小金利が低いので、300万円近い借金がある場合は低金利を期待できます。借金総額が300万円以下の人にオススメのおまとめローンです。
アイフルおまとめMAX
金利:年3.0%〜17.5%
利用限度額:800万円
タイプ:おまとめ専用ローン
アイフルおまとめMAXの魅力は最低金利の低さにあります。借金の総額が300万円以上と多い場合は、銀行の金利とそれほど変わらない金利で借金の一本化をすることが可能です。
さらに他の消費者金融と比べて限度額が800万円と高額です。借金総額が300万円を超えていて、他の消費者金融で一本化できない時はアイフルがオススメ。
申込先で迷った時のために、いくつかオススメをピックアップして紹介しました。続いて、いくつか注意点があるので同時に紹介しておきます。
おまとめローンを選ぶときの注意点
おまとめローンを選ぶときにはいくつかの注意点がありますので、ここではスムーズに借金を一本化するための注意点をまとめて紹介します。
審査には時間がかかる
カードローンなどは即日審査・即日融資という金融機関もありますが、借金の一本化のような高額な借入の場合には、どうしても審査に時間がかかってしまいます。すぐに融資が必要な状況になる前に申し込みを行うようにしてください。
一度に複数の金融機関に申し込みをしない
どこがいいかわからないからといって、複数の金融機関に一度に申し込みをしないようにしましょう。それぞれの金融機関は一度に申し込みをされたことがわかるシステムになっていますので、お金に困って焦っていると判断され、審査に不利になりますので申し込みは1社ずつ行いましょう。
金利の低さだけでなく月々の返済額も確認する
おまとめローンを選ぶときには金利の低さばかり見てしまいますが、低金利の金融機関は月々の返済額も少なめに設定されています。このため長期間利息を払い続ける必要があり返済総額が増えてしまうことがあります。
おまとめローンはどこがいいか選ぶときには必ず返済シミュレーションなどを利用して、返済総額も確認するようにしてください。もちろん月々の返済額が減ればそれでいいというようなケースでは、返済総額が増えるということはあまり気にしすぎないようにしましょう。
自分が何を目的に借金を一本化するのかというのをしっかりさせることが、多重債務を抜け出す第一歩です。そこで次章では、おまとめローンをどのように選べば良いのか、正しい選び方を紹介します。
おまとめローンの正しい選び方
ここまでおまとめローンの基礎知識からオススメの金融機関まで詳しく紹介してきました。借金で困っている生活を抜け出すためには、自分にピッタリの返済プランを組むことが重要。そこで、この章ではおまとめローンの正しい選び方を紹介します。
一本化する理由を明確にする
まず大切なのは、何のためにおまとめローンを利用するかということを明確にすることです。借金の返済総額を少なくしたいのか、それとも月々の返済を楽にしたいのか、人によってそれぞれに理由があると思います。その理由をはっきりさせることから始めましょう。
借金の返済総額を減らしたい場合
返済が苦しいわけではなく借金の返済総額を減らしたい場合は、とにかく低金利の金融機関を選びます。このケースでは銀行のカードローンでの借金の一本化を検討しましょう。あえて金利の高い消費者金融で一本化するメリットはあまりありません。
検討した結果、おまとめローンを利用しないという選択肢も十分ありえます。一本化だけにこだわるのではなく、総合的に判断することが大事です。
月々の返済を楽にしたい場合
月々の返済が苦しくて滞納の可能性があるというような人は、まずは借金の一本化をして月々の返済額を下げることを最優先しましょう。返済総額が増えることは気にせずに、まずは目の前にせまっている返済を楽にすることを優先してください。
金銭面で苦しんでいる場合もそうですが、返済日が多すぎて把握しきれない人もこれに該当します。毎週どこかしらに返済している生活では、常に借金のことが頭から離れません。そのため借金を一本化して、返済日を月一回にするのがオススメです。
時間に余裕があれば低金利のおまとめローンの審査から受けるのが理想ですが、すぐにでも一本化をしたい場合は、まずは消費者金融のおまとめローンの利用も検討しましょう。
とにかく大事なのが、今借りている借金を滞納しないことです。滞納してしまうとブラックリスト入りしてしまい、今後おまとめローンが契約できません。1度の滞納から気が緩み、いよいよどうしようもないという状態になってしまうこともあります。
その際は、債務整理を検討することになるでしょう。しかし債務整理にはさまざまなリスクが潜んでいるため、次章では債務整理について少し詳しく解説します。
債務整理とおまとめローンどちらがおすすめ?
債務整理と聞けば、無条件に借金が帳消しになると考えている人も少なくないようです。しかしそんなことはありません。借りているお金を返さなくていいということは、それ相応のものを失うことになります。そこでこの章では、おまとめローンではなく債務整理を検討したらどうなるのかについて説明していきます。
債務整理とは?
おまとめローンは自己資金で多重債務を抜け出す方法です。自分で借金を返済していくことになりますが、それすらも無理な場合にするのが債務整理です。債務整理とは法律によって借金を整理することで、個人向けの債務整理には「任意整理・特定調停・個人再生・自己破産」があります。
ここで、それらの債務整理の違いを紹介します。
・任意整理
法律に基づき、金融業者に返済額や利息額を少なくしてもらうなどの交渉をする方法です。個人でも交渉は可能ですが、手続きが面倒なことと交渉が難航する事を考慮して、弁護士などを通すのが一般的です。
・特定調停
任意整理に似ていますが、間に簡易裁判所が入るという違いがあります。弁護士に依頼せずに行えるので費用が抑えられますが、調停成立後は内容に従い一切滞りなく返済しなければいけません。もし滞納すれば、給与の差し押さえなどがあるので注意が必要です。
・個人再生
個人再生は借金を5分の1に減らしてもらう方法です。裁判所に計画書を提出し、有効と認められれば減額されます。その額を3〜5年で返済すれば、全ての債務がなくなります。メリットは大きいですが、紹介した4つの債務整理の中では最も手続きが大変です。自己破産と違い住宅を没収されることが無いので需要があります。
・自己破産
裁判所に破産申立書を提出して、免責の許可が降りた時に使えるのが自己破産です。全ての借金が0になりますが、20万円以上の資産は全て没収されます。一定期間中、一部の職に就けないなどの制限があり、住所と氏名が国の機関紙に掲載されます。
これが債務整理と呼ばれるものの内容です。なんとなくどういうものか分かったところで、おまとめローンと違ってどんなリスクがあるのかを紹介していきます。
おまとめローンと債務整理の違い
おまとめローンと債務整理の違いは、自力で解決するか司法に任せるかの違いです。おまとめローンは複数の借金を一本化した後、自分の収入から返済を行います。滞りなく返済している限りは私生活に全く影響なく、完済すればすぐに新たな借金が可能です。
しかし、債務整理は弁護士の力を借りて金融業者と交渉をしたり、必要な書類を作成して裁判所に提出する必要があります。もちろん要求が全て通るとも限らず、必ず借金が減額になるわけではありません。
主張が認められて、借金が減額または帳消しになれば、その履歴が個人信用情報機関に登録されます。いわゆるブラックリスト入りというもので、5〜10年はどの金融業者からもお金を借りる事ができません。
さらに機関紙に住所氏名が記載され、財産を処分しなければいけない場合もあり、私生活に大きな影響がでます。そうしたリスクと引き換えに、借金をなくすのが債務整理なのです。
これに関してはある意味当然と言えるものばかりでしょう。無条件で借金を帳消しにできる制度などないため、債務整理をするということは相応の代償があります。さらに、借金していることを家族に隠している人には致命的な問題があるのでそれも紹介します。
債務整理をすると家族にバレる
おまとめローンは家族にバレずに契約することができます。高額になると提出書類の数が増えるものの、基本的にはカードローンの契約と同じ方法で可能です。在籍確認をうまく乗り越えれば、郵送物は企業名がわからないもので送付するなどの配慮があるため、家族に内緒で借金の一本化ができます。
対する債務整理は、任意整理以外は家族にバレる可能性があります。提出書類の数も多い上、自己破産となれば財産を処分されるので確実に家族にバレます。突然家や車が無くなれば、当然家族は何かあったに違いないと疑うでしょう。そこまで来ると、債務整理を隠し通すことは不可能です。
債務整理を検討しているということは、すでに家族に気を使っている場合ではないケースがほとんどです。しかし、まだおまとめローンで解決できそうな場合は、債務整理で家族にバレてしまうリスクについても考えておく必要があるでしょう。
債務整理を選択するタイミング
こうした点を踏まえ、債務整理を検討するタイミングはどこがベストなのでしょうか?
リスクを考えると、出来る限りおまとめローンで対応した方が私生活への影響は最小限に留められます。しかし、おまとめローンで一本化をしたところで、月々の返済額が到底支払えない額なら債務整理を検討するタイミングでしょう。
銀行や消費者金融も債務整理に入られると、貸したお金を回収できない事態が発生します。もし、今の時点で借金返済が滞りそうなら、一度金融業者に相談してみましょう。
金融業者が無理やり取り立てをする時代は終わりました。今は、債務者の立場を一緒になって考えてくれる業者が多いため、返せない事情を全て話してみる価値は十分あります。
その話し合いが難航した時に、初めて借金問題に詳しい弁護士に相談すると良いでしょう。債務整理自体は悪いことではありませんが、最終手段と考えておくのが良いでしょう。
過払い金請求はおまとめローン中にできる?
借金を減らす効果が見込めると言われているのが「過払い金請求」というもの。グレーゾーン金利で借りていた、本来払う必要のなかった利息を返してもらう手続きです。一見すると、「借金が減らせるならすぐやりたい!」と思えるものですが、これは前章で紹介した債務整理の手続きと同じこと。つまり、借金の返済中に過払い金請求をするとブラックリストに載ってしまう場合があるのです。
ブラックリストに載る条件は、過払い金請求をして戻ってきた過払い金を受け取ってもまだ借金の方が多い状態。戻ってきた過払い金が借金の残りより多ければ、その時点で完済となります。しかし逆の場合、債務整理の手続き上どうしてもブラックリストに登録されてしまいます。そのため、過払い金請求をするためには借金の残りと戻ってくる過払い金の額を事前に確認しないといけないのです。
こうしたことを踏まえ、過払い金請求をするならおまとめローンの後が最もいいのです。完済後であれば、過去の借金を見直すだけなのでブラックリストに載ることはありません。ただし、完済から10年が過ぎると過払い金を請求できる権利が消滅してしまいます。その点だけ注意しましょう。
この章の結論としては、過払い金請求はおまとめローンにできるがリスクが高いため、おまとめローンの後に行うようにしましょうということです。
まとめ
この記事では、おまとめローン全般について詳しく解説してきました。内容も多くかなり複雑になったため、ここで要点を5つカンタンに紹介しましょう。
- おまとめローンは複数の借金を一本にして返済の負担を減らすためのもの
- 利用者にとってのデメリットはないため、総量規制対象外
- 返済額を減らしたいのか心理的負担を減らしたいのかで選ぶローンが変わる
- 銀行カードローンは低金利だが近年はおまとめ利用がしにくくなっている
- 債務整理はハイリスクなので最終手段と考えておくのがベスト
この記事の中でも、特に重要なのが上記の5点です。多重債務状態というのは、良いことが一つもありません。常に借金のことで頭がいっぱいになっているのは、決して心理的にもいい状態とは言えません。
借金を一本化すれば金利が下がった分利息が少なくなります。その結果借金総額が減って効率的に返済をすることが可能になります。その上返済日も月一回になるので、その日までにお金を用意すればいいとシンプルに考えることができます。
返済を効率化することで仕事もはかどり、結果借金返済のペースも早まるという好循環が生まれるため、おまとめローンはデメリットがないと言えます。しかし一本化にこだわりすぎた結果、前より不利な条件でお金を借りてしまったというケースもあるので十分注意しましょう。
そして債務整理は最終手段と考え、できるだけおまとめローンに頼った多重債務からの脱却を目指しましょう。返済が滞りそうな場合は事後報告ではなく、事前に金融機関に相談することが大事です。最近は親身に返済プランの組み直しなどを行ってくれる業者も増えたため、必要以上に恐れる必要はありません。
借金問題となると人に相談しづらいことから、一人で抱え込んでしまう人が多いものです。そのため適切な判断が下せないことがあります。この記事を読んで、正確な情報に基いて賢く債務の整理を行うようにしましょう。